dear mind
今にもキッチンに行って包丁片手に出てきそうなコックの襟首をゾロがひっ捕まえた。
猫の子でも運ぶようにサンジの襟首を掴んだまま、ゾロはラウンジへと向って行く。
離せマリモ! と喚くサンジと共、ラウンジの前でこちらに向って来るルフィとナミに行き会った。
ゾロの顔を見るなり、ニシシ、とルフィは無邪気に笑う。
そんな船長をサンジは一睨みしたものの、その後ろのナミの顔を見たら怒る気も萎れてしまった。
我等が航海士が、幸せそうに笑ったから。
船長はいつもを取り戻し、ラウンジに飛び込んでは涎を垂らし「うまほーっ!!」と叫んだ。
サンジはドアを開けて、恭しくナミをラウンジへ導いた。
ナミは「ありがとう」と微笑んでラウンジに入って行く。
そのナミの後ろからついでにゾロもラウンジに入ろうとするので、サンジはゾロの背中を蹴り倒した。
ゾロの怒声を聞きながら、サンジはドアを閉める。
またいつもの、賑やかなディナーの始まり。
end