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宇宙戦艦ヤマトのその後 2

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ユキはヤマトがドックに戻ってきたのを病院のベッドの上でニュースで知った。

後遺症はなかったが一週間の自宅養療の間にすっかり体重が落ち貧血がひどく自宅で倒れ救急車で中央病院に運ばれていた。倒れた時打ちどころが悪かったようで肘にひびが入ってしまった。

  「…お迎えに行けなくてごめんなさい…」

ユキはカーテンで仕切られた部屋で一人涙を流していた。普通なら入院するほどの事ではないはずだが心肺停止状態後の後遺症で倒れたのではないかという事も含めさらに詳しい検査を、ということになり入院させられてしまったのだった。

  「何もなければ自宅養療が明けてちゃんとお迎えに行けたのに…ママのばか…」

涙を拭きながらテレビを消してひとり呟いていると

  「ユキ、入るよ?」

懐かしい声が聞こえてきた

  「…真田さん!佐渡先生!」
 
ユキはうれしくなって涙の痕を隠すように拭きながら笑顔で

  「…お疲れ様でした。最後の任務に同行できなくてすみませんでした。」

吊った左手が痛々しいがユキはにっこり笑って二人に椅子をすすめた

  「ユキ、どうしたんじゃ?」

佐渡が心配そうに聞くと

  「異常なしって聞いてたからびっくりしたぞ?」

真田が続く。さすがに母のせいで体調を壊したとは言えずしどろもどろになってると真田が勘違いして

  「古代も連れてこようと思ったがすでに島に連れられて実家に行っちまって…捕まえる事
   ができなかった。俺で残念だっただろう?まさか古代に会えなくて体調壊した、なんて
   言うんじゃないだろうな?」

ほんの一週間なのにとても懐かしい声を聞いてるようでユキは自然と涙が出てきた

  「ユキ、どうした?なんで泣くんだ?」

真田の優しい声がユキの涙を増やす

  「さっき下でカルテ見て来たがのぉ…確かに入院するほどじゃないんじゃがこれが普通の
   民間人だったらすぐ帰ってもらうんじゃろうがヤマトの乗組員じゃし心肺停止状態が長かっ
   たからのぉ…もうしばらく辛抱するんじゃな。」

佐渡はユキに言い聞かせるように言うとユキは首を振って

  「ここ…出られるようになったら真田さんのところにしばらく置いてもらえませんか?」

ユキの意外な一言に

  「どうした?何かあったのか?」

真田がユキの頭をなでて“ん?”と聞くと

  「家にいても…全然休まらないんです。全然そっとしておいてくれなくて…入れ替わり立ち
   替わり近所の人がきて…笑わないで下さいね、母も…写真ばっかり持ってきて…」

ユキの声が小さくなる

  「…俺のところじゃもっとゆっくりできないと思うぞ?」

真田が笑いながら言うと

  「私いま中央病院の看護師じゃないから寮に入れないんですって。でも正規の軍職員じゃ
   ないから軍の寮にも入れないんです。行くところがなくて…」

真田はそう聞くとちょっと困った様子を見せてこう聞いた

  「でもな、ユキ。俺のところに来るということはそれなりの噂が立つ、ということだぞ?」

真田はちょっと考えるようにしばらく無言になって“ちょっと待ってろ”と言って席を外した

  



作品名:宇宙戦艦ヤマトのその後 2 作家名:kei