宇宙戦艦ヤマトのその後 4
ユキは真田が忙しくなってきたのが分かっていたのでこれ以上迷惑をかけてはいけないと思い翌日から中央病院へ行く手配をしてもらった。
真田に言われたとおり佐渡は佐渡でユキも最初は戸惑っていたが一緒に行動してるうちに佐渡のすごさが分かってきててきぱきと助手をするようになっていた。佐渡は自分の研究室を持っていたので普通の病棟との行き来も少なく同じ病院にいるのに岡本に会う機会も全くなかった
ユキは新しい戦艦に乗り込む事が決まっていたが生活班のチーフとして推薦されていてユキは“チーフはちょっと…”と言っていたが真田が“自分も乗るから”と説得してチーフも了承させた
ユキは自分の周りが目まぐるしく変わっていった。岡本の事を考える余地もないほど忙しく動き回っていた。
後2日で中央病院での勤務が終わる、という時いつも佐渡と一緒に食事をとるが珍しく佐渡が出かけるとのことだったのでユキは一人で食堂のすみで昼食を食べていた。5時になったら今日は帰っていいと言われていたのでゆっくり食事を取ろうとやってきたのだった。昼食と言ってもすでに午後4時を過ぎていて食堂は閑散としていた。それなのに自分の横に座ろうとしてる人の気配を感じて顔を向けるとそこに岡本がまるで壁のように立っていた。岡本はユキの顔を見ながら座ると無言で壁側に追い詰めるように密着して座った
「…何か御用ですか…」
ユキは顔をそむけながらそう言うと岡本は右手でユキのあごをもち自分に向けながら
「本当に行くのか?死ぬだけだぞ?それとも俺を見捨ててどこかに旅立とうと言うのか?」
岡本の顔は他の人に向けられるいつものさわやかな顔とは雲泥の差で憎しみのこもった顔でユキの事を見ていた。
「あの日の事、忘れたわけじゃないだろう?お前の胸は柔らかかった。右の胸のホクロ、
俺しか知らないだろう?」
ユキははっとして岡本の顔を見た瞬間岡本はユキの唇を自分の唇で塞いで左手でユキの腰を抱き右手でユキの太ももをぐっと抑えた。ユキはあまりの痛さ自分の唇を噛んでしまった。岡本にもユキの血の味がわかった
「よく覚えておけ、お前は俺のものだ。誰にも渡さない!俺はお前を探して必ず俺のものに
する。いいか、分かったな!」
そう言うとユキの体を壁に投げつけるように突き飛ばすと何もなかったかのように食堂を出て行った
作品名:宇宙戦艦ヤマトのその後 4 作家名:kei