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魔法少女まどか★マギカ~マギカ★parallel~ 第1話

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魔法少女まどか★マギカ〜マギカ★parallel〜

第1話「不思議な指輪」

20xx年・日本国・見滝原市

街が燃えていた。建造物と言う建造物が崩れ去り、尽く瓦礫の山と化していた。あちこちで火災が発生し、黒煙が天高く立ち上るさまはまさにこの世の終わりの光景であった。赤く染まった空には、巨大な人外の何かがまるで勝ち誇るかのように浮かんでいた。その何かこそ、美しかったこの街で破壊の限りを尽くし、建造物と言う建造物をなぎ倒し、焼き尽くし、街を瓦礫の山にしてしまった張本人だった。人々という人々が逃げ出し、今や無人の廃墟と化した街に響くその甲高い笑い声は生きる気力や希望と言ったものを一瞬のうちに全て消し去ってしまうような悪意に満ちていた。ただ絶望と悲しみだけがこの場を支配していた。

黒煙の下、瓦礫の山の中で、グレーと白の制服調の衣装に身を包んだロングヘアの少女は立ちすくんでいた。彼女は全身に傷を負い、血まみれだった。彼女の周りでは4人の少女が無残な姿を晒していた。ブルーのミニスカートの衣装を纏った少女は折れた剣を片手にこと切れていた。赤いノースリーブの少女は全身をズタズタに引き裂かれて、目を開けたまま死んでいた。黄色の衣装に身を包んだ少女は首から上を失っていた。その光景を「地獄」という単語一つで表すのは簡単だろうが、現実は単語一つで表現しきれないほどに残酷で悲惨だ。しかしやはりこの光景は「地獄」と表現するほかないようだ。彼女は一人の少女の遺体を抱えていた。正確には「少女だったもの」と言うべきかもしれない。今やその少女は黒焦げの肉の塊と化してしまっていた。グレーと白の衣装の少女の瞳から大粒の涙が零れ落ち、少女の死体の上にぽたりと落ちた。

「ごめんなさい・・・。私、またあなたを助けられなかった・・・。」

彼女はそう一言つぶやくと、彼女の死体をそっと地面に置いた。

「いつまで続けるんだい?」

この場と状況に似つかわしくない能天気な可愛らしい声が響いた。いつの間に現れたのか、グレーと白の衣装の少女の背後に赤い目の白い生き物がいた。
猫のような体にウサギのような長い耳、そして黄色いリングがその長い耳についていた。

少女はその問いには答えず、代わりに左腕の丸い小盾から拳銃を取り出すと、その生き物の眉間に向けて銃弾を放った。銃弾を受けたその生き物はぺしゃんこに崩れた。
次の瞬間、少女の姿は消えていた。

「やれやれ、あの子も学習しないもんだね。本当に訳が分からないよ。」
どこからともなくもう1匹白い生き物が現れ、撃たれてぺしゃんこになった死骸をむしゃむしゃと食べ始めた。
「かわりはいくらでもいるけど、毎回潰されちゃたまったもんじゃない。何回潰されたことやら・・・。」
死体をすっかり食べてしまうと、その生き物もどこへともなく立ち去った。

後には無残な少女の死体が廃墟の中に転がっているだけになった。



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20xx年、アメリカ合衆国、コネティカット州の古びた大きな家。そのゴミっぽい屋根裏部屋に一人の少女がいた。長いブロンドの髪を黒いリボンでツーサイドアップにまとめ、青く澄んだ目に雪のように白い肌と整った顔立ち、スタイル抜群の体つきのその少女を初めて見たものは「どこのモデルなのだろう?」と思うことだろう。金髪碧眼、という言葉が良く似合う美少女だった。今、動きやすいジャージに身を包んだ少女は、ホコリと蜘蛛の巣に苦しめられながらも屋根裏部屋探検を楽しんでいるようだった。
彼女の名前は芳野リッカ。今日はアメリカ人の父親の実家に春休みを利用して遊びに来ていたのだった。旧家である父親の家はとても古びており、まるでおとぎ話にでもでてくる家のようだった。ガラクタで一杯の大きな屋根裏部屋もあった。リッカは父親の許しを得て、屋根裏部屋探検をしていたのだった。リッカは掘り出し物を求めてガラクタの山をあさってみたり、古びた箪笥の中を覗いてみたりと、顔中ほこりまみれになりながらも屋根裏部屋探検を楽しんでいた。

「・・・すっごいホコリ・・・。もおっ、また蜘蛛の巣・・・。」

リッカは右手に持った木の枝で蜘蛛の巣を払いながら進んでいた。左手にはホコリにまみれの古びた本を数冊手にしている。

「面白そうな本を数冊ゲットできたからよしとしようかな?でも、もっとこう・・・お宝的なモノってないもんかしらね・・・?」

屋根裏部屋は本当にガラクタの山だった。これ以上面白そうなものが見つかる気配もない。
そろそろ帰ろうかと思ったその時、リッカは床に小さな木箱が転がっているのを見つけた。リッカは何気なくその木箱を拾い上げた。

「何かしら・・・?」

木箱を開けると、中にはきらきらと輝く銀の指輪が入っていた。指輪には水色の宝石が埋め込まれ、不思議な文字が刻みつけられていた。また、銀の鎖がつけられており、ペンダントになっていた。別段値打ちものという訳ではなさそうだったが、なぜかリッカは一目見て気に入ってしまった。

「・・・すごい・・・綺麗・・・。」

リッカは木箱から指輪のついたペンダントを取り出すと、首にかけた。


「いいんじゃないのこれ?・・・すっごいほこりねまったく。げほげほ、もうそろそろ戻らないとぜんそくにでもなりかねないわ・・・戻ろ。昼ごはん何かなー?」

リッカは思わぬ収穫に満足すると、本を小脇に抱え、鼻歌を歌いながら屋根裏部屋から2階に通じるハシゴを降りて行った。



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・・・数日後、日本国、見滝原市。

見滝原市は最新のインフラを備えた学園研究都市であり、周囲の豊かな自然と調和した美しい都市だった。その一角の風見ヶ丘、という住宅地にあるごく普通の民家で芳野リッカは目を覚ました。ベッドから出てけたたましいメロディを発している目覚まし時計代わりの携帯電話を黙らせ、カーテンと雨戸を開ける。眩しい朝日と柔らかな風が部屋いっぱいに差し込んだ。風が桜の花びらを一枚運んできた。机の上に落ちた花びらを拾い上げる。自然と顔がほころんだ。爽やかな朝だ。春休みが終わって今日は新学期の始業式だった。

リッカは顔を洗い、髪を整えると、もうすでに着慣れた制服に袖を通してキッチンに向かった。首にはあの戦利品のペンダントが輝いている。

キッチンでは母親、芳野由夢(よしの・ゆめ)が朝食の準備をしていた。父親の芳野マークもテーブルについてコーヒーを入れている。

「おはようございます。」
リッカは両親に挨拶をすると、母親の手伝いに回った。