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たとえばこんなハローウィン

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「だって、心配なんだもん。前から細いなと思ってたけど、触ったら壊れそうなぐらい細いし」


 言葉は余計だったが、朝比奈の手は優しかった。
 大切に扱われている気がして、ルルーシュの緊張もほぐれていく。
 なんだか、気分的にくすぐったい気がしてきたが、ルルーシュは何も言わなかった。
 満足したのか、朝比奈はゼロの仮面を両手で挟むと、軽く口付けして離れた。
 仮面の中で赤くなったルルーシュは、震える声をなんとか抑えて平静を装った。


「もういいのか?」


「うん。わかったから、今は満足だよ」


 わかったって何がと聞こうとして、朝比奈の行動にルルーシュは固まった。
 朝比奈は、ルルーシュの手を取ると、その手袋に口付けたのだ。


「な、なにを……」


「えっとね。俺やっぱりゼロが好きだから、俺と付き合ってください。お願い!」


「いや、仮面の男の何が好きなんだお前」


 心底不思議で、ルルーシュは訊ねた。
 嫌悪感がなかったのも大きかった。


「わかってたと思うけど、最初は気に入らなかったよ。仲間にまで素顔を隠しているリーダーなんてさ。でも、気に入らないからずっと見ているうちに、ゼロってすごいなと思うようになって、その洗練された仕草とか、細い体つきとかに目がいくようになってさ。有言実行してるとこも好感もてたし、その考え方には賛同できたしね。でもそれだけじゃなくて、心配りの細やかさとか、好きになれるとこが増えていって、気が付いたらもうどうしようもなく好きになってたんだ」


「私は、四聖剣のお前しか知らないから、いきなり付き合えと言われても困るんだが」


 困るとは言っても、朝比奈の言葉に揺れているルルーシュだった。


「答えはもっと後でもかまわないから、まずは俺を知ることから始めてみない? 俺はもうゼロが好きだから、俺を少しでも好きになって欲しいんだ」


「私は仮面も外さないし、素性を教える気もないぞ。不公平だと思わないのか?」


「それは、覚悟の上だよ。俺が好きになったのは、仮面をしたゼロなんだから。でも、俺が信用できると思って、俺を好きになってくれたら、その素顔を見せて欲しいけどね。でも、無理は言わないから。個人的にお付き合いしようよ」


 ルルーシュは根負けした。


「団員たちにばれないようにするなら、考えてもいい」


「ホントに? やったー! ありがとう、ゼロ」


 それから、ゼロの私室に訪れる機会が増えた朝比奈だったが、ふたりが結局どうなったのかを知っているのは、すべてを見通す魔女だけだった。