yamatoへ… ユキバージョン 2
卒業
「桜が咲いてる…」
各国に落とされている遊星爆弾の影響かまだ3月だと言うのに桜が咲き始めていた。ユキの手には卒業証書がある。その卒業証書のケースの裏には大事なチケットも入っている。校長に手渡された時小さな声で“期待しているよ”と言われた。ユキは自分の気持ちを最優先してくれたこの校長に“ありがとうございました”と笑顔で言った。
「ユキ、帰るわよ。」
名残惜しそうに校門への道を歩いていると在校生と先生が校門で卒業生を見送っている姿が見えた。もちろん担任と校長の姿もある。
「先生…」
ユキは校長と担任の傍に行った。もちろん母も一緒。
「本当にお世話になりました。」
ユキが深々と頭を下げる。
「時々報告してくれな。」
校長がユキの肩をポンポンと叩く。ユキの母はその姿を不思議そうに見つめている。
「はい。」
ユキが満面の笑みで答えた。
「ユキさんは優秀で本当に素晴らしい生徒でしたよ。」
校長がフォローする。
「この国立小学校始まって以来の秀才と言われてましたから…将来が楽しみ
ですね。」(校長)
「いえ…そうなんですか?」
母は何とも言えない顔で答える。
「ご卒業おめでとうございます。」
ユキは笑顔でその言葉に応えると校長と担任に小さな声で
「行って…きます。」
と言って校門を出た。
「ユキ、卒業おめでとう。」
ユキの父も早く帰って来て家族3人でささやかな卒業祝いをしていた。父と母はワインを買ってきて乾杯しユキは100%ぶどうジュースで乾杯。テーブルにはごちそうが並んでいた。ユキはこれからの事を話すのに少し心が痛かった。
「さて…寝不足は良くないからユキ、寝なさい。」
ほろ酔い気分の父はユキにそう言った。
「その前に話さないといけない事があるの。」
ユキが改まって二人を見る。父と母は単にユキが6年間のお礼を言うのかと思っているのかニコニコしている。ユキはこれから話す事に少し罪悪感を感じた。しかし話すのはトウキョウシティの大学の事。…医大に行く事。ユキは大きく息を吸った。
「私、国立付属の中学には進みません。」
ユキの言った一言にユキの両親は固まった。
「私、トウキョウシティにある中央病院付属の医大に通う事になりました。
二日後、荷物を取りに来てくれます。手続きも全部済んでるの。」
ユキの心臓はドキドキしていたが思ったより言葉がしっかり出て来た事に驚いた。
「ユキ?何を言っているの?ちゃんと説明して?」
ユキの母が立ちあがった。
「付属の中学に行かないってどういうことだ?」
父もユキに聞いた。
「きっと…言えば反対すると思ったからギリギリまで何も言わなかったの。
国の一斉テストがあって…訓練予備生なりなさい、って言われて…私はずっと
医師になりたい、って思ってたから予備生じゃなくて医師になるために
勉強したい、って言ったの。そしたらそれを認めてくれて…私はチャンス
だと思ったの。ひとよりたくさん勉強して一日でも早くお医者さんになる
ために…。パパとママが反対しても私、行く。」
「何を言っているの?まだ12歳なのよ?一人で生活できるわけないじゃない!
そんなのお断りしなさい!」
ユキの母が感情的になる。
「ほら、そうでしょ?すぐ反対するじゃない!だから私は一人で決めたの。
自分の力を試せるところで頑張ろう、って。夢に向かって頑張ろう、って!
ママはいつもそうやってダメ、って決めつける!私の人生なんだから
私が決める!もう、二日後にトラックが来るから。」(ユキ)
「桜が咲いてる…」
各国に落とされている遊星爆弾の影響かまだ3月だと言うのに桜が咲き始めていた。ユキの手には卒業証書がある。その卒業証書のケースの裏には大事なチケットも入っている。校長に手渡された時小さな声で“期待しているよ”と言われた。ユキは自分の気持ちを最優先してくれたこの校長に“ありがとうございました”と笑顔で言った。
「ユキ、帰るわよ。」
名残惜しそうに校門への道を歩いていると在校生と先生が校門で卒業生を見送っている姿が見えた。もちろん担任と校長の姿もある。
「先生…」
ユキは校長と担任の傍に行った。もちろん母も一緒。
「本当にお世話になりました。」
ユキが深々と頭を下げる。
「時々報告してくれな。」
校長がユキの肩をポンポンと叩く。ユキの母はその姿を不思議そうに見つめている。
「はい。」
ユキが満面の笑みで答えた。
「ユキさんは優秀で本当に素晴らしい生徒でしたよ。」
校長がフォローする。
「この国立小学校始まって以来の秀才と言われてましたから…将来が楽しみ
ですね。」(校長)
「いえ…そうなんですか?」
母は何とも言えない顔で答える。
「ご卒業おめでとうございます。」
ユキは笑顔でその言葉に応えると校長と担任に小さな声で
「行って…きます。」
と言って校門を出た。
「ユキ、卒業おめでとう。」
ユキの父も早く帰って来て家族3人でささやかな卒業祝いをしていた。父と母はワインを買ってきて乾杯しユキは100%ぶどうジュースで乾杯。テーブルにはごちそうが並んでいた。ユキはこれからの事を話すのに少し心が痛かった。
「さて…寝不足は良くないからユキ、寝なさい。」
ほろ酔い気分の父はユキにそう言った。
「その前に話さないといけない事があるの。」
ユキが改まって二人を見る。父と母は単にユキが6年間のお礼を言うのかと思っているのかニコニコしている。ユキはこれから話す事に少し罪悪感を感じた。しかし話すのはトウキョウシティの大学の事。…医大に行く事。ユキは大きく息を吸った。
「私、国立付属の中学には進みません。」
ユキの言った一言にユキの両親は固まった。
「私、トウキョウシティにある中央病院付属の医大に通う事になりました。
二日後、荷物を取りに来てくれます。手続きも全部済んでるの。」
ユキの心臓はドキドキしていたが思ったより言葉がしっかり出て来た事に驚いた。
「ユキ?何を言っているの?ちゃんと説明して?」
ユキの母が立ちあがった。
「付属の中学に行かないってどういうことだ?」
父もユキに聞いた。
「きっと…言えば反対すると思ったからギリギリまで何も言わなかったの。
国の一斉テストがあって…訓練予備生なりなさい、って言われて…私はずっと
医師になりたい、って思ってたから予備生じゃなくて医師になるために
勉強したい、って言ったの。そしたらそれを認めてくれて…私はチャンス
だと思ったの。ひとよりたくさん勉強して一日でも早くお医者さんになる
ために…。パパとママが反対しても私、行く。」
「何を言っているの?まだ12歳なのよ?一人で生活できるわけないじゃない!
そんなのお断りしなさい!」
ユキの母が感情的になる。
「ほら、そうでしょ?すぐ反対するじゃない!だから私は一人で決めたの。
自分の力を試せるところで頑張ろう、って。夢に向かって頑張ろう、って!
ママはいつもそうやってダメ、って決めつける!私の人生なんだから
私が決める!もう、二日後にトラックが来るから。」(ユキ)
作品名:yamatoへ… ユキバージョン 2 作家名:kei