スターサインプリキュア☆
しばらく歩くと校舎の裏側に来たようだ。部活でランニングをする人達が周回しているくらいで人通りは少ない。
「あの、こっちにはほとんど何もありませんよ、職員室で何か聞いてみましょうか?」
「…みーつけた。」
女の子はそう言って学校を囲うフェンスに手を伸ばしている。
「…?」
「あの、何か落し物でも…?」
「フン、バッカじゃないの、あんたら。」
「え…?」
「どこの誰かも知らない相手にホイホイついてってさ。虫捕まえるより楽だわ。
スタージュエルを見つけたって言ってんのよ!」
「なにそれ…?」
『スタージュエル!?』
「じゃああなたまさか…!」
「もう遅いっつーの!さあ、このスタージュエルの輝きを吸収して、行くのよ、ダークマター!」
女の子が手を広げてそう言うと黒いボールの様なものとスタージュエルが合わさり、フェンスと融合して巨大化する。
「さぁダークマター、ここにいるバカをさっさと潰して人間界を漆黒の闇に染めな!」
「マーター!」
「な、何これ…!?」
「先輩!逃げて下さい!」
「え、え…!?」
「そうはさせないよー♪」
「マーターー!」
「きゃぁぁぁ!」野木先輩がダークマターが出した金網に捕われる。
「先輩!!」
「なんかあっさりしてつまんないの。バルジはこんなやつらにてこずってたわけ?」
「余計なお世話だ。」スッとバルジが現れる。
「あんた!!」
「お前たち、ここの生徒だったのか。」
「という事はその子は仲間…!?」
「そうよ。名前くらい教えてあげる。私はメシエ。
あなた達を始末する為にわざわざ人間界に遊びに来たの、良い子でしょ。」
「よくも先輩を…!」
「メシエ、こいつは見たことないぞ。」
「あれ、こいつは違うの?なんだハズレかー。ざーんねん。」
「そうよ、先輩は関係ないんだから放して!」
「い・や・よ。あんたらの知り合いでしょ。なんか面白いし返してあげなーい。」
メシエと名乗る少女は不気味にクスクスと笑う。
「2人とも、私の事はいいから、誰か呼んできなさい!早く!」
「アハハハハハ!バカじゃないのー!誰呼んだって敵う訳ないわ。ほんと人間ってバカなのね!」
「あなた、人の好意を利用して最低な事してるのよ、分かる!?」
「引っかかるあなたが悪いのよ。わざわざここの学校の生徒にもなりすまさないで来たのにあっさりついて来るんだから。笑うしかないじゃない!!」
キャハハと声を立てて笑っている…この子、ホントに最低だ…。
「学校に来た人には全員ちゃんと挨拶もして、困っている人がいれば案内するのが普通です!
あなたこそ、おかしいわ!」
「…こーいう生意気な女、大っ嫌い。ひねりつぶしちゃおうかな、ね、ダークマター。」
「マーター!」
ダークマターが金網で野木先輩を締め付ける。
「うっ…い、痛い…。」
「先輩!」
「2人とも早く…逃げて…。」
「結姫…。」
私は結姫を見つめ、結姫もコクリと頷く。
「うん、やるしかないよ。」
「先輩!私達が助けます!!』
「何言ってるの…無理よ…!」
私達はもう一度お互いの顔を見て、そしてすぐに前を向く。
『任せて下さい、先輩!』
『プリキュア!スターサイン・イリュージョン!』時計が開き、針がくるくると回ってオレンジ色と黄色の綺麗な光が私達を包み込む。
途中でいつものように無数の星達に手を伸ばし、星座の力を受け取って2人とも地面に降りた。
作品名:スターサインプリキュア☆ 作家名:☆Milky☆