スターサインプリキュア☆
「お前もプリキュア…だと?」
バルジがデルフィナスに向かってパンチをしようと襲い掛かって来る。
けれどそれをデルフィナスは軽く片手で受け止める。
「なっ…!」
「これがプリキュアの力なの…容易い事ね。はっ!」
「うっ…!」
「すごいよデルフィナス!普通に力あるよ!」
「これでとどめ…。」
そう言ってデルフィナスはどこからともなく光のハープのような物を手にする。
「ダ、ダメです!!星座の力を受けてないのにそれは使えないです!」
「ロ、ロタ君…どういう事!?」
「ボクにも分からないけど…その何て言うかあの人は完全なプリキュアじゃないから!」
「で、でもバルジの攻撃受け止めてたし…。」
「でもあのハープは本来星座の力があってこそなんです!
あのままじゃあの人の身が危ないかもしれません!」
ポロンポロン…。
デルフィナスがその光のハープのようなもので音を出す。
「部長さん、止めて…!!」
「…プリキュア・デルフィナスソリスト!」
バルジに向かって光の音符が放たれる。
「…!」
けれどその音符はどれもバルジには届かず消えてしまう。
「どうして…!?」
「お前に…プリキュアの資格はない!!」
ドォォォォン!
大きな音と舞い上がった砂埃で私達は目を開けられない。
「プリキュアの出来損ない…か。フッ、いい材料になりそうだ。今日はここまでにしてやる。」
そんな声が遠くて聞こえた。
次に目を私達が目を開けた時には学校も元通りになり、変身も解けていた。そして、目の前には部長さんが倒れていた…。
「部長さん!」
「星羅!!」
「…うっ。」
部長さんはよろめきながら何とか立ち上がる。
「星羅、顔色がよくないわ…。無理し…」
パシッ。
部長さんは野木先輩の手を跳ね除ける。
「星羅…。」
「私は…何も出来なかった…。私はただこの学校を、思い出を、繋がりを残したかっただけなのに。
あなた達に出来てどうして私には出来ないの!?」
「部長さん…。」
「…!あなた、さっき私にバンド渡した子ね。来なさい。」
そう言って部長さんはロタ君を抱える。
「え、あの、ボクは…!」
「春菜もあなた達も…しばらく私には近寄らないで…。さよなら。」
部長さんはロタ君を抱えたまま走っていってしまった。
作品名:スターサインプリキュア☆ 作家名:☆Milky☆