スターサインプリキュア☆
「…い、一体どうなって…」
「星羅はやっぱり守りたかったんだ…。でも、でも私もどうしたらいいのか分からないよ…!」
「あの、先輩…。話を聞かせて頂けませんか…?」
「わ、私も聞きたい…って本当は聞いちゃいけないかもしれないけれど、でも…今は聞かなきゃ、聞いておかなきゃいけない気がするんです。私もまだプリキュアになって戦うとか地球が危ないとか全然自覚ないけど、目の前で起こってる事実とか見たら…。部長さんも仲間かもしれなし、みんなで分かり合える為にも聞いておきたいです私…!」
「うん…私もだよ。」
「そうね…昨日話しかけてたし…私が分かる限りでいいなら…。」
「星羅と私は幼い頃からとても仲が良かったの。家もそう遠くなくて、よくお互いの家でお泊りしたりしてた。私はどっちかって言うと言いたい事を素直に言えないタイプだったから、物事をはっきり言うタイプの星羅にはいつも助けられていたの。」
「それは今でも同じだよね?」
「うんうん。」
「そうね、でも今は自分だけで突っ走っていってる感じだけど昔はそうでもなかったのよ。
いつも笑顔だったし、活発で、それでいてしっかりしてるからみんなのお姉さん的存在で。
小学校に入っても勉強はよく出来るし、分からない子みんなに分かりやすく教えてた。
運動会でも足の遅い子には休日もずっと付きっきりで走る練習を一緒にしてた。そしてその子が本番で2着でね、星羅もすごく喜んでたんだ。
何事にもどんな子にでも正面から向き合って、色んな人と力を合わせて何でも乗り越えちゃう彼女がすごくうらやましかったし、すごく尊敬してた。
でもね…。中学生になった頃、お母さんと喧嘩しちゃったみたいで、何が原因かは分からないんだけどそのまま気まずくなったみたいで…あんまりお母さんと話さなくなったらしいの。
そして中2の時に…星羅のお母さんは病気で亡くなったの…。」
「そ、そんな…。」
「お葬式の時、星羅は涙も流さずにずっと…私のせいだ、私がお母さんを死なせてしまった…。
ってずっと繰り返し言ってた。私は書かける言葉が見つからなくて大丈夫だよ、星羅のせいなんかじゃない…大丈夫だよ…。ってしか言えなくて…。
でも次に星羅に会った時には…今みたいになんでも一人でこなそうこなそうとしてる星羅の姿だったの。
誰にも頼らずに家の事も、学校の事も全部引き受けて、たとえどんなに熱があっても全て完璧にこなしてた…。でも私は…そんな星羅が辛そうにしか見えなくて…。
私も何か手伝うからって家に駆けこんでいった事もあるけど、これは私のやるべきことだからって追い返されちゃうし、私もどうしたらいいのか分からなくて…。
それでね、この高校を必死で守ろうとしてた星羅を見て、まだ星羅は一人でずっとお母さんを背負ってるんだ…って思ったの。この高校はね星羅のお母さんの母校でもあるの。星羅はあの時お母さんを守れなかったから、この学校だけは守りたいんだって想いが強いんだと思うの。私は知ってるから…。星羅がこの学校の事…どれだけ大好きかって事…。」
『…。』
作品名:スターサインプリキュア☆ 作家名:☆Milky☆