機動戦士ガンダムRS 第33話 ハイパー・メガ粒子砲の恐怖
電気的には、中性であってもメガ粒子砲は距離を経るにつれて拡散と衰退を行う。
ハイパー・メガ粒子砲も例外では、なくメガ粒子が拡散し施設外部にいたものを問答無用で焼き尽くした。
この粒子は、モビルスーツを撃墜するには十分すぎる威力を持っていた。
それをたとえコーディネイターであっても生身で直撃すればただでは、すまない。
施設内部にいたものも施設が燃え脱出経路を見つけられなければ同じ運命をたどる。
アラスカは、いまや阿鼻叫喚の地獄絵図となっていた。
※
それは、η艦隊と第112遊撃艦隊でも確認できた。
皆は、複雑な思いでその光景を見ていた。
※
それは、地球軍幹部が乗っていたボズゴロフ級にも伝えられた。
サザーランド大佐は、その報告に絶句した。
「してやられましたな、ナチュラル共に」
幹部の1人が冷静にそういった。
※
アラスカ基地には、機体や施設の残骸がほとんど無かった。
※
η艦隊と第112遊撃艦隊所属の兵士たちの表情は、皆疲れきっていた。
サオトメは、ドゴス・ギアのリクリエーションルームでくつろいでいた。
「隊長」
サオトメが見るとアイリス曹長がいた。
「今お時間ありますか?
できたら話がしたのですが」
アイリス曹長は、サオトメに質問した。
「別にかまわないぞ」
サオトメは、姿勢をただし答えた。
「隊長って今までに誰かと付き合ったりしたことってありますか?」
アイリス曹長がサオトメに恋愛ごとについて質問した。
「ない」
サオトメは、即答した。
アイリス曹長は、意外という表情をした。
「これまで出会いというのが無かったから」
サオトメは、理由を答えた。
「隊長の好きな女性の好みってどんな人なんでか?」
アイリス曹長がサオトメに再び恋愛ごとについて質問した。
「母性のある女性かな」
サオトメは、少し考えてから答えた。
「どういうことですか?」
アイリス曹長は、サオトメの答えを理解できなかった。
「おそらく彼女に記憶の断片に残っている死んだ母の面影を求めるんだと思う。
要約すればマザコンだ」
サオトメは、苦笑しながらわかりやすく説明した。
その後も2人は、話をした。
※
アークエンジェルのアスラン中佐の部屋では、アスラン中佐とキラ大尉がジャスティスガンダムとフリーダムガンダムのマニュアルを読んでいた。
そのとき廊下がやけにうるさいのに気づいた。
「何だ?」
2人は、廊下に出た。
「失敗?
失敗とは、どういうことだ?
そんなバカな、話はないだろう」
兵士の1人が騒いでいた。
「パナマから正確な情報をよこせ」
別の兵士が命令していた。
廊下は、騒然となっていた。
「チャンドラ軍曹」
アスラン中佐がダリダ軍曹を呼んだ。
「この騒ぎは?」
アスラン中佐がダリダ軍曹に質問した。
「地球にいるコロニー軍の戦力の大半を奪うわが軍の作戦が失敗した」
2人がそれを聞いて驚いた。
そしてダリダ軍曹が2人に耳打ちした。
「これは、あくまでうわさなんだが近々コロニー直接攻撃が開始されるらしい」
2人は、それを聞いてさらに驚いた。
「あくまで今後の戦況状態なんだろうけどそれだけ俺たちが追い詰められているということだ」
ダリダ軍曹が地球軍の戦況の劣勢さを伝えた。
作品名:機動戦士ガンダムRS 第33話 ハイパー・メガ粒子砲の恐怖 作家名:久世秀一