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とある2人の無能力者5話

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知らない方がいい、関わらない方がいいと自身の何かが警告していた。


「アンチスキルのデータ何に…今回襲撃された被害者の詳細がのってるファイルを見つけたんだけど。…襲撃されてるのがスキルアウトだけじゃないって…」
「は!?ちょっと待てよ、それってどういう」

人生の分岐点、というのも大袈裟かもしれないが彼女自身。
これを機に自分のこれからの生活が変わっていくとは予想できなかった。




「そのファイルにはスキルアウト以外の……レベル0も載ってたのよ」


ドクン!と。
自分の心臓が跳ね上がる音が聞こえる。
脳裏に浮かんでいた上条や御坂のことが一瞬で吹き飛ぶ。
何を話しているのかと理解しようとしていた思考回路も停止する。




「佐天だろ?」
「えっ?…ああそっかアンタ面識あったのよね。もう察しがついてると思うけど…あの子も襲撃される可能性があるのよ…」


「(私も狙われる可能性がある?統括理事会?アンチスキルが隠してたって…)」

素直に現状を受け止められず動揺する。
そして同時に理解した。

御坂があの日自分の陰謀説を無理に止めたこと。
以前上条と御坂が二人で話していた事。

「っ!?誰!?」

頭の中で今までに起こったことがフラッシュバックする中御坂の声にはっと我にかえる佐天。
雑木林の葉の間、そこから御坂の今までに向けられたことのない敵意の籠った視線がこちらに向けられていた。












大通りに面した大きな廃ビル。
すでに解体工事の日取りも決まっているビルのもとはオフィスだった部屋の一角に二人の男がいた。


「やぁ、待ったかい?」
「おせーよ、こっちは忙しいんだ」
「まぁまぁそうカッカするなよ、こちらもこう見えて忙しいんだ」
「そうかよ、でも俺には関係ねーことだ」
「そういう君はどうなんだい?もうやることなくなって暇だったろ?」
「おい忘れんなよ、俺がお前の仕事手伝ってるのはあくまでも一時的なもんだ。こっちは自分のことを早く終わらせてーんだよ」
「もちろんわかってるよ、ただもう少し静かに行動してくれよ。マスコミに世界があれこれと騒ぎ立てているからね」

一人は見た目が高校生くらいで上はジージャン、下はジーンズと上から下まで一色の服装。
もう一人は長髪金髪の白いスーツをきた陽気そうな男だった。

「そうそうこれが次のリストね」

陽気な男からファイルに閉じられたリストを受け取り中身にサラッと目を通す。



「毎回同じことやらせやがってよ、こんくらい自分でやれっての」
「そう言わずにもうしばらく頑張ってくれよ、なぁ?」
「ちっ、たくよー…ん?」
「どうしたんだい?」
「いや…この女…」
「お、もしかして君のおメガネにかなった女性でもいたかな?」
「ふざけろクソ、この女この前超電磁砲と一緒にいやがった女だ」
「へぇ既に接触済みか…何か師匠でもあるかい?」
「まさか。ただこいつを始末したら超電磁砲の奴がどんな顔をするかと思ってな」


彼はリストに書かれた名前と写真を見ながら、




「ふーん、佐天涙子、ねぇ…」

そう呟いた。