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Wizard//Magica Infinity −2−

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………


探検部の部活動は5時まで。
それからの俺は全く手が進むことなくついに白紙のまま一日が終わってしまった。
流石に凛子ちゃんも呆れたらしく、俺一人だけ予言日記を宿題とされてしまい、家に持ち帰ってきた。
夕飯を食べ終えた俺は自分の部屋に戻り机に座って日記を書き始める。

「とりあえず、コヨミの日記を見たお陰でなんとなく解った…気がする。用は思ったこと書けば良いんだよね」

この時始めて俺の指が動き始めた。
内容としては…皆の予言日記の内容があまりにも酷すぎた…ということを書いてみた。
日記なんだし、これはこれで正解だろう。
結局、まともな日記が書けそうなのは俺とコヨミぐらいだろうか。

「………。」

それにしてもコヨミのあの6月20日の出来事は一体何だったのだろう。
今でも頭から離れない。
あのあと、結局コヨミは帰って来なかった。帰ってきたのは各々が満足気に日記を書き終え部室に戻ってきた時だ。
つまり、彼女には俺が見たことがバレていない。

「俺が決断をする…ね。ははっ、コヨミもそんな冗談が言えるまで成長したんだな~」

そうだ。良く考えれば答えは最初から出ているじゃないか。
未来なんて、誰にもわからない。予言なんて迷信中の迷信だ。信じる方が馬鹿だ。
たかが思いついた内容で俺は何を悩んでいるんだろう。
あれはコヨミの冗談だ。
さっさと忘れて、自分の日記を完成させてしまおう−−−

「さぁ~て、だんだんペースが掴めてきた…ぞっ…あれ」


一瞬。目の前がぐらついた。


「あ、やばい…これ…あっ…」


瞼が重くなり、手に力が入らない。


「嘘だろ…これからなのに…あぁもう……うっ…」



急激な眠気と共に、俺は瞼を閉じる。
そして俺は意識を失い、夜は更けていった−−−。







・・

・・・



「…んっ!んあぁっっ!!」

やった。
寝てしまった…最悪だ。
時計を見ると深夜一時過ぎ、窓から月光が入り外からフクロウの声が聞こえる。

「はぁ…明日凛子ちゃんに謝ろう…日記はまた今度に持ち越しだな」

机に伏せて寝ていたせいで身体のあちこちが痛い。
俺はベッドで寝るため着替えようとした…。



だがそんな時

「っ!!……え…」

急に窓からまばゆい光が室内に入った。



「あ…」



なんだろうか、今の光。
白くて、暖かくて…

とても心地よかった。


「ライトの光じゃないよな…何だ?」


恐る恐る窓を開けて外に顔を出す。
目の前には月が登っている。




その月の下を




一つの光がふわふわと飛んでいた。




俺は目が悪くない。むしろ良い方だ。
だから俺には解った。



その光は、ただの球体なんかじゃない。

まるで…



人の形をしたシルエットだった。




「間違いない…さっきの光の正体はあれだ。…なんだ…あれ」




その光を見ていると、とても心地よかった。
俺はいつの間にか呼吸していることすら忘れそうだった。


俺は夢を見ているのだろうか?




だけど、あの光を見ているとそんな事はどうでも良くなった。
不思議な体験をしている。



俺はその光が消えるまでずっと見続けていた………。







作品名:Wizard//Magica Infinity −2− 作家名:a-o-w