りんはるちゃんアラビアンパロ
リンも立ち止まり、ハルカのほうに顔を向けて、答える。
「王様、なめんじゃねぇ」
ニヤッと笑った。
事実上、認めた。
その顔を、ハルカは瞳をますます硬くして見る。
そして、きっぱりと告げる。
「言っておくが、今も、王妃になるつもりはない」
「ハァ!?」
リンは眼を大きく開き、声をあげた。
「おまえ、この状況で逃げられるとでも思ってんのか!」
「そんなものはやってみないとわからない」
ハルカは無表情で平然と言った。
それから、歩きだす。
すると。
「逃げても、すぐ追いついてやる」
そう宣言する声がうしろから聞こえてきた。
ハルカは振り返らず、リンには顔を見せないまま、少し笑った。
作品名:りんはるちゃんアラビアンパロ 作家名:hujio