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宇宙戦艦ヤマトのその後 6

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未来へ




  「ふぅ…」

古代達は南部の父がナゴヤシティーで営業してるホテルの一室に着いた。その部屋はコンドミニアムで部屋が3つあった

  「古代、いいのか?ユキ入院させなくて」

島が聞くと

  「薬の成分は分かったし何かを混ぜてるわけじゃないから大丈夫だろうって言われたから
   それを信じて…」

古代はユキをベッドにそっと寝かせると布団をかけてやった

  「ご両親がちょっと気の毒でしたね」

泣きながらクルーに頭を下げている両親の姿を思い出していた

  「そうだけど…仕方ないな。やっぱりさ、どんなに頭がよくてもダメだってことだな。」

太田がソファーに座ってみんなにお茶を淹れながらつぶやく

  「岡本って医者でしょう?頭がよくても…ねぇ…人の痛みがわかるヤツじゃないと…。さぁ
   お茶入りましたよ。」

太田がテーブルにお茶を並べるとみんなそれぞれ座って“うまい”と言った

  「でもユキさんとんでもないやつに惚れられちゃいましたね。」

相原が言うと

  「そう言えば相原、モールス信号、なんてユキに言ったんだ?」

島が聞いた

  「「き・た・よ」ですよ。“助けに来たよ”の‘きたよ’。」

相原がそう答えると

  「もっと気の利いたセリフにすればよかったのに」

島が突っ込む

  「今ならいろいろ考えられますけどね、あの時はとりあえずユキさんであることを確認しな
   いとダメでしたから…一番早く確認できる一番短い言葉で送ったんです。」

みんな“なるほど~”とうなずき合っている

  「で、ユキさんの返事は?」

太田が前かがみで聞くと

  「それがねぇ残念なことに「こ・だ」で切れちゃったんです。多分古代くん、ってたたきたかっ
   たんだと思いますが意識が続かなかったんでしょうね、そこで切れちゃったんです。」

みんなが古代の方を振り返ると古代は耳まで真っ赤になっていた

  「な…なんだよ!」

そう言って立ち上がった古代だったがふと表情を緩めて

  「…みんなありがとう。おかげでユキも無事で…トウキョウシティーに戻るのはもう少し時間
   がかかりそうだけど…本当に助かった。ありがとう。」

そう改めてお礼を言った

  「ばーか、お前のためじゃないよ」

しれ~っと島が言う

  「そうですよ、あくまでも私はユキさんの為に行動したまでですから。」

“太田、お代わり”と湯呑を太田に差しだして南部が言う

  「南部、せっかくナゴヤまで来たからさぁなんかおいしいもの食べたいよなぁ!それにして
   も南部さぁカッコ悪いから準優勝の事言うなよ~次の年は絶対優勝してやるって思った
   のに経費削減のためってその大会なくなっちゃったんだから…」

茶っ葉を変えながら太田が言う姿を見て真田は笑っていた

ユキの意識はまだ戻らないが戻ったら警察の事情聴取などで忙しくトウキョウに戻るのはもう少し先になりそうだ。古代は立ち上がったままユキのベッドまで行くと手を握りその温かさとトクトクと打つ脈を感じてほっとしてベッドの横に座った。

眠ってるユキを見ると生きてる事を確認しないと怖くなってしまうのだ





作品名:宇宙戦艦ヤマトのその後 6 作家名:kei