機動戦士ガンダムRS 第28話 閃光の刻
モビルスーツデッキに着くとキラがストライクガンダムの前で体育すわりをしているのを見つけた。
しかしトールは、今のキラにかける言葉がなかった。
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ドゴス・ギアでは、マン・マシーン隊の発進準備が行われていた。
「機首、敵艦に固定。
増速します。
ガンダムサイガーは、射出位置へ。
ユーピテル隊は、ベースジャバーに載り発進位置へ」
マーネリー軍曹がマン・マシーン隊を誘導した。
ほかの艦も同じようにマン・マシーン隊の発進準備が行われていた。
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それは、アークエンジェルでも確認できた。
「センサーに感あり。
あの艦隊です」
ジャッキー軍曹の報告にバジルール副艦長は、戦慄した。
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「アツシ・サオトメ、ガンダムサイガー出ます」
η艦隊から次々にマン・マシーン隊が発進した。
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アークエンジェルでは、けたたましいサイレンが鳴った。
「総員、第一戦闘配備。
総員、第一戦闘配備」
ロメロ軍曹の放送でモビルスーツデッキにいたキラ少尉とトール二等兵は、一緒にパイロットルームに急いだ。
寝ていたフラガ少佐、サイ二等兵、フレイ二等兵とミリアリア二等兵も起き持ち場に向かった。
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サオトメは、ガンダムサイガーのコックピット内の機器をなでた。
もはやこの機体では、自分の全力を出すことは不可能なのでハワイ基地に着いたら乗り換えようと考えていた。
しかしこの機体は、ルナツー防衛戦からずっと乗り続けている相棒だ。
そのためそう思うと急にこの機体が名残惜しくなってしまった。
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マン・マシーン隊は、日の出を背にしているため太陽の光をほとんど隠している状態だった。
「当たってくれよ」
サオトメは、そう願いながらメガビームライフルを撃った。
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それは、アークエンジェルでも確認できた。
「敵影128、5時方向、距離3000」
ジャッキー軍曹が敵の数、方向と距離を報告した。
「同方向より熱源接近」
サイ二等兵が攻撃が接近していると報告した。
「回避。
取り舵」
ラミアス艦長が命令した。
ラミアス艦長の適切な命令でアークエンジェルは、攻撃を回避できた。
「艦尾ミサイル発射管、ウォンバット装填。
バリアント、イーゲルシュテルン起動。
クルーゼ大佐、フラガ少佐、アスラン大尉、イザーク大尉、ディアッカ大尉、ヤマト少尉とケーニッヒ二等兵は?」
バジルール副艦長がアークエンジェルの武装を準備させるとともにパイロットたちのことを聞いた。
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スカイグラスパー1号機が発進位置へ向かっていた。
「クソ。
このまま済むとは、思わなかったがな」
フラガ少佐は、発進準備をしながらやはり仕掛けてきたサオトメに悪態をついた。
「1号機、フラガ少佐、第一カタパルトで出ます。
2号機、ケーニッヒ二等兵は第二カタパルトへ」
ミリアリア二等兵が艦載機を誘導していた。
スカイグラスパー1号機は、ランチャストライカーパックを装備しスカイグラスパー2号機は、エールストライカーパックを装備していた。
「イザーク大尉」
フラガ少佐がデュエルガンダムに通信をいれた。
「はい」
イザーク大尉が応答した。
「俺たちの任務は、何だ?」
フラガ少佐がイザーク大尉に戦闘の目的を質問した。
「アークエンジェルを直掩し生き残ることです」
イザーク大尉が質問に答えた。
「よし」
その回答にフラガ少佐も納得した。
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なおもサオトメは、メガビームライフルを撃っていたがはずしていた。
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キラ少尉は、レーダーでガンダムサイガーを確認した。
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ユーピテル隊も攻撃可能範囲まで接近したのでビーム・マシンガンで攻撃してきた。
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しかしそれは、アークエンジェルも同じだった。
「バリアント、撃て」
バジルール副艦長の命令でバリアントを発射したが回避された。
ウォンバットも発射したがバルカン砲で迎撃された。
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ストライクガンダムは、シュベルトゲーベルを持ちガンダムサイガーに接近した。
ガンダムサイガーもメガビームライフルをマウントしカスタム・ビームザンバーに持ち替えストライクガンダムに接近した。
2機の機動兵器は、互いのビーム兵器でつばぜり合いをした。
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サウス中尉は、ビーム・マシンガンをアーガマもどきに撃ったが2連射までは無効化されたが3連射目で直撃できた。
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フラガ少佐は、アークエンジェルを攻撃しているユーピテルに的を絞った。
「今日こそ叩き落としてやる」
フラガ少佐は、ユーピテルにアグニを撃ったが回避されビーム・マシンガンで反撃された。
しかし何とかその攻撃を回避した。
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トール二等兵は、味方の援護をしたかったが2機のユーピテルに追い回されそれどころではなかった。
気づけば天気は、急に下り坂になり黒い雲がかかっていた。
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キラ少尉は、1度ガンダムサイガーから離れもう1度接近しようとしたがガンダムサイガーの僚機のユーピテルがビーム・マシンガンとベースジャバーに搭載してあるミサイルを撃ってきた。
キラ少尉は、ビーム・マシンガンを回避するとグゥルを減速させてミサイル群をやり過ごした。
そして爆風から出るとユーピテルに120mm対艦バルカン砲を撃ったが回避されガンダムサイガーのビームライフルの攻撃を回避した。
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「ヘルダート、撃て」
バジルール副艦長の命令でユーピテルに向かってヘルダートが発射された。
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それは、サウス中尉も確認できた。
「そんなもので」
サウス中尉は、バルカン・ポッド・システムでミサイルを迎撃した。
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「もらった」
フラガ少佐は、そんなユーピテルに急降下してアグニを撃ったが回避された。
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「ふざけるな」
サウス中尉は、ベースジャバーのミサイルを攻撃してきた戦闘機に向けて発射した。
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それはフラガ少佐も確認できた。
「クソ」
フラガ少佐は、海面に向かって急降下し海面すれすれで平行飛行にうつしミサイル群をやり過ごした。
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アーガマもどきは、ユーピテル・バズーカの弾頭2発を対空機銃で迎撃した。
ニール少尉は、ビーム・マシンガンで2基の対空機銃を破壊し艦橋直下にあったミサイル発射管も破壊した。
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その衝撃は、アークエンジェルを襲った。
その瞬間ブリッジ全体が漏電を起こした。
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トール二等兵は、スカイグラスパーの砲塔式大型キャノン砲で牽制するとエールストライカーパックの高い運動性を使ってUターンをし2機を振り切ろうとした。
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アークエンジェルでは、先の攻撃の被害報告がされていた。
「イーゲルシュテルン、4番、5番、被弾」
サイ二等兵が報告した。
作品名:機動戦士ガンダムRS 第28話 閃光の刻 作家名:久世秀一