機動戦士ガンダムRS 第29話 慟哭の空
スカイグラスパー2号機のシグナルがロスとしてしばらくするとイージスガンダムのシグナルもロストし小島で大爆発が起きた。
アークエンジェルのブリッジにいた皆は、その光景に戦慄した。
その振動は、アークエンジェルの格納庫にいたフラガ少佐とマードック曹長も気づくほどだった。
※
キラ少尉は、爆風でストライクガンダムのコントロールを失わないように必死に操縦していた。
※
「キラ、トール。
聞こえますか?
応答して下さい。
キラ、トール、アスラン」
ミリアリア二等兵が必死にストライクガンダム、スカイグラスパー2号機とイージスガンダムに呼びかけていた。
しかし返事は、ない。
「先の爆発により通信状況が悪化したものと思われます」
ダリダ軍曹が通信状況を報告した。
「今の爆発音は?」
フラガ少佐がブリッジに通信を入れた。
「爆発は、分かりません。
ですが現在イージスとスカイグラスパー2号機の全ての交信が途絶です。
そしてユーピテル隊の攻撃が止んでいます。
ストライクは、現在帰艦中ですが通信状況の悪化でどういうことなのかさっぱりわかりません」
それを聞いたフラガ少佐は、驚き通信を切った。
「キラ、キラ。
応答して。
トール、トール」
ミリアリア二等兵が必死に2人に呼びかけていた。
「105ストライク・・・アークエンジェル・・・聞こえ」
そのとき雑音交じりでは、あるが間違いなくキラ少尉の声が響いた。
「こちらアークエンジェル。
どうぞ」
ミリアリア二等兵が明るく答えた。
「やりました。
アスランがイージスガンダムでガンダムサイガーを鹵獲して自爆させ撃墜しました」
その報告にブリッジが歓喜に沸いた。
「ザラ大尉は、無事なの?」
ラミアス艦長がアスラン大尉の無事を聞いた。
「無事です。
ストライクで保護しました」
その言葉にラミアス艦長も安堵した。
「スカイグラスパー2号機がロストしている。
ケーニッヒ二等兵は、どうなった?」
今度は、バジルール副艦長がトール二等兵の無事を確認した。
「ごめん、ミリアリア。
トールを護れなかった」
キラ少尉が暗く答えた。
その瞬間ミリアリアの中で一途の望みが消えてしまった。
「わかったわ。
トールがちゃんと護ってくれたんだから絶対帰ってきてね」
ミリアリア二等兵は、そういうと通信を切った。
しかし恋人を失った傷は、深く通信を切った瞬間どっと涙があふれてきた。
隣にいるサイが気遣った。
「爆心地にマン・マシーン反応。
これは、ガンダムサイガーです」
そのときカズイ二等兵の報告に皆が戦慄した。
「拡大映像、映します」
モニターに爆心地の拡大映像が映った。
そこに炎の中からデュアルセンサーが光った。
そしてその炎の中からだんだんと影をはっきりさせながらガンダムサイガーが現れた。
完全にその姿をあらわしたとき皆は、息を呑んだ。
そこには、シールドとブレードアンテナ以外ほぼ無傷なガンダムサイガーが現れたからだ。
「迎撃用意。
死神は、満身創痍のはずよ」
ラミアス艦長は、撃墜を命じた。
「無茶です。
現在戦闘可能な艦載機もなければ半数以上の火器が使用不能です。
それに敵は、ユーピテルもいるんですよ」
バジルール副艦長は、冷静に撃墜不可能だといった。
「艦の被害の状況は?
戦闘不能なら一刻も早く戦場から離脱するのが賢明です」
バジルール副艦長は、戦線離脱を考えていた。
「マードック曹長」
ラミアス艦長は、機関室に通信を入れた。
「そう酷くは、ないです。
ホースブランケットの応急処置さえ終われば飛べます」
マードック曹長は、致命傷ではないと報告した。
「ストライクの収容も急いで」
ラミアス艦長がバジルール副艦長の言うとおり戦線離脱のための準備の命令した。
※
アイリス機は、ガンダムサイガーに接触し回線を開いた。
「隊長、大丈夫ですか?」
アイリス曹長は、泣きそうな声で質問した。
「見事に左腕をやられた」
その瞬間アイリス曹長は、戦慄した。
「出血は、ひどいんですか?」
アイリス曹長が叫ぶように聞いた。
「ガンダムだ」
ちょっと間を空けてサオトメが答えた。
※
九死に一生を得たサオトメは、炎から出ると自分の体を調べた。
見た感じ異常は、ない。
次に機体を調べたがメガビームライフルを破壊されレーダーとカメラのいくつかも破壊されていた。
「左腕が動かない?」
左腕が作動不能になっていた。
そのときアイリス機がガンダムサイガーに接触し回線を開いた。
「隊長、大丈夫ですか?」
アイリス曹長は、泣きそうな声で質問した。
「見事に左腕をやられた」
サオトメは、軽く答えた。
「出血は、ひどいんですか?」
しかしアイリス曹長は、血相を変えたように叫ぶように質問した。
サオトメは、一瞬どういうことか理解できなかったがわかると自然に笑みがこぼれた。
「ガンダムだ」
サオトメは、アイリス曹長を安心させるように言うと通信を切った。
そしてドゴス・ギアに通信をいれた。
「ブライアン艦長、敵モビルスーツが接近してくるような感覚があるのだが気のせいか?」
サオトメは、ブライアン艦長にモビルスーツが接近していないか確認するように言った。
※
ブライアン艦長は、サオトメの質問に驚いた。
「ステファニー軍曹」
ブライアン艦長がステファニー軍曹の名を叫んだ。
ステファニー軍曹も必死に索敵を行った。
「ろ、6時の方向に機影。
数3。
ディンです。
会敵予測、15分後」
その報告にブライアン艦長は、その報告に戦慄した。
「軍曹、どこを見ていた?」
ブライアン艦長は、ステファニー軍曹を怒鳴った。
※
サオトメは、ブライアン艦長からの報告を聞いた。
「了解。
全機帰艦させる。
帰艦後最大戦速でこの戦闘空域を離脱しハワイ基地へ向かってください」
サオトメは、ブライアン艦長に命令した。
「了解」
そこで通信が切れた。
サオトメは、帰艦用の花火を揚げると帰艦した。
※
アークエンジェルも機関の応急処置が終わった。
「パワー、戻ります」
ノイマン少尉が飛行可能を報告した。
「離床する。
推力最大」
ラミアス艦長が命令した。
「離床。
推力最大」
ノイマン少尉が復唱した。
アークエンジェルは、推力をあげ浮遊した。
「アラスカ本部からです。
『護衛先遣隊ノ直掩ノ下本部ニ向カワレタシ』です」
カズイ二等兵が報告した。
「ディン3機を確認」
アークエンジェルのレーダーも護衛隊を確認した。
「機関最大。
護衛隊との合流を最優先とする」
アークエンジェルは、護衛隊に向けて発進した。
※
サオトメは、傷ついたガンダムサイガーを何とか着艦させた。
緊急着艦ネットは、使わなかったがそれでもいつもの着艦よりも難しかった。
ガンダムサイガーは、ハンガーに固定され定位置に運ばれた。
サオトメは、コックピットから出ると搭乗用クレーンに乗り下に下りた。
途中ガンダムサイガーを見上げた。
五体満足とはいえ表面のガンダリウム合金のダメージは、相当なものだった。
アークエンジェルのブリッジにいた皆は、その光景に戦慄した。
その振動は、アークエンジェルの格納庫にいたフラガ少佐とマードック曹長も気づくほどだった。
※
キラ少尉は、爆風でストライクガンダムのコントロールを失わないように必死に操縦していた。
※
「キラ、トール。
聞こえますか?
応答して下さい。
キラ、トール、アスラン」
ミリアリア二等兵が必死にストライクガンダム、スカイグラスパー2号機とイージスガンダムに呼びかけていた。
しかし返事は、ない。
「先の爆発により通信状況が悪化したものと思われます」
ダリダ軍曹が通信状況を報告した。
「今の爆発音は?」
フラガ少佐がブリッジに通信を入れた。
「爆発は、分かりません。
ですが現在イージスとスカイグラスパー2号機の全ての交信が途絶です。
そしてユーピテル隊の攻撃が止んでいます。
ストライクは、現在帰艦中ですが通信状況の悪化でどういうことなのかさっぱりわかりません」
それを聞いたフラガ少佐は、驚き通信を切った。
「キラ、キラ。
応答して。
トール、トール」
ミリアリア二等兵が必死に2人に呼びかけていた。
「105ストライク・・・アークエンジェル・・・聞こえ」
そのとき雑音交じりでは、あるが間違いなくキラ少尉の声が響いた。
「こちらアークエンジェル。
どうぞ」
ミリアリア二等兵が明るく答えた。
「やりました。
アスランがイージスガンダムでガンダムサイガーを鹵獲して自爆させ撃墜しました」
その報告にブリッジが歓喜に沸いた。
「ザラ大尉は、無事なの?」
ラミアス艦長がアスラン大尉の無事を聞いた。
「無事です。
ストライクで保護しました」
その言葉にラミアス艦長も安堵した。
「スカイグラスパー2号機がロストしている。
ケーニッヒ二等兵は、どうなった?」
今度は、バジルール副艦長がトール二等兵の無事を確認した。
「ごめん、ミリアリア。
トールを護れなかった」
キラ少尉が暗く答えた。
その瞬間ミリアリアの中で一途の望みが消えてしまった。
「わかったわ。
トールがちゃんと護ってくれたんだから絶対帰ってきてね」
ミリアリア二等兵は、そういうと通信を切った。
しかし恋人を失った傷は、深く通信を切った瞬間どっと涙があふれてきた。
隣にいるサイが気遣った。
「爆心地にマン・マシーン反応。
これは、ガンダムサイガーです」
そのときカズイ二等兵の報告に皆が戦慄した。
「拡大映像、映します」
モニターに爆心地の拡大映像が映った。
そこに炎の中からデュアルセンサーが光った。
そしてその炎の中からだんだんと影をはっきりさせながらガンダムサイガーが現れた。
完全にその姿をあらわしたとき皆は、息を呑んだ。
そこには、シールドとブレードアンテナ以外ほぼ無傷なガンダムサイガーが現れたからだ。
「迎撃用意。
死神は、満身創痍のはずよ」
ラミアス艦長は、撃墜を命じた。
「無茶です。
現在戦闘可能な艦載機もなければ半数以上の火器が使用不能です。
それに敵は、ユーピテルもいるんですよ」
バジルール副艦長は、冷静に撃墜不可能だといった。
「艦の被害の状況は?
戦闘不能なら一刻も早く戦場から離脱するのが賢明です」
バジルール副艦長は、戦線離脱を考えていた。
「マードック曹長」
ラミアス艦長は、機関室に通信を入れた。
「そう酷くは、ないです。
ホースブランケットの応急処置さえ終われば飛べます」
マードック曹長は、致命傷ではないと報告した。
「ストライクの収容も急いで」
ラミアス艦長がバジルール副艦長の言うとおり戦線離脱のための準備の命令した。
※
アイリス機は、ガンダムサイガーに接触し回線を開いた。
「隊長、大丈夫ですか?」
アイリス曹長は、泣きそうな声で質問した。
「見事に左腕をやられた」
その瞬間アイリス曹長は、戦慄した。
「出血は、ひどいんですか?」
アイリス曹長が叫ぶように聞いた。
「ガンダムだ」
ちょっと間を空けてサオトメが答えた。
※
九死に一生を得たサオトメは、炎から出ると自分の体を調べた。
見た感じ異常は、ない。
次に機体を調べたがメガビームライフルを破壊されレーダーとカメラのいくつかも破壊されていた。
「左腕が動かない?」
左腕が作動不能になっていた。
そのときアイリス機がガンダムサイガーに接触し回線を開いた。
「隊長、大丈夫ですか?」
アイリス曹長は、泣きそうな声で質問した。
「見事に左腕をやられた」
サオトメは、軽く答えた。
「出血は、ひどいんですか?」
しかしアイリス曹長は、血相を変えたように叫ぶように質問した。
サオトメは、一瞬どういうことか理解できなかったがわかると自然に笑みがこぼれた。
「ガンダムだ」
サオトメは、アイリス曹長を安心させるように言うと通信を切った。
そしてドゴス・ギアに通信をいれた。
「ブライアン艦長、敵モビルスーツが接近してくるような感覚があるのだが気のせいか?」
サオトメは、ブライアン艦長にモビルスーツが接近していないか確認するように言った。
※
ブライアン艦長は、サオトメの質問に驚いた。
「ステファニー軍曹」
ブライアン艦長がステファニー軍曹の名を叫んだ。
ステファニー軍曹も必死に索敵を行った。
「ろ、6時の方向に機影。
数3。
ディンです。
会敵予測、15分後」
その報告にブライアン艦長は、その報告に戦慄した。
「軍曹、どこを見ていた?」
ブライアン艦長は、ステファニー軍曹を怒鳴った。
※
サオトメは、ブライアン艦長からの報告を聞いた。
「了解。
全機帰艦させる。
帰艦後最大戦速でこの戦闘空域を離脱しハワイ基地へ向かってください」
サオトメは、ブライアン艦長に命令した。
「了解」
そこで通信が切れた。
サオトメは、帰艦用の花火を揚げると帰艦した。
※
アークエンジェルも機関の応急処置が終わった。
「パワー、戻ります」
ノイマン少尉が飛行可能を報告した。
「離床する。
推力最大」
ラミアス艦長が命令した。
「離床。
推力最大」
ノイマン少尉が復唱した。
アークエンジェルは、推力をあげ浮遊した。
「アラスカ本部からです。
『護衛先遣隊ノ直掩ノ下本部ニ向カワレタシ』です」
カズイ二等兵が報告した。
「ディン3機を確認」
アークエンジェルのレーダーも護衛隊を確認した。
「機関最大。
護衛隊との合流を最優先とする」
アークエンジェルは、護衛隊に向けて発進した。
※
サオトメは、傷ついたガンダムサイガーを何とか着艦させた。
緊急着艦ネットは、使わなかったがそれでもいつもの着艦よりも難しかった。
ガンダムサイガーは、ハンガーに固定され定位置に運ばれた。
サオトメは、コックピットから出ると搭乗用クレーンに乗り下に下りた。
途中ガンダムサイガーを見上げた。
五体満足とはいえ表面のガンダリウム合金のダメージは、相当なものだった。
作品名:機動戦士ガンダムRS 第29話 慟哭の空 作家名:久世秀一