大好きな人のお題 ちょっとズレたたとえ話
「出したよーもー今時手紙なんて何書いて良いか分かんなかったー」
「下駄箱にラブレターだもんねーホントにくるかなぁー」
「これで来なかったら男じゃなくなーい?」
「でもさー来るかどうかの実験でー別に告白する気はないんでしょー?」
「ないない。だって知らないしー」
「知らないのに出したのー?」
「だって、『放課後裏庭に来て下さい』ってだけで好きとも何も書いてないもーん」
「うわっひっどーい!!」
アレだな。
大和撫子は絶滅したって事だな。
「……たーかおー?」
隣で会話を聞いていた高尾はよほどショックだったのか、その場にしゃがみ込んで震えている。
まぁ、さっきまで夢見て語ってたしな。
「……だからさー言ったろ?下駄箱にラブレターなんて都市伝説だって」
ポンと肩に手を置いて一応慰めてみる。
人を慰める事なんて滅多にしないから、慰めている様に聞こえているかあやしいけど……
「高尾ー?」
「………いやー何か……」
「ん?」
「意外と、アレだなーと」
「……女にあんま夢見んなつー良い勉強になったろ?」
「宮地さんがドライすぎー」
「そんな事ねぇよ……つーか、アレだ」
オレがひょいひょいっと手招きすると、高尾はオレに顔を向ける。
「宮地さ―――――!?」
チュッと態と可愛らしい音を立ててやる。
「……うばっちゃったー」
更におどける様に言ってやると、一瞬にして高尾の顔が赤くなった。
「なっ!?」
「アレだ。ほら、ショック療法?ってやつ?」
ポンポンと頭を叩いてやると、オレはそのまま高尾を置いて走りだした。
流石にちょっと恥ずかしい。
「――――――え?ええええええっっっっっっっ!?」
後ろで盛大な悲鳴が聞こえた。
とりあえず、これであとは大丈夫だろう。
問題は、オレが大丈夫かって事だけど………
END
お題お借りしてます◎
COUNT TEN.
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作品名:大好きな人のお題 ちょっとズレたたとえ話 作家名:ペコ@宮高布教中