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機動戦士ガンダムRS 第36話 決意の砲火

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コロニー軍のコロニー軍総司令部であるサイド8では、アスハ前代表の宣戦布告について協議していた。
「どういうことだ。
ジョシュアとパナマが成功してもオーブが宣戦布告してきては、何も意味がないではないか」
 幹部の1人がそう叫んだ。
「ビクトリアポートの補給路を断たせなければ月基地を干上がらせることは、できなくなるぞ。
それどころかコロニーそのものの安全も脅かされる」
 幹部の1人がコロニーの危険を訴えた。
「ビクトリア奪取作戦の立案を大急ぎで変更させているが遊撃艦隊と陸上部隊でどこまでがんばれるか」
  幹部の1人がビクトリア奪取作戦の成否を心配していた。
「そもそも月基地を制圧すればよい話だ。
α艦隊を動かそう」
 幹部の1人が決断したように言った。
「既にその策も立案中です。
後は、制圧順や戦力を纏め上げればいつでも発動可能です」
 幹部の1人が説明した。
「おや?
皆さんは、オーブとの戦闘に消極的ですけど?
それは、いけません。
皆は、命を懸けて戦っているというのに。
人類の敵と」
 コロニー軍の総指揮官であるアダム・ドレイス総帥が幹部たちが戦果の拡大に消極的だと感じた。
彼は、コロニー軍の総指揮官でもありブルーコスモスの盟主でもある。
「総帥、そういう言い方はやめてもらえませんか。
ここにいる全がブルーコスモスでは、ない」
 幹部の1人がアダム総帥に注意した。
「これは、失礼した。
しかしまた何だって皆は、この期におよんでそんな理屈を振り回しているような国を優しく認めてやっているんだ?
コーディネイターがいるから世界は、混乱するんだ。
この戦争の直接的原因もやつらが作ったでは、ないか」
 アダム総帥が戦争発端の原因を言った。
「オーブは、歴とした中立国家です。
おそらく国を焼かせないため国力で勝り圧力をかける地球軍に屈したのでしょう。
仕方あるまい」
 幹部の1人がオーブ連合首長国の現状を推測した。
「1国家であるのならオーブだって自国の陣営を明らかにすべきだ。
なのにそれをしなかったツケが回ってきた。
違いますか? 」
 アダム総帥がオーブの自業自得だと説明した。
幹部の誰も反論できなかった。
「なんでしたら四天王艦隊の1艦隊をオーブ攻撃艦隊に加えましょうか?」
 アダム総帥が立ち上がって大胆発言をした。
「何だと?」
 いくら総帥の立場といえどおいそれと四天王艦隊を派遣できるものでは、無かった。
「今は、ともかくマスドライバーを早急につぶしたいんでしょ?
どちらかが或いは、両方か」
 アダム総帥がそういった。
「それは、そうだが」
 幹部は、反論したかったができなかった。
「皆様には、ビクトリアの作戦があるんだし分担した方が効率いいでしょう」
 アダム総帥が分担作業を提案した。
幹部は、誰も反論できなった。
「もしかしたらオーブのモビルスーツも拝められるかもしれません」
 アダム総帥は、オーブが既にモビルスーツを開発していると確信していた。
「オーブがモビルスーツを開発していてるのですか?」
 幹部の1人が驚いて質問した。
「死神が苦戦した地球軍ガンダムは、オーブ領であるヘリオポリスで開発されたんですよ。
オーブがモビルスーツを開発していても不思議では、無いでしょう」
 アダム総帥は、自分の推測理由を述べた。

          ※

 カガリは、代表専用ヘリコプターで国防総省に着いた。
カガリがヘリコプターから降りると迎えの人が敬礼した。
カガリも敬礼で返した。
 カガリが司令室に入るとキサカ一佐がいた。

          ※

 行政府では、ウズミ前代表がコロニー連邦共和国からの文書を見てあきらめかけていた。
「最後通告か?」
 ウズミ前代表は、力なく質問した。
「現在の世界情勢を鑑みず地球連合の1員となったオーブ連合首長国に対しコロニー連邦共和国は、以下の要求を通告する。
『地球連合組織からの速やかな脱退』
48時間以内に要求が実行されない場合コロニー連邦共和国は、武力を以て対峙するものである」
 ホムラ代表が文書を読んだ。
「コロニー連邦共和国は、いまだ和平交渉を望んでいるのか」
 ウズミ前代表が脱力しながらいった。
「しかし既に南米からコロニー軍艦隊が西進中です」
 閣僚の1人がウズミ前代表に報告した。
「狙いは、マスドライバーですな」
 ホムラ代表がコロニー軍の狙いを推測した。
「しかしいくら地球連合のやり口が悪くてもわれわれには、地球連合に逆らえる力がない」
 閣僚の1人が自国と地球連合の国力の差に嘆いた。
「赤道連合やスカンジナビア王国など最後まで中立を貫いてきた国々も既に連合だ」
 閣僚の1人が次々と中立国が地球連合に加盟している状況を説明した。
「だからといって最善の策だったとは、いえまい」
 閣僚の1人がオーブの執った道がよかったか疑問に感じていた。
「事態を知った地球連合駐留艦隊は、既に防衛体制を布くとのことです」
 閣僚の1人が地球連合の動きを報告した。
「どうあってもコロニー連邦共和国も地球連合も世界を2分したいらしい。
敵か味方か」
 ウズミ前代表は、戦争の残酷さに嘆いた。
「ともあれ避難命令を。
子供等が時代に殺されるようなことだけは、避けたいものだ」
 ホムラ代表が若者の死を何とか最小限にしようと考えていた。

          ※

 サオトメは、リクリエーションルームでくつろいでいた。
そこにステファニー軍曹が来た。
ステファニー軍曹は、あわてて敬礼しようとしたがサオトメが制止した。
「難しい顔をされていましたがお加減でも優れないのですか?」
 ステファニー軍曹は、サオトメの容態を心配した。
「少しオーブ解放作戦について考えていたんだ」
 サオトメが原因を言った。
ステファニー軍曹は、何を言っているのか理解できなった。
「オーブ連合首長国を地球連合の魔の手から解放せよという軍の方針は、高く評価するがその方法が武力というのはなんだか間違いではないかと感じて」
 サオトメがステファニー軍曹に詳しく説明した。
「私には、よくわかりません」
 ステファニー軍曹は、やはりサオトメの説明がわからなかった。
「戦争の物事を見られる地位に就くと色々と見えてくる。
色々と物事を見ると余計なことを考える。
俺たち軍人には、無用なことだが」
 サオトメは、どこかあきらめたようにいった。
ステファニー軍曹は、やはり理解できなかったがオーブ侵攻について考えをめぐらせているということはわかった。
「こういう言い方は、ひどいかもしれないが軍曹くらいの階級では生き残るだけで必死だと思う。
だから次の戦場を言い渡されても生き残れるかどうかしか心配できず戦闘そのものについて考える余裕は、無いと思う」
 サオトメは、申し訳なさそうに説明した。
「すみませんでした」
 思わずステファニー軍曹は、謝った。
「いや、悪いといっているわけではない。
ただ組織という巨大な機械の何も考えない部品になるのは、やめてほしいだけだ」
 サオトメは、すぐに訂正した。
そのときアイリス曹長がサオトメに近づき軍服の袖をつかんだ。
「すみません、隊長と大事な話があるので」