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機動戦士ガンダムRS 第29話 慟哭の空

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そのとき走りよってくる音がした。
音の方を見ると先に帰艦していたアイリス曹長だった。
アイリス曹長は、そのままサオトメに抱きついた。
「お、おい」
 サオトメは、一切構えていなかったので転びそうになったが何とか踏ん張った。
その光景に周りの整備兵と帰艦していたパイロットたちが冷やかしの目で見ていた。
「どうやって生き残ったのか説明したらどうだ?」
 ブライアン艦長がマン・マシーンデッキに着ておりそういった。
「そうですね。
敵ガンダムについても新しいことがわかりましたから。
パイロットには、ブリーフィングルームに集まるように言います」
 それには、サオトメも賛成しブライアン艦長に提案した。
「わかった」
 ブライアン艦長も了承した。

     ※

 キラ少尉が帰艦しストライクガンダムから出るとマードック曹長たちの表情が暗いのに気づいた。
「どうかしたんですか?」
 キラ少尉がマードック曹長に質問した。
「死神は、まだ生きている」
 キラ少尉とアスラン大尉は、サオトメを倒したと錯覚していたためその答えにとても驚いた。
「どういうことですか?
だってガンダムサイガーは、イージスの自爆を受けたはずです。
それなのにどうして?」
 サオトメに引導を渡したアスラン大尉は、受け入れられずそう質問した。
「俺だってわからない。
ただやつの機体は、自爆をしても撃墜できない。
そういう機体だって言うことしか現状は、いえないよ」
 マードック曹長は、いらいらしながらそう答えた。
それを聞いたキラ少尉は、脱力しその場にひざをついてしまった。
「そんなはずなないよね。
サオトメが生きてトールが死ぬなんて・・・そんなはず・・・だから・・・だから」
 キラ少尉は、泣き出してしまった。
アスラン大尉は、キラ少尉を慰めようとしたがサオトメへの憤り感が勝った。
「クソ」
 アスラン大尉は、その憤りを拳を作って壁を殴ることで噴出させた。

     ※

 ドゴス・ギアのブリーフィングルームには、パイロットたちが集まった。
そしてサオトメの話が始まった。
「正直あの時は、俺もおしまいかと思った」

     ※

 サオトメは、赤いガンダムに拘束され何とか脱出を試みようとしたが突然パイロットが脱出をしようとしたので何をするのかわかった。
「クソ、放せ」
 サオトメは、ガンダムサイガーのパワーウェイトレシオで何とか拘束を解こうとした。
しかしサオトメもわかっているように敵ガンダムの特殊装甲は、そう簡単に崩せる分けなかった。
しかし特殊装甲は、いとも簡単に壊れ拘束が解けた。
サオトメは、チャンスとばかりに機体の姿勢を低くしメガビームシールドで機体を覆った。
直後赤いガンダムが大爆発した。
その衝撃は、すさまじくガンダムサイガーが吹き飛ばされそうだった。
サオトメは、何とかスラスターを焚いて踏ん張った。
しかしその衝撃でメガビームシールドは、破壊され左腕も作動不能になってしまった。

     ※

 サオトメは、部下たちに自分が生き残った理由を語った。
皆の動揺は、すごかった。
なにせあの物理攻撃がまったく効かない特殊装甲をパワーウェイトレシオで破壊できたのだから。
「すなわちあの特殊装甲は、色が灰色の状態では物理攻撃に非常に弱くなる性質がある」
 サオトメは、特殊装甲の弱点を語った。
皆は、一安心した。
敵の特殊装甲の堅牢性に皆は、絶望を感じていたが弱点があるとわかれば少し気が軽くなる。

     ※

 サオトメは、ブリーフィングルームで部下たちに自分が生き残った理由を語った後艦長室にいた。
話の議題は、これからのサオトメだった。
「正直ガンダムを失った私は、ただの指揮官でしかありませんね」
 サオトメは、ガンダムサイガーが自爆に巻き込まれたときのことを思い出した。 
サオトメの技量をコロニー軍の主力であるユーピテルでは、発揮できない。
そのためガンダムサイガーを失った時点でサオトメには、搭乗できる機体がなくなってしまった。
「それについてなんだが」
 ブライアン艦長が何か対策があるようにいった。
「実は、先のことをハワイ基地に伝えたところ解決策があるといってきたんだ」
 ブライアン艦長の言葉は、サオトメを驚かせるのに十分だった。
「本当ですか?」
 サオトメは、思わず立ち上がって確認した。
「ああ。
アナハイムの連中が何か画期的なものを開発してそれをハワイ基地に送ったらしい。
詳しいことは、着いてからのお楽しみだ」
 ブライアン艦長の言葉でサオトメは、希望を見出すことができた。
 話も終わった。
「失礼します」
 サオトメは、そういって敬礼すると部屋を出た。
普段のサオトメならそんなことなどしないが廊下でうれしさのあまり少々はしゃいでしまった。

     ※

 サオトメは、食堂で栄養ドリンクを飲んでいた。
オペレーション・スピットブレイクのために体力をつけねばならないため体調管理は、万全にしておくためだった。
そのときアイリス曹長が困った表情で食堂に来た。
「どうした?」
 サオトメは、怪訝そうにアイリス曹長に質問した。
「実は、シャワールームのシャワーが壊れてしまって水が出ないんです」
 アイリス曹長が困っている要因を話した。
「そうか。
ミサキ中尉に頼んでシャワーを使わせてもらったらどうだ?」
 サオトメは、アイリス曹長に提案した。
「で、でも」
 アイリス曹長は、なお困っていた。
サオトメは、何か気づいた。
「上官で頼みにくいなら俺が一緒にいってやるが」
 サオトメは、アイリス曹長にまた提案した。
アイリス曹長は、少し悩んだ。
「お願いします」
 そして観念したかのようにサオトメにお願いした。
2人は、ミサキ中尉に会いに部屋に向かった。
 部屋に着くとサオトメは、ノックした。
「サオトメだ。
ちょっといいか?」
 部下とはいえ仮にも女性の部屋だ。
サオトメも一声掛けるのがマナーだと感じていた。
「はい」
 ドアが開きミサキ中尉が出た。
「中に入りますか?」
 ミサキ中尉がサオトメに部屋に入るか質問した。
「いや、結構。
それよりアイリスにシャワーを浴びさせてくれないか?」
 サオトメがミサキ中尉にお願いした。
「シャワー?」
 ミサキ中尉が怪訝そうに質問した。
「実は、シャワールームのシャワーが壊れたらしく水が出ないらしい」
 サオトメは、事情を話すとミサキ中尉は笑った。
「ええ、良いわよ。
入って、入って」
 ミサキ中尉は、アイリス曹長に手招きした。
「し、失礼します」
 アイリス曹長は、遠慮がちに入った。
「じゃあ、俺はこれで」
 サオトメは、引き際を感じその場を去った。

     ※

 アイリス曹長は、ため息交じりで部屋のシャワールームに向かった。
そんなアイリス曹長の姿を見てミサキ中尉は、少し微笑んだ。
「ちょっとおしすぎよ。
いくら積極的に攻めようとしてもいきなり異性の人の部屋のシャワーを借りるのは、強引過ぎるわよ」
 ミサキ中尉がアイリス曹長に警告した。
アイリス曹長は、うつむいてしまった。
「でも隊長もうすうす曹長の策に気づいているようね」