宇宙戦艦ヤマトのその後 4
翌朝ユキは気持ちよく起きる事が出来た。久しぶりに熟睡できたかもしれない。
あれからユキはホテルの部屋で4人で話しながら食事をして休むことにした。古代は寮に戻り
島と南部はホテルに泊まった
ユキは母に退院して(本当はホテルにいるが)寮に入ったら心配しないでほしいということを伝えやっと自由になれたと思っていたが私服がなかったため外に出るにも出られずしばらく缶詰状態を余儀なくされた(パジャマ一枚で出てきてしまったため)
古代は残りの仕事を二日で終わらせてやっと一か月休暇を取る事が出来た
古代が一か月休暇を取った初日ユキと二人で小型艇に乗り地上へ向かった。地球防衛軍の許可のあるもの以外はまだ地上に出る事は許されていなかったが古代は長官にお願いしてヤマトが地球に戻れた最大の功績者が青い空を見ていない、と言ってユキを地上に連れて来たのだった
まだ100%OKの状態ではなかったので小型艇の中からの視察、ならいいと了解を得てユキは忘れかけていた青い空を見る事が出来た。古代はトウキョウシティの真上辺りに小型艇を着陸させた
「すごい…地球がまた息をし始めたのね…」
「そうだね…スターシァさんとサーシァさんのおかげだね。」
ユキが満足そうにうなずくと古代は心の中で(ユキがいなかったら地球は救われなかったかもしれないんだ)と言った。
「兄さんは幸せかな…」
不意に古代が言った。ユキは思わず
「寂しい?」
と聞いたが古代は
「全然!」
と即答した。不思議そうにしてるユキに
「俺にはユキがいる、みんなもいる。静かにそっとしておいてくれない連中ばかりだろう?」
そう笑いながらユキの手を包んだ
「そうね。みんなおせっかいだからね。」
「ここでゆっくり地上を見てるのも誰かしらチェックしてそうだな。」
「今みんな休暇中でしょ?まさかぁ!」
ユキはそう言って笑ったがすぐ真顔になって
「やりかねないだろう?」
古代の一言にユキはしっかりうなずいた
「早く地上に降りて芝生の上を裸足で歩きたいわ。」
「緑再生プロジェクトが成功したらすぐ地上に降りられるよ。滅びゆく星のイスカンダルの
科学が地球の未来にみどりをもたらす、なんてスターシアさんも思わなかったかもしれ
ないな。」
「古代くん…」
「…辞めたりなんかしないよ。帰る途中この航海が終わったら防衛軍に籍を残しながら大学
へ行ってイスカンダルから持ち帰った植物や地上で生育する植物の研究とかしたいって
思ったけど…今はここを守りたいって、思ってる。」
ユキは古代が学びたいことがたくさんあると言っていたのを思い出し軍を辞めて違う道へ向かうかと思っていたのだった
「ヤマト農園でも古代くん大活躍だったから…そっち方面の方が楽しそうだったし…」
言葉と裏腹にちょっと寂しそうに話すユキを不思議に思い“ん?そう?”と聞き返すと
「綾ちゃんとか…優さんとか…女性の担当者は結構…誤解してた…」
ユキが言いにくそうに話すとちょっと古代も心当たりがあったらしく
「ヤマト農園の責任者か!俺がよく出入りしてたから…あれ?ユキもそう思ってた一人?
俺全然そんな誤解されるような事してないけど…なんかあった?」
古代にしてみたらユキしか見えていないので他は畑のカボチャやトマトと一緒なのだ
「ユキだって畑は来てただろう?一緒にトマト植えたじゃないか。そうだ、隅っこに花、
植えたりしたし…」
ユキは(本当に鈍感なんだなぁ)と思いながら
「…もういいです、その話は!」
そう言うと繋いでいた手を離した
「古代くん、そろそろ帰ろうか。お腹空いちゃった。」
と、言ってサブシートに座り
「古代パイロットお願いします」
と言ってサングラスをかけた
作品名:宇宙戦艦ヤマトのその後 4 作家名:kei