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らんぶーたん
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小説インフィニットアンディスカバリー第二部

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 よく聞こえないが、名前を呼ばれた気がしてカペルは手を振った。
「カペル、う——」
「えっ?」
「カペル、後ろ!」
 轟音の隙間を縫うように聞こえたアーヤの声に促され、カペルは後ろを振り返った。
 そこにあったのは、視界を埋め尽くす膨大な量の水。
 月の鎖の力によって持ち上げられていた海水の壁は、その力が消滅すれば形状を維持できなくなるのは当たり前だ。先ほどの水柱のように意図を感じさせるようなものではない。だが、その場で崩壊を始めた海水の壁は、もはや津波とは呼べずとも、激流となってカペルを襲った。
「うわっ、ちょっと待っ——」
 天地の感覚は一瞬で失せてしまった。
 抗いようもない自然の力。
 カペルには、激流にその身を躍らせる以外に選択肢は無かった。