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機動戦士ガンダムRS 第29話 慟哭の空

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 アイリス曹長は、ミサキ中尉の言葉に驚いて顔を上げた。
「あの人、一見鈍感のように思うけど本当はすごい敏感なのよ」
 アイリス曹長は、黙ってミサキ中尉の話を聞いた。
「でも自分の気持ちを伝えるのってすごい不器用なのね。
でもあなたと隊長ってもしカップルになったらすごくお似合いだと思う。
応援するわ」
 ミサキ中尉は、そういうとアイリス曹長に親指を立てた。
アイリス曹長は、心強い味方ができてうれしかった。

     ※

 サオトメは、廊下を歩いているとニール少尉がサオトメの首にかけて引き寄せた。
「隊長も人が悪いですね」
 ニール少尉の目は、明らかにいたずらっ子の目をしていた。
「何のことだ?」
 サオトメは、皆目見当がつかなかった。
「とぼけないでください。
食堂でのゆ・う・わ・くですよ」
 サオトメは、ニール少尉の言葉に大きくため息をついた。
「あれは、お前が思っているようなことじゃないぞ」
 サオトメは、ニール少尉が思っていることが誤解だと説得した。
「隊長の部屋でシャワーを浴びたいというのが誘惑じゃなかったら何が誘惑なんですか?」
 ニール少尉は、なおもサオトメに食いかかった。
「そんなことなどいっていない。
それにもしそんなことを言えば退かれるのがオチだ」
 サオトメは、自分の行動の正当性を訴えた。
「まあそうですけどああいうタイプは、時に積極的にいくべきですよ」
 ニール少尉は、恋愛の極意を教えた。
「そういうものかな?」
 サオトメは、ニール少尉の言葉に半信半疑だった。

     ※

 その夜アークエンジェルの整備員たちは、アラスカの制空権に入ったことで安心感と疲労感がどっと襲い皆は座り込んでいた。
フラガ少佐は、スカイグラスパーの整備を行っていた。

     ※

 キラは、トールを死なせてしまった念から自室の机に伏せていた。
トリィは、そんなキラの肩にとまったりしていた。

     ※

 ミリアリアは、下士官室のベッドでトールを失った悲しみで呆然と座っていた。

     ※

 次の日アークエンジェルの周りには、護衛の長距離哨戒機が上空監視していた。
「守備隊ブルーリーダーより入電。
我是ヨリ離脱スル」
 ロメロ軍曹が電文を読んだ。
「援護を感謝すると伝えて」
 ラミアス艦長が返信をするように命令した。
「第18レーダーサイトより船籍照合」
 カズイ二等兵が船籍を求めるように報告した。
「アラスカへは、初入港ですものね。
データを送って。
問題は、ないと思うわ」
 ラミアス艦長が船籍を送るように命令した。
「しかし助かった。
あとちょっと守備隊が遅かったらやられてたかもしれないからな」
 ジャッキー軍曹が守備隊が着てくれたことに感謝した。
「でも随分あっさり退いてくれましたね、あの艦隊」
 サイ二等兵は、死神があっさり退いたことに違和感を感じていた。
「1個艦隊で防空圏に突っ込んでアラスカとやろうって気は、ないだろ?
死神も」
 ダリダ軍曹がサイ二等兵にアラスカの防衛能力の高さから死神の行動を理由を説明した。
「アラスカってそんなに防衛能力が高いんですか?」
 中立国で生まれ育ったサイには、地球軍本部の堅牢性が認識できなかった。
「いつまでしゃべっている。
まだ第二戦闘配備だぞ」
 そのときバジルール副艦長が怒鳴った。
「あ、ごめんなさい。
もう大丈夫よね。
半舷休息とします」
 ラミアス艦長は、バジルール副艦長の言葉に気づき第二戦闘配備を解除した。
「第二戦闘配備解除、半舷休息。
繰り返す。
第二戦闘配備解除、半舷休息」
 ロメロ軍曹が艦内放送で伝えた。

     ※

 フラガ少佐は、休憩のためモビルスーツデッキから離れていたが休憩が終わりモビルスーツデッキに戻ってきた。
「少佐」
 そのときマードック曹長が走ってきた。
「どうした?」
 フラガ少佐は、怪訝そうに質問した。
「フラガ少佐、止めて下さいよ。
坊主がとにかく機体を修理しろって」
 その言葉にフラガ少佐が驚いた。
「グゥルに増装付けてトール二等兵の捜索に戻るって聞かないんですよ」
 フラガ少佐は、それを聞くとストライクガンダムの許に急いだ。
ストライクガンダムの許では、1人修理作業を行っているキラ少尉がいた。
「頼みます」
 キラ少尉は、整備員にお願いしていた。
「キラ」
 フラガ少佐は、キラ少尉の許に走った。
「発進は、許可できない。
整備班をもう休ませて下ろ」
 フラガ少佐は、キラ少尉に整備員を休ませるようにいった。
「船は、もう大丈夫でしょ。
ならいいじゃないですか」
 キラ少尉の言葉に怒ったフラガ少佐は、キラ少尉を振り向かせると鉄拳制裁をした。
そして倒れたキラ少尉の胸倉をつかんだ。
「いいか、よく聞け。
俺たちがここまで生き残れてきたのは、俺たちがアークエンジェル隊というチームでいたからだ」
 フラガ少佐は、キラ少尉に怒鳴った。
「チーム?」
 キラ少尉は、フラガ少佐がいっている意味がわからなかった。
「チームでなければとっくにサオトメにやられていた。
でも俺たちがチームでいたからこそ俺たちは、生き残れたんだ」
 それでキラ少尉は、フラガ少佐がいっている意味がなんとなくわかった。
「チームでいる限り勝手な行動は、許さない。
トール二等兵のことは、捜索に出てる別働隊に任せろ」
 フラガ少佐は、そういうとキラ少尉の胸倉をつかんでいた手を離した。
「俺たちだって出来ることなら今すぐ助けに飛んでいきたい」
 フラガ少佐は、悲しそうにそういうとその場を去った。

     ※

 サイ二等兵は、廊下を歩いていた。
「アーガイル二等兵」
 バジルール副艦長がサイ二等兵を呼んだ。
サイ二等兵は、黙って振り返った。
「ケーニッヒ等兵の遺品の整理をしろ」
 バジルール副艦長がサイ二等兵に段ボール箱を渡した。
「遺品?
だってまだ戦死したって決まったわけじゃないんでしょ?」
 サイ二等兵は、まだトール二等兵の戦死を受け入れられなかった。
「できれば私も信じたくは、なかった。
しかしザラ大尉やヤマト少尉の証言から考えれば脱出したとは、考えにくい」
 バジルール副艦長がきっぱりと自分の判断材料を説明した。
「寄す処を見詰めて悲しんでいては、次は自分がやられる。
戦場とは、そういうところだ」
 そういうとバジルール副艦長がその場を去った。

     ※

 フレイが食堂を通り過ぎようとしたとき整備員の話し声が聞こえた。
「けどX100シリーズだけでアラスカに入ってもな」
「まさかブリッツとイージスがやられるとは、思いませんでしたから」
 フレイは、食堂を通り過ぎ下士官室に入るとサイがトールの荷物をまとめていた。
「ちょっとサイ。
何してるの?」
 フレイがあわててサイに質問した。
「バジルール副艦長にトールの遺品を整理するように言われたんだ」
 サイは、これまでの経緯を話した。
「遺品?
ちょっと待ってよ。
だってトールは、まだ戦死したわけじゃないんでしょ?」
 フレイがなおもサイに質問した。
「俺だってトールが死んだなんて信じたくないよ。
でもキラの話を聞いたろ?