機動戦士ガンダムRS 第31話 闇の胎動
サオトメは、ドゴス・ギアに着艦しガンダムサイガーから降りると部下たちから祝福された。
「お疲れ様でした」
整備指揮班長がサオトメをねぎらった。
「ああ」
サオトメもなんだかうれしそうだった。
「ついにニュータイプに覚醒した少佐が本気で戦えるわけだ」
整備兵の1人がうれしそうにいった。
「これでコロニー軍の勝利もぐっと近づいたわけだ」
別の整備兵がうれしそうにいった。
「おいおい、それは言いすぎだぜ」
サオトメが突っ込んだ。
皆は、サオトメの言葉がわからなかった。
「俺がこうして生きてこられ戦果を挙げてきたのは優秀なオペレーター、優秀な部下、優秀な艦長と優秀な整備兵がいるからだ。
俺1人では、戦争はできない。
それよりバイオセンサーの整備マニュアルは、熟読してくれたのか?」
サオトメの質問に整備兵たちは、「しまった」という表情をした。
「しっかりしてくれよ。
整備不良で死んだら化けて出てくるぞ」
サオトメは、整備兵の1人の肩を叩きながらそういった。
そしてマン・マシーンデッキを後にした。
シグマン大尉が後に続いた。
「それじゃあバイオセンサーのマニュアルを渡す。
しっかり読んで整備技術を習得しろよ」
整備指揮班長が部下たちにマニュアルを渡した。
※
サオトメは、廊下を歩いていた。
「隊長」
サオトメが振り返るとシグマン大尉が走ってきた。
「どうした?」
サオトメがシグマン尉に質問した。
「先のことですが隊長がおっしゃることは、よくわかります。
しかしそれを差し引いてなお隊長個人の力は、魅力的なのです」
シグマン大尉がサオトメをたたえた。
「それは、正直うれしい。
しかし俺は、人間だ。
できることとできないことがある」
サオトメは、自分が人間である限り必ずできないことが存在すると認識していた。
「失礼します」
そこにミサキ中尉が来た。
「お邪魔でしたか?」
ミサキ中尉は、2人が大切な話をしていると思った。
「いや、問題ない。
何だ?」
サオトメは、ミサキ中尉に問題ないと答えた。
「報告します。
ダリル中将がサオトメ少佐をお呼びです」
ミサキ中尉が内容を話した。
「わかった。
すぐに行く」
サオトメは、すぐに出口へと向かった。
※
サオトメは、司令室の前に立っていた。
「サオトメ少佐、入ります」
「どうぞ」
サオトメは、扉の前で敬礼するとそういってから部屋に入った。
「特別諜報部隊から情報が入った」
ダリル中将の言葉にサオトメも息を呑んだ。
「これを見てくれ」
ダリル中将は、サオトメに1枚の写真を見せた。
それには、滝が写っていた。
「ここがメインゲートらしい」
サオトメは、その光景を脳裏に焼き付けていた。
「敵の戦力も少なくまた配備されている戦力も旧式機だ。
戦いは、余裕だろう」
ダリル中将は、楽観的に答えた。
サオトメは、よそう通りという表情をした。
「これでお前の予想は、当たったようなものだな」
ダリル中将のいうサオトメの予想とは、基地に着いた初日にいった言葉だった。
※
「でしたらδ艦隊のアラスカ宙域への派遣を要求します」
サオトメは、特殊諜報部隊の話の後コロニー軍の本艦隊の出撃を要求した。
δ艦隊は、ガンダム四天王の1人であるリード・ヘイル中将が指揮する艦隊である。
そのためおいそれと派遣要求が通るものでは、なかった。
それには、ダリダ中将も驚いた。
「それは、いくらなんでも難しいぞ。
それに何でδ艦隊を派遣するんだ?」
ダリダ中将は、δ艦隊を派遣する理由を求めた。
「敵は、こちらのパナマを攻略するという偽情報に引っかかったように見せています。
アラスカ本部には、おそらく少数の旧型機が配備していると思います。
その旧型機のパイロットたちも左遷された兵たちでしょう。
不必要な味方と邪魔な敵を一挙に葬るには、大規模な破壊兵器で自爆するのが得策です。
ですからδ艦隊所属のネェル・アーガマに搭載されているハイパー・メガ粒子砲で大規模な破壊兵器があった場合アラスカを狙撃して破壊兵器を破壊するんです」
サオトメの話は、何か説得力があった。
「なるほど。
そういうことか。
わかった。
本部に問い合わせてみよう」
ダリル中将は、納得し本部に問い合わせることを約束した。
※
査問室にはラミアス艦長、バジルール副艦長、フラガ少佐、クルーゼ大佐ならびに生き残った正規軍人が出頭していた。
そこにサザーランド大佐と2名の部下が入ってきた。
皆は、起立し敬礼した。
3人も敬礼した。
「軍令部のウィリアム・サザーランド大佐だ。
諸君等第8艦隊アークエンジェルの審議、指揮、一切を任されている。
座れ」
そういうと3人は、軍帽を脱いで座った。
アークエンジェル側も座った。
「既にログデータはナブコムから回収し解析中であるがなかなか見事な戦歴だな、マリュー・ラミアス艦長」
サザーランド大佐がラミアス艦長の戦歴をほめた。
しかしそれには、多大な犠牲があったためラミアス艦長は素直に喜べなかった。
「では、これより君達からこれまでの詳細な報告及び証言を得ていきたいと思う。
尚この査問会は、軍法会議に準ずるものでありここでの発言は全て公式なものとして記録されることを申し渡しておく。
各人とも虚偽のない発言を。
よいかな?」
サザーランド大佐は、査問会の重要性を述べ虚偽の無いようにいった。
「はい」
ラミアス艦長が返事をした。
「ではまず、ファイル1。
ヘリオポリスへのコロニー軍奇襲作戦時の状況の報告から聞こう。
まずは、ラ・ル・クルーゼ当時中佐から」
サザーランド大佐が査問会を始めクルーゼ中佐に報告するように言った。
クルーゼ中佐が立ち上がった。
※
サオトメは、部下たちをブリーフィングルームに集めた。
「現在われわれが攻撃を計画しているアラスカの戦力は、諜報部からの報告によれば少数の旧式機部隊で構成されている」
サオトメの話に部下たちは、一様に歓喜した。
敵の戦力が少数の旧式機部隊で構成されているとなればどこの軍でもこうなるだろう。
「ただしこれは、わなだと俺は認識している」
サオトメの発言に皆が黙った。
「敵は、新型破壊兵器でアラスカもろともコロニー軍の戦力を一挙にそぐだろう」
サオトメの話は、皆を驚かすには十分だった。
思わずシーサー少尉が挙手した。
サオトメは、シーサー少尉に発言権を与えた。
「それも諜報部からの報告でしょうか?」
シーサー少尉は、サオトメの情報の信頼性を疑った。
「確かに諜報部からの情報では、ない。
ただし俺が地球軍上層部だったらそうする」
サオトメは、自論を述べ皆を納得させた。
「今回の作戦内容だがη艦隊は、第4ゲート方面へと陽動してほしい。
その隙に俺と遊撃艦隊第112艦隊がメインゲートを突破し中に突入する。
そこでガウ級攻撃空母が制圧部隊を出撃させ敵の新型破壊兵器の有無を調査すると同時に制圧も行う」
サオトメの説明に皆は、おのおの気合を入れた。
「作戦開始時刻は、5月5日0300。
「お疲れ様でした」
整備指揮班長がサオトメをねぎらった。
「ああ」
サオトメもなんだかうれしそうだった。
「ついにニュータイプに覚醒した少佐が本気で戦えるわけだ」
整備兵の1人がうれしそうにいった。
「これでコロニー軍の勝利もぐっと近づいたわけだ」
別の整備兵がうれしそうにいった。
「おいおい、それは言いすぎだぜ」
サオトメが突っ込んだ。
皆は、サオトメの言葉がわからなかった。
「俺がこうして生きてこられ戦果を挙げてきたのは優秀なオペレーター、優秀な部下、優秀な艦長と優秀な整備兵がいるからだ。
俺1人では、戦争はできない。
それよりバイオセンサーの整備マニュアルは、熟読してくれたのか?」
サオトメの質問に整備兵たちは、「しまった」という表情をした。
「しっかりしてくれよ。
整備不良で死んだら化けて出てくるぞ」
サオトメは、整備兵の1人の肩を叩きながらそういった。
そしてマン・マシーンデッキを後にした。
シグマン大尉が後に続いた。
「それじゃあバイオセンサーのマニュアルを渡す。
しっかり読んで整備技術を習得しろよ」
整備指揮班長が部下たちにマニュアルを渡した。
※
サオトメは、廊下を歩いていた。
「隊長」
サオトメが振り返るとシグマン大尉が走ってきた。
「どうした?」
サオトメがシグマン尉に質問した。
「先のことですが隊長がおっしゃることは、よくわかります。
しかしそれを差し引いてなお隊長個人の力は、魅力的なのです」
シグマン大尉がサオトメをたたえた。
「それは、正直うれしい。
しかし俺は、人間だ。
できることとできないことがある」
サオトメは、自分が人間である限り必ずできないことが存在すると認識していた。
「失礼します」
そこにミサキ中尉が来た。
「お邪魔でしたか?」
ミサキ中尉は、2人が大切な話をしていると思った。
「いや、問題ない。
何だ?」
サオトメは、ミサキ中尉に問題ないと答えた。
「報告します。
ダリル中将がサオトメ少佐をお呼びです」
ミサキ中尉が内容を話した。
「わかった。
すぐに行く」
サオトメは、すぐに出口へと向かった。
※
サオトメは、司令室の前に立っていた。
「サオトメ少佐、入ります」
「どうぞ」
サオトメは、扉の前で敬礼するとそういってから部屋に入った。
「特別諜報部隊から情報が入った」
ダリル中将の言葉にサオトメも息を呑んだ。
「これを見てくれ」
ダリル中将は、サオトメに1枚の写真を見せた。
それには、滝が写っていた。
「ここがメインゲートらしい」
サオトメは、その光景を脳裏に焼き付けていた。
「敵の戦力も少なくまた配備されている戦力も旧式機だ。
戦いは、余裕だろう」
ダリル中将は、楽観的に答えた。
サオトメは、よそう通りという表情をした。
「これでお前の予想は、当たったようなものだな」
ダリル中将のいうサオトメの予想とは、基地に着いた初日にいった言葉だった。
※
「でしたらδ艦隊のアラスカ宙域への派遣を要求します」
サオトメは、特殊諜報部隊の話の後コロニー軍の本艦隊の出撃を要求した。
δ艦隊は、ガンダム四天王の1人であるリード・ヘイル中将が指揮する艦隊である。
そのためおいそれと派遣要求が通るものでは、なかった。
それには、ダリダ中将も驚いた。
「それは、いくらなんでも難しいぞ。
それに何でδ艦隊を派遣するんだ?」
ダリダ中将は、δ艦隊を派遣する理由を求めた。
「敵は、こちらのパナマを攻略するという偽情報に引っかかったように見せています。
アラスカ本部には、おそらく少数の旧型機が配備していると思います。
その旧型機のパイロットたちも左遷された兵たちでしょう。
不必要な味方と邪魔な敵を一挙に葬るには、大規模な破壊兵器で自爆するのが得策です。
ですからδ艦隊所属のネェル・アーガマに搭載されているハイパー・メガ粒子砲で大規模な破壊兵器があった場合アラスカを狙撃して破壊兵器を破壊するんです」
サオトメの話は、何か説得力があった。
「なるほど。
そういうことか。
わかった。
本部に問い合わせてみよう」
ダリル中将は、納得し本部に問い合わせることを約束した。
※
査問室にはラミアス艦長、バジルール副艦長、フラガ少佐、クルーゼ大佐ならびに生き残った正規軍人が出頭していた。
そこにサザーランド大佐と2名の部下が入ってきた。
皆は、起立し敬礼した。
3人も敬礼した。
「軍令部のウィリアム・サザーランド大佐だ。
諸君等第8艦隊アークエンジェルの審議、指揮、一切を任されている。
座れ」
そういうと3人は、軍帽を脱いで座った。
アークエンジェル側も座った。
「既にログデータはナブコムから回収し解析中であるがなかなか見事な戦歴だな、マリュー・ラミアス艦長」
サザーランド大佐がラミアス艦長の戦歴をほめた。
しかしそれには、多大な犠牲があったためラミアス艦長は素直に喜べなかった。
「では、これより君達からこれまでの詳細な報告及び証言を得ていきたいと思う。
尚この査問会は、軍法会議に準ずるものでありここでの発言は全て公式なものとして記録されることを申し渡しておく。
各人とも虚偽のない発言を。
よいかな?」
サザーランド大佐は、査問会の重要性を述べ虚偽の無いようにいった。
「はい」
ラミアス艦長が返事をした。
「ではまず、ファイル1。
ヘリオポリスへのコロニー軍奇襲作戦時の状況の報告から聞こう。
まずは、ラ・ル・クルーゼ当時中佐から」
サザーランド大佐が査問会を始めクルーゼ中佐に報告するように言った。
クルーゼ中佐が立ち上がった。
※
サオトメは、部下たちをブリーフィングルームに集めた。
「現在われわれが攻撃を計画しているアラスカの戦力は、諜報部からの報告によれば少数の旧式機部隊で構成されている」
サオトメの話に部下たちは、一様に歓喜した。
敵の戦力が少数の旧式機部隊で構成されているとなればどこの軍でもこうなるだろう。
「ただしこれは、わなだと俺は認識している」
サオトメの発言に皆が黙った。
「敵は、新型破壊兵器でアラスカもろともコロニー軍の戦力を一挙にそぐだろう」
サオトメの話は、皆を驚かすには十分だった。
思わずシーサー少尉が挙手した。
サオトメは、シーサー少尉に発言権を与えた。
「それも諜報部からの報告でしょうか?」
シーサー少尉は、サオトメの情報の信頼性を疑った。
「確かに諜報部からの情報では、ない。
ただし俺が地球軍上層部だったらそうする」
サオトメは、自論を述べ皆を納得させた。
「今回の作戦内容だがη艦隊は、第4ゲート方面へと陽動してほしい。
その隙に俺と遊撃艦隊第112艦隊がメインゲートを突破し中に突入する。
そこでガウ級攻撃空母が制圧部隊を出撃させ敵の新型破壊兵器の有無を調査すると同時に制圧も行う」
サオトメの説明に皆は、おのおの気合を入れた。
「作戦開始時刻は、5月5日0300。
作品名:機動戦士ガンダムRS 第31話 闇の胎動 作家名:久世秀一