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艦これオリジナル小説 その1

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第1章『着任』

「さぁ……今日からここが君の職場だ」

上官は渋い声を上げて言った
私の目の前には広く大きな建物がそびえ立っている

「……司令……ここは?」

「言っただろう? 今日から君が着任する呉鎮守府だ!」

そう……私は今日から提督として鎮守府にて勤務をする事になるのだ!!



ふと、門のところに目をやると1人の少女がたたずんている

「あ……」

少女はこちらに気付くとトテトテと走り寄ってくる
その少女の背には機関部の様な物が付いていた

「長旅お疲れ様です! お待ちしておりました!」

少女は私と司令に向かって敬礼をする

「あのー……司令。この娘は一体……?」

私は少女に敬礼しながら隣にいる司令に小さい声で尋ねる

「前に言っただろう? 鎮守府での仕事は提督として艦娘の育成を行うと……」

司令は少し呆れた顔をしながらそう言った
確かに訓練期間中に艦娘の話はある程度聞いていたが……まさかこの娘が……?

「初めまして! 私、特型駆逐艦1番艦の吹雪と言います!」

「この娘が、この鎮守府で君の秘書艦となる吹雪君だ! 宜しく頼んだぞ!」

吹雪と名乗る少女はこちらを見て敬礼する

「貴方が提督さんなのですね? これから宜しくお願いします!」

「あ……あぁ! こちらこそまだ新人で不甲斐ないと思うが宜しく頼む!」

私は吹雪に敬礼をする

「さて……私は本部に戻る。では、吹雪君、この新人提督に色々と教えてやってくれ!」

「分かりました!お気をつけてお帰り下さい!」

「新人君! 後の事は頼んだぞ?」

司令はそう言い残して本部に戻って行った


「提督さん! これから仕事をする鎮守府内を案内しますね。まずは、提督室に行きましょう!」

吹雪は私の荷物を持って提督室までを案内してくれた
案内された部屋は広くなっており、奥の方には立派な机が置かれている

「ここが提督室かい?」

「はい! ここでは提督さんが事務的な仕事をしたり休憩をしたりする所謂提督さん専用のお部屋となっています!」

私専用の部屋か……
周りを見渡してみると机の他に、食器の入った棚やベッドまで置かれている

「お荷物、ベッドの脇に置いておきますね?」

「ありがとう。助かるよ。吹雪の他に人はいないのかい?」

あまりにも人気が無いのが気になり吹雪に尋ねる

「私以外にも艦娘さん達はいますが……まだそんなにはいないんです」

「そうか……その娘達も紹介してくれるかい?」

「勿論!案内の途中で私達の部屋にも寄るのでその時紹介しますね」

他愛もない話をしながら次に案内された場所は、机が沢山並べてあり会議室と言った感じがする

「ここはー……会議室?」

「はい! ここは作戦会議室です! 出撃前にどんな編成にするかとか、攻略時の作戦を立てたりする時に使います!」

次に案内された場所は資材などが置いてあり作業服を着た妖精の様な人がいる

「ここは工廠室と言って、弾薬や燃料、鋼鉄、ポーキサイトなどを使って新しい艦娘や装備品などを作るお部屋なんです」

「なるほど……するとあの妖精さんが艦娘を作ってくれるって事?」

「正解です!ただし注意しなければならないのは、資源を使いすぎるといざと言う時に困ってしまうので考えながら建造する必要があります」

そうか、確か出撃する際にも燃料や弾薬を消費するから建造をし過ぎると資源がなくなって、いざ出撃する時に補給出来なくなるのか

「分かった。気を付けるよ」

「はい! その他にこの工廠室では装備の解体を行い資源に変える事も出来ます」


私達は妖精さんに挨拶をし、工廠室を後にした。
次に向かった部屋からは何やら暖かい空気がこもっている。

「ん? 何か随分と暖かくて湿った空気があるね……」

「ここは入渠室と言って、戦闘で損傷した娘達が傷を癒す場所です」

奥の方を行くと1枚の扉があり開けるとそこはお風呂場になっていた

「ほぅ……娘達はお風呂で傷を癒すんだね」

「はい! いつ損傷してもすぐに入れるように常に湯船は張ってあるんです」

私達が部屋を後にしようと扉を開けると、目の前に2人の少女がいた

「うわっと……ごめんなさい」

「はわわ……びっくりしたのです……」

少女は驚いた顔をして誤ってきた
よく見ると似たような雰囲気をしている

「こっちこそごめんね。ところで……君たちは?」

「私は暁型駆逐艦3番艦の雷よ! 雷と書いて“いかずち”って読みから間違えないでね!」

「あの……同じく暁型駆逐艦4番艦の電と言います。宜しくお願いします……」

なるほど、この娘達も艦娘だったのか

「2人は姉妹で、雷がお姉さんで電が妹さんなんです」

どおりで雰囲気が似ているはずだ

「初めまして! 当鎮守府に提督しとて着任しました!これから宜しく!」

「こっちこそ、宜しくね!」

よく見ると2人は少し怪我をしている様だ

「その怪我……2人とも負傷したの?」

吹雪は心配そうに2人に尋ねる

「うーん……ちょっと油断しちゃってね」

雷は苦笑いしながら説明する

「それで今からお風呂に入ろうとしていたのです……」

「2人とも大丈夫なのか?」

私はどうしていいか分からず困惑する

「平気よ。このくらいいつもの事だもん。だから司令、そんな心配そうな顔しないで。……ね?」

「あ……あぁ……。でもあまり無理はするなよ」

こんな女の子達が傷を負うのが日常……か……

「私達は今からお風呂入るけど……」

雷はそう言いながら私をじーっと見つめる

「司令……」

雷から凄い威圧を感じる

「な……何だい?」

恐る恐る聞いてみる
「絶対に覗いたらダメだからね!」

「ばっ……馬鹿言え。覗きなんてするわけないじゃないか!」

私は慌てながら返した
体全体が暑くなって顔が赤くなっているのが分かる

「ふふ……冗談よ」

雷は笑みを浮かべながら言った

「お……お姉ちゃん。司令官さんをからかったらだめなのです」

電が慌てながら私と雷の顔を交互に見る

「ははは、大丈夫だよ電ちゃん。実はほっとしてるんだよ」

「そうなのです?」

電は姉が失礼な振る舞いをしたのに、怒らない私を不思議そうに見た

「うん。こんな仕事だから皆、気を遣ったりして凄く堅苦しい職場になるのかな……って思ってたから、今みたいに冗談を言い合えるんだって思って安心したよ」

私は微笑みながら言った

「提督さん。そろそろ次行きましょう」

「あぁ……そうだね。2人ともゆっくり休んでくれ」

しかし、雷はなんというあ包容力のある女の子だ会話をしててホッとするというかそん
な感じがする。
電ちゃんは、ちょっと気弱な妹さんみたいだ。次はもっと打ち解けられるといいな。
そんな事を考えつつ次に向かう。

「次は何処に案内してくれるんだい?」
「次は皆が大好きな食事を取る食堂です!」

「へぇ……食堂もあるんだね」

案内された食堂はとても広く落ち着いた空間になっている。
何かを作ってる最中なのだろうか……とても良い臭いがする。
奥の方を見ると割烹着を着用した女の人が鼻歌混じりで料理を作っている最中のようだ。