Fall 1
周囲に“ファントム”らしき者の気配がないかにも抜かりなく様子を探るのも忘れてはならない。標的を仕留めるだけでなく、出来れば“ファントム”の尻尾を掴むのも今回のミッションの一つなのだから。
さあ、どこから来る、“ファントム”。
私は怪しまれないように何度か標的に飲み物を供しつつ、辺りに気を配っていた。
「“伯爵”、目標を捕捉しました。」
部下からの報告に僕は指示を出す。
「分かった。そのまま気付かれない様にして追跡しろ。“ガーデナー”、“スチュアート”用意は出来ているか?」
会場の外に待機させている部下たちに声を掛ける。
「はい、“伯爵”、いつでもOKです。」
“ガーデナー”から返事が返った。
「こちらも何時でも結構ですよ。」
“スチュアート”からも返事が返る。
「よし、そのまま待機しておけ。」
僕は口の端を僅かに上げてゲームの開始を待った。
To be continued