宇宙戦艦ヤマトのその後 3
ユキは人の気配を感じた。てっきり元同僚の看護師だと思って振り返るとそこには古代が立っていた。
「ただいま」
古代が自分に向ってただいまって言ってるのにその姿が涙で全く見えなくなりその懐かしい声に引かれるように古代の胸に自分の体を預けていた。何て言ったらいいのかわからなかったのと自分でも驚いたが自然にその行動に出ていた
古代が帰った後どれぐらいの時間が過ぎたかずっとぼんやりしていたようで看護師が検温と血圧の検査に来た。もちろん彼女は元同僚である
「ユキ、気分はどう?随分安定したみたいね。腕、痛みは?」
「…うん…大丈夫…」
ぼーっとしてるユキの様子がおかしいと思い
「おかしいわねぇ…熱もないのに(額に手を当てた後体温計を見て)やっぱり熱ないわね。
今朝の貧血の検査もうすぐ出るから…また後で来るわね。余り体調悪いようだったら
お見舞い断ったら?」
「…大丈夫。何ともないから…」
歯切れのいいユキらしくない心ここにあらず、という感じの受け答えに違和感を感じ看護師はナーススーテーションに戻るとすぐ医師のを呼んだ。(佐渡はずっと泊まっていたが長官に部屋をあてがわれ少し休むよう今朝から休暇を与えられていた。)
しばらくするとナースステーションに色白で薄いピンクのワイシャツを着て白衣を着た背の高い若い男性の医師がやってきた。
「呼んだかい?」
看護師はユキの先程の容体を話す。まさか面会時間以外に古代がきてぼーっとするような(ユキにとって)事件が起こったがためにそんな状態になってるとは誰も知らない
「そうか、ちょっと心配だね。さっき貧血の検査の結果が出て余り点滴の効果が出てないん
だよね。ちょっと私が様子を見てこようか」
そう言って看護師が同行しましょうか、という言葉に“いいよ、一人で”といってユキの病室へ向かって行ってしまった
作品名:宇宙戦艦ヤマトのその後 3 作家名:kei