宇宙戦艦ヤマトのその後 4
真田はユキが眠ったのを見計らって隣の実験室から中央病院に電話をした。ユキが言っていた岡本、という人物が気になっていた
「私は地球防衛軍科学局の真田と申します。責任者の方お願いします」
そう言うと今日の当直で一番偉い先生が電話に出た。40代半ばくらいの医師がでて藤田、と名乗った
「本日森雪が泊まりだったはずですが急用を思い出し休憩を取ってる彼女と連絡を取り
先ほど連れて帰りました。こちらの都合で申し訳ないですが了解頂こうと思い連絡しま
した。」
<そうですか。真田さんが直接いらしたのですか?>
「はい、しばらく訓練に集中させたいと思いまして二週間ほど休ませますがいいですか?」
<…現場と相談しないとなんとも言えませんが…そんな急に新しい任務か何かですか?>
「えぇ…新しい戦艦の部署の仕事を覚えてもらいたくて…。」
この時すでに方舟計画が水面下で始まっていた。古いレーダーだったのでできれば余りその類に経験のない人間を置きたかったのでユキだったら出来るだろうと真田は思い推薦していた
<…そうですか。軍の意向とあればこちらも軍属の病院…うなずくしかないでしょう。>
そういってしぶしぶながら納得させた。
「…この電話岡本と言う人につながりますか?」
真田がそう聞くと
<インターンの岡本くんですか?…休憩時間中ではなさそうですね。しばらくお待ちいただけ
ますか?本人と連絡取ってみます>
しばらく保留音が流れると
<岡本です>
と若い先ほど唸っていた男性とはずいぶん違ったさわやかな顔と声が聞こえて来た
「どうも、先ほどは効いたかな?」
この一言に岡本の顔色が変わった
<あ…>
真田は岡本の顔を見ながら
「私が森くんの保護者だ。よく覚えておきなさい。」
それだけを言うと真田から電話を切った。
ユキはそれから二週間はずっと真田に付いてレーダーや分析の仕事に没頭した。しかし真田には大きな試練がやってきて親友の古代守が戦死したと報告が来た。それと同時に救いの手も差し伸べられ古代進と島大介が持ち帰ったカプセルで新たに作ろうとしていた戦艦に新しいエンジンが取り付けられる事となりその設計と取り付けと大忙しになった。
真田はユキにもう教える事がなくなり心配ながらも中央病院に戻すことにした。
もちろんユキは嫌がったが
「中央病院に佐渡先生という名医が最近戻ってきたそうだ。ちょっと変わった人でね…今
設計してる戦艦の軍医をしてもらう予定なんだ。森くんはその佐渡先生直属の看護士と
して働いてもらいたい。病院勤務と言っても夜勤はなしにしてもらうから大丈夫だ。
何も心配しなくていい。何かあったらすぐ連絡しなさい。…俺は森くんの保護者だから。
それと…佐渡先生はかなり変わり者だから会ってびっくりしないように。悪い人じゃない
から大丈夫。俺が保障する。」
作品名:宇宙戦艦ヤマトのその後 4 作家名:kei