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最近、妻が冷たいの2

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最後まで作戦内容を聞いた黒子は、やはり先ほど帰ってしまうべきだったと後悔した。どうやら簡単に言ってしまうと、高尾と黒子で不倫ごっこをし、緑間の反応をうかがうといったものだった。
本当に愛してくれているのなら、きっと嫉妬してくれるだろうし問いただしてくるだろう。そうなれば後でネタバレをし、二人は晴れて倦怠期を抜けられる、と。
ただし、なにも反応を示してくれなかったら…
それはもう仕方がない、と高尾は言う。目が本気だ。

はっきり言って、緑間はもともとそういったことに疎い上に鈍感なので不倫してることすら気づかないのでは…?とも思ったのだが、それはいざという時に伝えればいいかと思い、作戦内容にただ頷く。

「頼む、黒子しかいないんだわ」

目の前で目をぎゅっと瞑って手を合わせる高尾。

「黄瀬とか青峰とか、他にも可愛い女の子にも頼もうとしたが上手く伝えられなかったんだ、黒子しか居ない。頼む。」

必死に懇願してくる高尾を見て、緑間君は本当にいい方に出会えましたね、と胸中で呟く。ここまで、彼を大切にしてくれる人はきっとそうそういないだろう。
未だ手を合わせたままの彼を見て、黒子は決めた。


最初にも言ったが、僕はめんどくさいことは進んでやりたがらない性分だ。ただし、自分にとってメリットがあったり、必要だと感じたことはしっかりと向き合うし、やることはやる。もう一度言っておくが、僕は自分に障害しかもたらさない面倒なことに首を突っ込もうなんてことは考えない。

だが、今回の話は、僕にとっても彼らの未来にとっても重大なことで、必要性のある面倒ごとだ。

「…仕方がないですね」

そう言った瞬間、高尾は目をパッと開いて、いいのか?と聞いた。
黒子は残り少ないシェイクをズッと啜り、もちろんです、と答える。

「僕にとって仲の良い友人二人の未来がかかっているのでしょう?助けないでどうするんですか。」
「…っ! あー、マジ黒子って男前だわw」

安堵したような顔でふにゃりと笑った高尾は、ありがとなと呟いた。
手にしていたアイスコーヒーのコップをくしゃりと潰して、そんじゃ早速作戦会議な!と言う高尾には、惚気ていたときの元気が戻り始めていた。

たまにはいいですね、友人の心からの笑顔を見るのも。
そう思いながら、黒子は残り少なかったシェイクをすべて飲み干し、作戦会議を始めた。




* *




「なかなか、素直になれない。
好きだという気持ちを伝えられない。
毎日が幸せすぎて、終わりがありそうで怖い。

…どうしたらいいのだよ。」

「…とりあえず、話してみろよ。聞いてやっからさ。」



毎度毎度、コイツもある意味大変だなと思いながら、今日も火神は緑間からの長電話の相手をしてやるのだった。