宇宙戦艦ヤマトのその後 5
過去2
「誤解かあ…」
地下都市に戻った古代はとりあえずユキと食事に行こう思いショッピングモールの中にある小さなレストランに入った。ユキは食事を注文すると“ちょっと…”と言って店の外の洗面所へ行った
「あ…艦長代理じゃないですか?」
不意に後ろから声をかけられた。聞き覚えのある声で先程“綾ちゃん”と呼ばれていた生活班の綾 めぐみ だった。
「やっぱり、こんにちは。お久しぶりです。お元気ですか?…ちょうど久しぶりにみんなで
会ってたんですよ。遠くに艦長代理が見えて…お一人ですか?よかったら…」
そう言って離れたところにいる元生活班の女性チームに手を振るとわらわらと3人ほど古代の席へやってきた。
「やっぱり艦長代理だったわ。」
そう言うとみんな揃って“お疲れ様です”と言って小さなレストランはちょっとざわざわし始めてしまった。さすがにこの状態でユキが戻って来たら大変なことになると思って何とか帰ってもらおうと古代の頭の中はフル稼働したがいい案が思い浮かばない。
そんなことと露知らず洗面所から戻ってきたユキが目撃したのは元生活班にキャーキャー囲まれてる古代の姿だった。ヤマトの中では厳しい面が先行していたのでファンは多かったが表だって騒ぐことはなかった。しかしここはヤマトの外。ましてあの古代が素で目の前にいるのだ。
とりあえずレストランの中だから、静かに。と言って静かにさせた時綾めぐみが
「艦長代理ひょっとしてどなたかと待ち合わせですか?」
とかなり真剣な面持ちで聞いてきたがその横から別の女性が
「まさかねぇ~でも艦長代理もお茶するんですね!私も何か頂こうかな?」
そう言ってユキが座っていたところに座ってしまった。古代があ、と言った時はすでに時遅くじゃぁ、と言いながら綾めぐみともう一人も座ってしまいユキの席がなくなってしまった。古代はこれじゃまずい、と思い席を立ちあがるとカウンターへ行き
「すみません、これで支払いますのであの席に座ってる人たちに食べさせてやって下さい」
と言って支払いを済ませてしまうと店を出て行ってしまった
作品名:宇宙戦艦ヤマトのその後 5 作家名:kei