蛍の慟哭
なぜ死んでしまったのか。なぜ生きていてはくれなかったのか。なぜ、自分はあの人を救えなかったのか。なぜ、自分はあの人を葬り去ってしまったのか。
なぜ、ここにいてはくれないのか。
「ルカ様っ」
涙があふれそうだった。でも、泣いてはいけない気がした。なぜ、自分が泣けるのだというのだろう。自分に泣く資格があるだろうか。あるわけがないではないか。
蛍の光が自分の手元で明滅する。
それを抱きしめるように、ジョウイは肩を震わせた。
「ぼくは、あなたを、殺して、しまったんだっ」
それは取り返しのつかない喪失感だった。けれど、それを認めることは、ジョウイにとっては赦されないことでもあった。
蛍の光を抱きしめながら、ジョウイは声にならない叫びを上げた。