機動戦士ガンダムRS 第29話 慟哭の空
キラの話を聞いたバジルール副艦長たちは、戦死したと認識してるんだ」
サイは、叫ぶように答えた。
「今俺は、トールが死んでいっぱいいっぱいなんだ。
悪いけど1人にしてくれ」
サイは、悲しそうな声でお願いした。
フレイも悲しそうに下士官室を後にした。
※
アスランは、キラ少尉の部屋の前にいた。
「アスランだ」
アスランが声をかけたが返事は、なかった。
「アスラン大尉だ。
返事をしてくれ」
それでも応答がなかった。
「入るぞ」
アスランは、キラ少尉の部屋に入った。
そこには、机に伏せていたキラ少尉がいた。
「キラ」
アスランは、悲しそうな目でキラを見た。
その声に反応したかのようにキラが顔を上げた。
「トールから連絡は?」
キラがアスランに質問した。
「まだない。
でもきっと大丈夫だよ。
アラスカが捜索隊を出して捜索をしてる。
本部へ行けば何かか解るかも知んない」
アスランは、キラに希望を持たせるよう答えた。
「そうだね。
そんなはずがない」
キラが微笑みながらそういった。
「食堂に行こう。
こんなところに独りで居ては、駄目だ」
アスランは、キラを部屋から出した。
※
η艦隊は、ハワイ基地に入渠した。
「ハワイ基地コントロールからです。
サオトメ少佐に出頭命令が出ています。
それ以外は、艦内待機とのことです」
イワン曹長が報告した。
※
サオトメとブライアン艦長がドゴス・ギアから出るとハワイ基地の司令官であるダリル・アーデ中将が出迎えた。
「η艦隊マン・マシーン隊長、アツシ・サオトメ少佐です」
サオトメは、敬礼して自己紹介した。
「ハワイ基地司令官のダリル・アーデ中将だ」
ダリル中将も敬礼して自己紹介した。
「話は、司令室でしましょう。
さあ、こちらです」
ダリル中将は、サオトメを司令室まで案内した。
※
ダリル中将は、サオトメにコーヒーをもてなした。
「現在わが軍は、オペレーション・スピットブレイクを進めています。
地球軍は、目標をパナマだと認識していますが本当の目標はアラスカです」
ダリル中将の言葉にブライアン艦長は、驚いた。
しかしサオトメは、予想通りという表情をしていた。
「その指揮官にサオトメ少佐を任命したいのです」
その言葉には、サオトメも驚いた。
「本国は、あなたの力を高く評価しています」
ダリル中将は、サオトメに本国での評価を教えた。
「それは、うれしい限りですが私の階級は少佐です。
それゆえ敵本部を陥落させるほどの戦力は、指揮できないと思われます」
サオトメは、自分の階級の低さを懸念した。
「それについては、問題ありません。
アラスカ攻略任務という特殊任務上現在の階級以上で軍が動かせます。
問題は、ありません」
ダリル中将は、現在のサオトメの状況を伝えた。
「ありがとうございます。
そうなるとまずは、前哨戦として情報戦で勝っておきたいですね。
アラスカのメインゲートの詳細な場所を得るために特殊諜報部隊を編成したいです」
サオトメは、ダリル中将に特殊諜報部隊を編成するようにお願いした。
するとダリル中将は、微笑んだ。
「それなら大丈夫です。
既に特殊諜報部隊を編成しアラスカへの侵入を企てているはずです」
ダリル中将は、もう手を回してあると答えた。
サオトメは、さらにもうひとつとんでもないものを要求した。
それには、ダリダ中将も驚いた。
「それは、いくらなんでも難しいぞ」
ダリル中将は、いくらなんでも無理だと答えた。
しかしサオトメは、それが必要な理由を話した。
するとダリル中将は、納得した。
「なるほど。
そういうことか。
わかった。
本部に問い合わせてみよう」
ダリル中将は、納得し本部に問い合わせることを約束した。
作品名:機動戦士ガンダムRS 第29話 慟哭の空 作家名:久世秀一