スターサインプリキュア☆
「沙織が帰って、もう1週間かぁ。」
「連絡…ないねー。」
「きっともうすぐ来るわよ!」
「スターウォッチもあるから安否確認くらいは取れるでしょ。」
『あ…安否…。』
みんなはみのりの部屋で沙織やレオの事を話していた。
「しっかしあれだな!あのレオってやつ?キザな野郎だな!」
アルカスがクッションの上でコロコロ転がりながら少し機嫌悪そうに話す。
「ボク達とはまた違った感じ…だよね。でも、すごくカッコよかったなぁ。」
「はぁ!?」
アルカスはロタの鉢を掴んで揺らし始め、ロタがやめてよぉと声を出している。
「私はレオさん、すごく紳士的でいいと思いますよ。」
「そうよねー?アルカスみたいなガサツな男とは大違い!ああいうのが真の「王子」よね?」
ハルとピーコは「ねー!」と言いながら女子トークが盛り上がってる様子だ。
「おい、ピーコ!なんつったーーー!?」
「キャー!この暴力王子っ!!国外追放するわよ!!」
「うるせーーー!」
「あーもー!うるさいよ!」
みのりは袋から取り出したちくわをアルカスの口に押し込んで黙らせる。
「ンゴッ!ングング…」
「もうすぐお母さんがジュース持ってくるからみんな静かにしててね?」
『はーい!』
「あなた、だいぶこの王子の扱い方に慣れたようね。」
星羅が2人の様子を横目に見てそう言う。
「はい。王子と思ってませんから♪」
「あぁ!?」
「はい、もういっちょ。」
「ングッ!?」
「アハハ!ちくわ代かかりそうねー!」
春菜は笑いながら言う。
「か、悲しくなるから言わないで下さいよー!」
「私もまた持ってくるね、みのり!」
「わーん、結姫助かるよぉ!」
「私も、たまには協力するわ。」
「春菜さんもー!ありがたいっ…!」
「じゃあ毎回俺がうるさくしたら食い放題じゃねえか!!」
「こらっ!アルカス!」
みのりはそう言ってパシッとアルカスの頭を叩く。
「…ちくわの中にわさび、しょうが、とうがらしペーストを混ぜたものをぎっしり詰めていつもみたいに口に押し込めばもうわがまま言わなくなるわよ。」
『…。』
「あ?な、何だよ!わさび?しょうが?とうがらし?何だよそれ!」
「みのりー、入っても良いかしら?」
お母さんがドアをトントンと叩いて声をかける。
「あ、はーい!」
私はアルカスを口に入れかけたちくわごとベットの中に押し入れた。
「ぐ…げほっごほっ!!」
「お邪魔するわね〜ジュースよー…ってあら?みのり大丈夫?」
むせたアルカスの咳がバレないようみのりも咳をする。
「大丈夫大丈夫!ちょっと喋り過ぎちゃっただけだから…。」
「そう、それならジュース持ってきて良かったわ。それにしても賑やかねー!8人くらいはいるような賑やかさだったわ!」
「あ…ははは…」
あながち間違ってない……。
「ついつい話すことが多くてー…ね?」
結姫がみんなを見渡して言う。
「うんうん!」
「おかげさまで楽しませて頂いています。」
星羅と春菜も首を縦に動かして答える。
「それなら何よりだわ。ところであなた達、最近…」
「ん?どうしたのお母さん。」
「…ううん。いいわ、気にしないで。勉強も部活も頑張ってるみたいだけどあんまり無理しない事。
いいわね?みのりや結姫ちゃんだけじゃなく春菜ちゃんや星羅ちゃんみんなよ?」
「お気遣いありがとうございます。ですがよくお邪魔するので本当にご迷惑をおかけしてるかも…」と星羅が優子に言いかけていると彼女は星羅に向かってにっこりと笑ってこう言った。
「何言ってるの、子供が大人に迷惑をかけるのは当たり前。私達もそうやって大人になっていったのよ?
あなたはお父さんもお仕事でお忙しいでしょうから困ったらいつでも来るのよ?分かった?」
「あ…はい…ありがとうございます…」
「じゃあねーお邪魔しました♪」
そう言って優子は部屋を出た。
「いい人ね…本当に…。」
「みのりのお母さん昔からすんごい優しいもんね♪」
星羅と結姫がジュースを飲みながらそう話す。
「ほんと…みのりのご両親みたいな人、羨ましい…。私なんて父も母も私に迷惑かけまくりよ?逆よ逆!
どっちが親か子供か、分からないわ!」
春菜はふぅっとため息をついてそう言った。
「は…はぁ…やっと食えた…」
「あ、アルカス。」
「あ、アルカスじゃねぇよ!!思いっきりちくわ押し込みやがって!死ぬかと思ったじゃねぇか!!」
「じゃあ静かにしておく事ねー?次騒ぎまくったら本当にわさび・しょうが・とうがらしちくわ突っ込むから!」
「そこまで言われると逆にどんなのか…」
そう言いかけてアルカスが耳をピクピクと動かす。
「どうしたの?」
「邪悪な…気配がする。でもいつもとは違うもっと…もっとやべぇ…」
『え…!?』
「とりあえず外に出よう。」
みのりはアルカス達を鞄にまとめて扉を開ける。
『ええ。』
「お母さんちょっと出かけてくるね!」
「え?」
『お邪魔しました!』
「あ、は、はーい!」
バタンッ。
「あらあら…忙しい子達ね…。天気が急に悪くなったわね…傘持っていったのかしら…。
洗濯物取り込んでおかないと…。」
作品名:スターサインプリキュア☆ 作家名:☆Milky☆