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宇宙戦艦ヤマトのその後 2

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帰還




古代には長く感じられた10日間が終わりヤマトは地球防衛軍の地下ドッグへ戻ってきた

そこには先に下艦した乗組員や乗組員の家族、退院した乗組員の出迎えがあった


一般の乗組員が降りてきてその後メインクルーが降りて来た。長官の藤堂が出迎える。古代達は一斉に敬礼で長官の前に立った

  「本当に…お疲れだった。地上のデーターを見るとほぼ遊星爆弾の落ちてくる前の大気の
   状態は戻ったと報告があった。これから先各地方の地下都市に降りてきている放射能の
   除去作業へは別の機動隊が行うようになる。君達には一か月の休養を与える。一年分
   の休みを考えると少ないと思うだろうがこちらとしても人員不足でね…一週間ほど有給の
   消化は認めるからこの一か月の間に申請するといい。申請はメールで構わない。」

そう言うと敬礼を崩し

  「さぁ今日は軍で用意した部屋で休みたまえ。では私は司令部に戻るから…あ、古代…
   悪いが君は一週間ずらして休暇をとってくれ。明日早速で申し訳ないが司令部に来る
   ように…」

全員が敬礼を返すと藤堂は部下を連れてエアカーに乗り司令部に戻って行った

周りは10日振りの再会を喜ぶ乗組員同士が抱き合っていたりまだ車椅子の乗組員がヤマトの帰還に併せて外出許可をもらい出迎えに来て無事任務が終わったことを喜んでいた…が
古代は乗組員と肩をたたきながらユキの姿を探していた

中には両親が来ていて抱き合う者恋人が地上で待っていたのかキスをしている者それぞれだった

  「兄ちゃん!」

かん高い子供の声が聞こえて“次郎!”と島が言った瞬間次郎と呼ばれた子は島に飛びついた。島は飛びついた子供をそのまま高く抱き上げると

  「次郎!兄ちゃんは約束を守ったぞ!」

そう言って抱きしめて古代の方を見てこう言った

  「古代、悪いな。」

それでも島の顔は悪い、という顔をしていない。

  「いいや、俺は先に兄さんに会ってるからな。全然平気さ」

古代は地球を出発するときパレードで島に冷たく当たったのを思い出した。

  「…島、俺こそ大人げないことしたと思ってる。」

そう改まって言われた島は心当たりがなく

  「?…何のことだ?」

そう尋ねると
 
  「地球を出発する時お前に浮かれるなって言っちまったよな。本当に悪い事をしたと思う」

古代がそう言って頭を下げると次郎を抱えたままの島は

  「なぁんだ、そんなことか!もう忘れてたよ。ハハハ…」

そう言って笑った。その時次郎が島に

  「兄ちゃん、この人?」

古代は島の家には何度か出入りしてるが通い始めたころはまだ幼児で今は小学生になった頃だろうか?余り古代の記憶がないらしい

  「次郎、忘れちゃったか?古代進だよ。兄ちゃんが家に帰る時一緒に泊まりに来てた人。」

島が次郎を“重たくなったな”と言いながら降ろすと島の両親がそろってやってきた

  「大介…お帰り…」

母は涙をハンカチで拭きながら近寄ってきて父はそんな母の肩を抱きそっと目のあたりを拭った

  「…ただいま…帰りました。」

島は母に抱かれその上から父がかぶさる。古代にとってうらやましい瞬間だった。

  「大介…大介…」
  「かあさん…もう、大丈夫だから…」
  「大介…ありがとう…お疲れさまだったな。」

父の言葉に島は言葉にならずただ泣くだけだった。

その時ウワーっとひときわ大きな鳴き声が聞こえてきて誰かと思ったら相原で母親が老体に無理して出迎えに来ていたのに感激して泣き出してしまっていた。

その横で太田が家族と泣きながら握手をして笑っている。

少し離れたところで南部が両親に両肩を抱かれ挨拶していた

  (…そうだよな、家族がいるんだよな。)

  「大介、今日は家に戻るんでしょ?御馳走用意して待ってたのよ?」

島の母が涙を拭きながら嬉しそうに言うと島が古代に視線を変えて

  「あぁ、母さん、コイツ古代。何度か泊まりに来てたから覚えてるだろう?」

突然島が古代を母に紹介した。

  「あぁ、古代さん、お怪我はない?本当、よく頑張ったわね。大介は迷惑かけなかったかし
   ら?ほらこう見えても結構短気でしょう?古代さんも一緒にいらして?次郎、たくさん人が
   いた方が楽しいわよね!」
  「そうだ、古代くん家に来なさい。」

古代は遠慮しようと思い一歩下がったが

  「古代兄ちゃんも来るの?うわぁい!うれしいな!」

次郎が古代の足もとでじゃれる。結局古代は断れなくてそのままお邪魔する事になった

その場から移動しながら古代はユキの姿がないかキョロキョロしていたが古代の右手に次郎、左手に荷物を引いてる状態だったので後ろ髪引かれる思いでドッグを後にした
作品名:宇宙戦艦ヤマトのその後 2 作家名:kei