機動戦士ガンダムRS 第32話 まなざしの先
サオトメは、オペレーション・スピットブレイのため旗艦であるマゼランにガンダムサイガーと整備兵を配備し自らもマゼランに乗り込んだ。
皆は、敬礼してサオトメを歓迎した。
※
ドゴス・ギアでは、アイリス曹長が少々憂鬱になっていた。
同じ戦場にいられるとは、いえ同じ艦に乗れないというのはこんなにも切ないということをまざまざと感じていた。
※
アークエンジェルでは、一同がラウ・ル・クルーゼ大佐、ムウ・ラ・フラガ少佐とナタル・バジルール中尉を見送りにたっていた。
イザーク大尉は、この待遇がいやだったため一足先にシャトルに向かっていた。
アークエンジェルの廊下では、3人が歩いていた。
アークエンジェルの出口ではラミアス艦長、アスラン大尉とキラ少尉が待っていた。
バジルール中尉は、ラミアス艦長の前でとまると荷物を置き敬礼した。
「では、艦長」
バジルール中尉は、ラミアス艦長に別れを言った。
「今までありがとう、バジルール中尉」
ラミアス艦長も敬礼して礼を言った。
「いえ」
バジルール中尉がそういうと2人は、敬礼をやめた。
「また会えるといいわね。
戦場では、ないどこかで」
ラミアス艦長は、バジルール中尉との再会を望んだ。
「終戦となれば可能でしょう」
バジルール中尉は、再会の可能性を述べた。
「そうね。
あなたなら絶対いい艦長になれるわ」
ラミアス艦長は、バジルール中尉の将来を嘱望した。
「ありがとうございます」
バジルール中尉は、礼をいうとアークエンジェルの出口を出た。
クルーゼ大佐もラミアス艦長、アスラン大尉とキラ少尉に敬礼してアークエンジェルの出口を出た。
バジルール中尉は、ユーラシア連邦に身を移されることになった。
しかし同時に2階級特進されユーラシア連邦が極秘に開発していたアークエンジェル級2番艦であるドミニオンの艦長に任命された。
「俺は言うだけ言ってみっかな、人事局に」
フラガ少佐は、人事局に抗議しようと考えていた。
「取りあう訳ないわ」
ラミアス艦長は、残念そうに言った。
「しかし何もこんな時に宇宙で新型モビルスーツを受領せよは、ないでしょう。
新型モビルスーツを受領するなら前線の地球の方が良いよ」
人事局に抗議する理由は、ここにあった。
クルーゼ大佐とフラガ少佐の異動先は、宇宙で宇宙専用新型モビルスーツの受領とテストだった。
しかし前線は、地球のためこの人事異動にフラガ少佐は左遷されたようで不満だった。
「貴方が宇宙で通商破壊を行えばコロニー軍の戦力が下がるわ」
ラミアス艦長は、クルーゼ大佐とフラガ少佐の通商破壊戦果に期待していた。
「そうだな」
しかしフラガ少佐の表情は、不満でいっぱいだった。
「ほら遅れますよ」
フラガ少佐は、言いたいことを言えない自分と気づいてほしいラミアス艦長に憤りを感じ軍帽を脱いだ。
「今までありがとうございました」
ラミアス艦長は、敬礼して礼を言った。
フラガ少佐は、うつむいて軍帽をかぶりなおすと敬礼した。
「俺の方こそ」
ラミアス艦長の目には、涙がたまっていた。
2人は、敬礼をやめるとフラガ少佐は今度はアスラン大尉とキラ少尉に敬礼してアークエンジェルの出口を出た。
フラガ少佐は、出口に立っていた一同に敬礼しながら去っていた。
ラミアス艦長は、いつまでもその姿を見ていた。
※
アラスカの司令部では、サイクロプスの最終準備を行っていた。
「状況は?」
地球軍幹部がサザーランド大佐に質問した。
「順調です。
全て予定通りに始まり予定通りに終わるでしょう」
サザーランド大佐は、本題無いと答えた。
※
アークエンジェルには、将校が命令を伝えに来た。
「第8艦隊所属艦アークエンジェルは、第7機動艦隊へと所属を移行する。
同じく第7機動艦隊所属であるアークエンジェル級2番艦ドミニオンとともに艦隊を率いて明日5月4日0800にザラ大統領ならびにアズラエル大統領を護衛しオーブ連合首長国に向かってほしい。
発令、ウィリアム・サザーランド大佐」
ブリッジにいたブリッジ要員は、皆敬礼した。
「艦隊を率いてオーブに向かうってことは、オーブを脅すのかな?」
ロメロ軍曹がダリダ軍曹に質問した。
「それぐらいこっちは、追い詰められているって事だろ?」
ダリダ軍曹が戦況を推測した。
皆は、敬礼をやめた。
「それを受け1400から貴艦への補給作業が行われる。
以上だ」
将校は、命令を伝え終えブリッジを去ろうとした。
「あの」
それをラミアス艦長が引きとめた。
「なんだ?
不服か?」
将校がラミアス艦長に質問した。
「そうではありません。
国家元首が移動するなら何も軍艦を使う必要性は、ないかと思われます。
軍艦を使えば反って逆効果になるかと思われます」
ラミアス艦長は、国家元首の移動に軍艦を使うことの危険性を言った。
「確かにコロニー軍兵士が全員サオトメのような人物なら民間機を使ったほうが安全だろう。
しかし現実は、そうではない。
敵の国家元首が乗っているとわかれば積極的に撃墜命令を出すやつもいるかもしれない。
そのためわれわれは、アークエンジェル級に乗せたほうが安全だと判断したのだ」
将校が説明するとブリッジを後にした。
※
そのころ別のドックの管制室にバジルール少佐が入って来た。
「第7機動艦隊ナタル・バジルール少佐、参りました」
バジルール少佐は、敬礼していった。
「あれがアークエンジェル級強襲機動特装艦2番艦であるドミニオンだ」
管制官は、部屋の窓からそういうとドミニオンを指差した。
「それと捕捉だが新型モビルスーツパイロットに変なやつがいるがこれは、刺激するな」
管制官は、意味深にバジルール少佐にいった。
バジルール少佐は、あまり突っ込まなかった。
※
バジルール少佐は、管制室を後にすると早速ドミニオンに乗った。
作業をしていた乗員がバジルール少佐に気づくと皆は、作業を止め敬礼した。
バジルール少佐は、ブリッジに行く途中艦の内装を見て回った。
同型艦ということで内装位置もほぼ同じだった。
しかし細かく見れば1番艦のアークエンジェルより内装品の質が向上していたり使いやすくなっていたりしていた。
バジルール少佐がブリッジに着くと既にブリッジ要員が艦のシステムのチェックをしていた。
ブリッジ要員がバジルール少佐に気づくと作業を中断し皆は、敬礼した。
バジルール少佐も敬礼した。
「本日を以ってしてアークエンジェル級強襲機動特装艦2番艦ドミニオンの艦長に任命されたナタル・バジルール少佐だ。
君たちには、この艦に早く慣れてもらいたい。
各員自分の作業が終わり次第早速訓練を行う」
バジルール少佐が皆に命令した。
※
明くる5月4日アークエンジェルとドミニオンには、それぞれパトリック・ザラ大統領とムルタ・アズラエル大統領が乗った。
「第7機動艦隊、発進」
ラミアス艦長の命令とともに第7機動艦隊は、発進しオーブへと向かった。
しかしその航路は、コロニー軍の無人偵察機で確認された。
皆は、敬礼してサオトメを歓迎した。
※
ドゴス・ギアでは、アイリス曹長が少々憂鬱になっていた。
同じ戦場にいられるとは、いえ同じ艦に乗れないというのはこんなにも切ないということをまざまざと感じていた。
※
アークエンジェルでは、一同がラウ・ル・クルーゼ大佐、ムウ・ラ・フラガ少佐とナタル・バジルール中尉を見送りにたっていた。
イザーク大尉は、この待遇がいやだったため一足先にシャトルに向かっていた。
アークエンジェルの廊下では、3人が歩いていた。
アークエンジェルの出口ではラミアス艦長、アスラン大尉とキラ少尉が待っていた。
バジルール中尉は、ラミアス艦長の前でとまると荷物を置き敬礼した。
「では、艦長」
バジルール中尉は、ラミアス艦長に別れを言った。
「今までありがとう、バジルール中尉」
ラミアス艦長も敬礼して礼を言った。
「いえ」
バジルール中尉がそういうと2人は、敬礼をやめた。
「また会えるといいわね。
戦場では、ないどこかで」
ラミアス艦長は、バジルール中尉との再会を望んだ。
「終戦となれば可能でしょう」
バジルール中尉は、再会の可能性を述べた。
「そうね。
あなたなら絶対いい艦長になれるわ」
ラミアス艦長は、バジルール中尉の将来を嘱望した。
「ありがとうございます」
バジルール中尉は、礼をいうとアークエンジェルの出口を出た。
クルーゼ大佐もラミアス艦長、アスラン大尉とキラ少尉に敬礼してアークエンジェルの出口を出た。
バジルール中尉は、ユーラシア連邦に身を移されることになった。
しかし同時に2階級特進されユーラシア連邦が極秘に開発していたアークエンジェル級2番艦であるドミニオンの艦長に任命された。
「俺は言うだけ言ってみっかな、人事局に」
フラガ少佐は、人事局に抗議しようと考えていた。
「取りあう訳ないわ」
ラミアス艦長は、残念そうに言った。
「しかし何もこんな時に宇宙で新型モビルスーツを受領せよは、ないでしょう。
新型モビルスーツを受領するなら前線の地球の方が良いよ」
人事局に抗議する理由は、ここにあった。
クルーゼ大佐とフラガ少佐の異動先は、宇宙で宇宙専用新型モビルスーツの受領とテストだった。
しかし前線は、地球のためこの人事異動にフラガ少佐は左遷されたようで不満だった。
「貴方が宇宙で通商破壊を行えばコロニー軍の戦力が下がるわ」
ラミアス艦長は、クルーゼ大佐とフラガ少佐の通商破壊戦果に期待していた。
「そうだな」
しかしフラガ少佐の表情は、不満でいっぱいだった。
「ほら遅れますよ」
フラガ少佐は、言いたいことを言えない自分と気づいてほしいラミアス艦長に憤りを感じ軍帽を脱いだ。
「今までありがとうございました」
ラミアス艦長は、敬礼して礼を言った。
フラガ少佐は、うつむいて軍帽をかぶりなおすと敬礼した。
「俺の方こそ」
ラミアス艦長の目には、涙がたまっていた。
2人は、敬礼をやめるとフラガ少佐は今度はアスラン大尉とキラ少尉に敬礼してアークエンジェルの出口を出た。
フラガ少佐は、出口に立っていた一同に敬礼しながら去っていた。
ラミアス艦長は、いつまでもその姿を見ていた。
※
アラスカの司令部では、サイクロプスの最終準備を行っていた。
「状況は?」
地球軍幹部がサザーランド大佐に質問した。
「順調です。
全て予定通りに始まり予定通りに終わるでしょう」
サザーランド大佐は、本題無いと答えた。
※
アークエンジェルには、将校が命令を伝えに来た。
「第8艦隊所属艦アークエンジェルは、第7機動艦隊へと所属を移行する。
同じく第7機動艦隊所属であるアークエンジェル級2番艦ドミニオンとともに艦隊を率いて明日5月4日0800にザラ大統領ならびにアズラエル大統領を護衛しオーブ連合首長国に向かってほしい。
発令、ウィリアム・サザーランド大佐」
ブリッジにいたブリッジ要員は、皆敬礼した。
「艦隊を率いてオーブに向かうってことは、オーブを脅すのかな?」
ロメロ軍曹がダリダ軍曹に質問した。
「それぐらいこっちは、追い詰められているって事だろ?」
ダリダ軍曹が戦況を推測した。
皆は、敬礼をやめた。
「それを受け1400から貴艦への補給作業が行われる。
以上だ」
将校は、命令を伝え終えブリッジを去ろうとした。
「あの」
それをラミアス艦長が引きとめた。
「なんだ?
不服か?」
将校がラミアス艦長に質問した。
「そうではありません。
国家元首が移動するなら何も軍艦を使う必要性は、ないかと思われます。
軍艦を使えば反って逆効果になるかと思われます」
ラミアス艦長は、国家元首の移動に軍艦を使うことの危険性を言った。
「確かにコロニー軍兵士が全員サオトメのような人物なら民間機を使ったほうが安全だろう。
しかし現実は、そうではない。
敵の国家元首が乗っているとわかれば積極的に撃墜命令を出すやつもいるかもしれない。
そのためわれわれは、アークエンジェル級に乗せたほうが安全だと判断したのだ」
将校が説明するとブリッジを後にした。
※
そのころ別のドックの管制室にバジルール少佐が入って来た。
「第7機動艦隊ナタル・バジルール少佐、参りました」
バジルール少佐は、敬礼していった。
「あれがアークエンジェル級強襲機動特装艦2番艦であるドミニオンだ」
管制官は、部屋の窓からそういうとドミニオンを指差した。
「それと捕捉だが新型モビルスーツパイロットに変なやつがいるがこれは、刺激するな」
管制官は、意味深にバジルール少佐にいった。
バジルール少佐は、あまり突っ込まなかった。
※
バジルール少佐は、管制室を後にすると早速ドミニオンに乗った。
作業をしていた乗員がバジルール少佐に気づくと皆は、作業を止め敬礼した。
バジルール少佐は、ブリッジに行く途中艦の内装を見て回った。
同型艦ということで内装位置もほぼ同じだった。
しかし細かく見れば1番艦のアークエンジェルより内装品の質が向上していたり使いやすくなっていたりしていた。
バジルール少佐がブリッジに着くと既にブリッジ要員が艦のシステムのチェックをしていた。
ブリッジ要員がバジルール少佐に気づくと作業を中断し皆は、敬礼した。
バジルール少佐も敬礼した。
「本日を以ってしてアークエンジェル級強襲機動特装艦2番艦ドミニオンの艦長に任命されたナタル・バジルール少佐だ。
君たちには、この艦に早く慣れてもらいたい。
各員自分の作業が終わり次第早速訓練を行う」
バジルール少佐が皆に命令した。
※
明くる5月4日アークエンジェルとドミニオンには、それぞれパトリック・ザラ大統領とムルタ・アズラエル大統領が乗った。
「第7機動艦隊、発進」
ラミアス艦長の命令とともに第7機動艦隊は、発進しオーブへと向かった。
しかしその航路は、コロニー軍の無人偵察機で確認された。
作品名:機動戦士ガンダムRS 第32話 まなざしの先 作家名:久世秀一