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yamatoへ… ユキバージョン 7

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それからユキは真田の提案である特別訓練をするようになった。

いくつかセキュリティのかかった部屋に通された先に合ったのは丸い大きなレーダーらしきものがある席と通信席らしきものが並んでいた。

  「真田さん、ここは?」

ユキが真田に聞く。

  「森くんが志願している戦艦の一部だ。看護士として志願している事は聞いて
   いる。少し特別な艦だから…限られた人数で飛ぶから一人がいろんな部署を
   兼務する事になるだろう。これはレーダーだ。普通のと違い必要最低限の
   パワーで動くようになっているのでアナログの部分が多い。隣にある通信席も
   同じだ。パワーダウン時でも緊急通信などが録音できるようテープによる音源
   の確保も出来るようになっている。」

ユキは黙って聞いていた。





  「私がいつまでたっても戦艦に乗れなかったのは私が看護士として失格だった
   から、ではなかったのですか?」

機材の説明が終わってユキが初めて声を発した。

  「違うよ、森くんは即戦力だ。だがまだ若すぎる…そこで上からストップが
   かかっていたんだ。だけどじき、18だろう?」

真田が一瞬言葉を止めた。真田は地球が3年持たないだろうと予測していた。だから一日でも早くこの箱舟にユキを乗せて飛び立たせたかった…がまだ艦は完成していない…。

  「真田さん?」

一瞬心ここに非ずになった真田にユキが声を掛けた。

  「あぁ…すまん。その艦はまだ完成していないのだ。完成したら森くんには
   看護士とこのレーダー士を任せたいと思っている。このレーダーはかなり
   アナログで作ったから今までのデジタルの概念しか持たない連中じゃ扱い
   切れないだろう。だから森くんに、と思ってね。キミは頭が柔らかい。実は
   これを作る時にキミをイメージして作った、と言っても過言じゃない。今は
   シートも大きめだがその戦艦には森くんにちょうどいいシートを用意する。」

ユキは真田の言葉に覚悟を感じた。

  「…真田さんも?乗るんですよね?」

真田はユキの問いかけに一瞬悩み曖昧に“あぁ”と頷くだけにとどまった。

  「私の事、買い被っていませんか?」

ユキが不安を払しょくするように笑いながら言った。

  「森くん、覚えているか?私が最初に言った言葉を。」(真田)
  「“使えない”と思ったら切り捨てる…ですか?」(ユキ)
  「そうだ。よく覚えていたな。」

真田が苦笑いをした。

  「私…合格だったって事でしょうか?」

ユキが“今更”の事を聞いた。

  「なにを言ってるんだ?森くんはよくやってくれた。この訓練がその結果だと
   思ってくれればいい。」

真田はユキをレーダー席に座るよう手で合図をする。堅そうなシートだと思ったが座るとなぜかしっくりくる不思議なシートだった。

  「なんだろう?すごくしっくりくるんですが…。」

ユキの言葉に真田が頷く。

  「そうか…それはよかった。」

真田は心の中で“あの艦がこの子を呼んでいるのかもしれない”と思った。




真田の訓練は二週間、休みなく続けられた。レーダー席と通信席を何度も入れ替わり受けた。

ユキの飲み込みは真田の期待を裏切る事なく予定通り消化し教える事が無くなってしまった。






  「え?」

ユキは一瞬おびえる様な眼をした。真田が中央病院に戻るよう伝えたからだ。でも真田が言うに普通の勤務でなくある先生の専属の看護士にしてもらうから大丈夫だと言う。常に忙しい真田が更に忙しくなっていたのも知ってたし負担になりたくないと常に思っていたユキは、真田がそう言うなら、とユキは中央病院に戻る事にした。