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こらぼでほすと 風邪7

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 小声で坊主が、「もう、喋るな。」 と、命じた。女房も、コクンと頭を動かした。
「ママ、寝てる時間でしょ? 」
 うんうん、と、ママが頷いている。階段を昇って、ママの腕を捕まえる。ほら、と、脇部屋に戻す。それを横目にして坊主も立ち上がって、回向に出かけた。この調子なら、すぐに回復するだろう。紫猫もどきも、落ち着いたらしい。きゃあきゃあと騒がしく女房の相手をしている。







 刹那たちもミッションは、クリアーはできたが、いろいろと問題がありそうな感じだ。データはロックオンがデータチップに纏めたものを組織に持ち帰り、検討することになる。なんとか予定ギリギリでプラントに入れた。ホテルにチェックインすると、やれやれと刹那の女房はベッドにダイブしている。
 ティエリアからは、明日のシャトル便のデータが、ちゃんと刹那の携帯端末に送られていた。それを確認して、なんとか誕生日当日に降りられそうだ、と、刹那も口元を歪める。それから、キラからの暗号通信で、誕生日の贈り物についてのリクエストも届いている。おかんの独占なら、どういう独占がいいのか、日程は間に合いそうなのか、そこいらのことも細かく尋ねられている。

日程は、前日に降下予定。時間はシャトル便の到着時間からして深夜になる。おかんの独占は、どこかへドライブでもして一日、おかんと二人がいい。できたら、おかんを休ませたいから、泊まりのほうがいい。

 考えていたことを、つらつらと携帯端末でメールに仕立てて送り返す。これで、キラのほうがスケジュールは考えてくれるはずだ。
「兄さん、風邪引いてダウンしてたらしいぞ? ダーリン。」
 こちらもティエリアからの情報を携帯端末で確認して、ロックオンが教えてくれる。ここまでは強行軍だったので、通常の連絡も入れていなかった。携帯端末の電源を入れたら、即座にメールがやってきたのだ。その中に、ティエリアからのものもあった。『ニールの近況』というタイトルで、各人に一週間か十日ごとぐらいにティエリアが報告してくれているものだ。
「ああ、俺のほうにも着ている。・・・・インフルエンザか・・・俺のおかんは免疫力が低いからな。」
 刹那もティエリアのメールを開いて苦笑している。免疫力が低いから、どうしてもウイルスを貰ってしまう。こればかりは防ぎようがない。免疫力をつけるには、何度かダウンすることになる。
「まあ、なんとか回復したみたいだけどさ。・・・これ、説教しといてくれよ? 刹那。市販薬でインフルエンザが治るわきゃねぇーんだからさ。」
 報告メールには詳細まで、きっちりと記されている。どういう経緯で罹患したのか、その後、どういう行動をニールがとったのか、それによって結果、どうなったかなんてことまで、だ。ロックオンは、それを読んで呆れているらしい。
「これ、免疫力が高ければ使える手だぞ? ロックオン。」
「・・・おまえ・・・」
「世界放浪の時に、俺も使った。いちいち、医者にかかれない場合の力技だ。」
 まあ、刹那の言うのも、もっともだ。インフルエンザを駆逐するなら、体内の温度を上げれば可能になる。ただし、安全な場所でやらなければならないから、そこまで市販薬で抑え込むのだ。もちろん、緊急処置ではあるが、ニールが旅の知識として教えた。医者にかかれない場合は、こうするといい、と、ニールが裏稼業中に身につけた知識も披露したらしい。もう、刹那は地上のウイルスにやられるようなことはないので、知識として知っていても使うことはないが。
「そんなことしてるぐらいなら、抗生物質で一発逆転だってーのっっ。」
「だから、そういうものがない場合だ。わざわざ、使わなくていい。」
「当たり前だ。ほんと、兄さんは、おかしな知識ばっかだな。とりあえず、裏技使うなって俺が怒ってたって言っといてくれ。」
「了解した。」
 医療施設に簡単に飛び込める生活をしていたロックオンからすると信じられないことだ。確かに、裏稼業の人間が、普通の病院に駆け込むのは難しいのだろうが、今現在、主治医までついてる状況でやることじゃないだろう、と、憤慨はする。
「ルームサービス頼んでいい? ダーリン。それ、食ったら楽しいエッチして惰眠を貪りたい。」
 とりあえず、実兄のことは、亭主に一任しておくことにした。明日、亭主はシャトル便で地上に降下する。それまでの時間をたっぷり使いたいから、頭は切り替える。
「そうだな。適当に頼んでくれ。俺は風呂に入る。」
「アイアイサー。バスタブに湯を溜めといてくれ。」
「風呂ではやらないぞ? おまえ、すぐ逆上せるからな。」
「わーってます。たまに、足延ばして湯船に浸かりたいだけだよ。あ、バブルバスにしてくれよ? 」
 新婚さん設定で、ジュニアスウィートを予約してもらった。風呂も大きいので、二人でゆったり浸かれるサイズだ。ここんところの強行軍なミッションで碌にシャワーも浴びていない。気持ちを切り替えるのに、風呂は最適だ。
 亭主は女房のリクエストを聞いて、風呂に足を運んだ。女房のほうは、ルームサービスのメニューを手にして、内線に連絡をする。



作品名:こらぼでほすと 風邪7 作家名:篠義