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最近、妻が冷たいの4

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【最近、妻が冷たいの4】








どうもこんばんは、皆のアイドルこと黒子テツヤです。僕は今、家にとある男性を招いています。えっ?一人暮らしの黒子君が家に招く男性なんて火神君しかいないって?ですよね!僕も同じこと思ってましたよ!!アナタとは気があいます。そうです、今僕の部屋に居る男性は火神君じゃありませんでした!残念!僕も火神君をこの部屋で食べたかったです!きっと初々しい反応をしてくれるんでしょうね。「やめっ…くろこぉ///」みたいな。あ、これはマズいですよ。完全に今ので僕の影がバニラシェイク(意味深)を装填しました。あーこれは火神君に抑えてもらうほか無いですよねー!じゃあもう今から火神家に『突撃☆僕っ子影のご奉仕』をしに行きま「なー黒子、さっきから何にやにやしてんの?」

ここで僕の妄想こと、火神君賞賛会は幕を閉じた。別名現実逃避とも言う。
そうです、今僕の部屋でソファに腰掛けているのは愛する火神君でも僕自身でもなく、高尾和成です。一人暮らしの僕の部屋にはソファが二つあります。何故かって?そんなの火神君専用に決まってるじゃあないですか。だから正直言うとそこに座るんじゃない高尾和成。君の席はあそこだ、フローリングの冷たい床だ。さぁそこに sit down。

「いえ、なんでもないです。お茶でも飲みますか?」

内心の言葉をぶちまけることもなく、黒子は高尾に茶をすすめた。高尾はあーじゃあ頼むわーとかなんとか言いながら携帯をいじりだす。

何故僕がこんなに内心でこの高尾…いやバカ尾君を家に招き茶を淹れているのかというと。
…まぁ長々と話すのは面倒なので簡単に言おう。
今僕は友人の緑間君の旦那である高尾と不倫をしている。
これだけ聞くとまるで僕が高尾をとったみたいになってなんだか悪役のようになるのでちゃんと補足を付けておく。正確には、『高尾に頼まれて』不倫をしているのだ。冒頭の言葉で分かると思うが、僕のマイスウィートハニーは火神君だ。よってこのコミュ力高尾との不倫は僕の意志によるものではないことだけは分かって頂きたい。
数年の恋人期間を経て漸く結婚に漕ぎついた高尾と緑間は新婚ホヤホヤの3カ月目にして早くも離婚しそうだったので助けてくれと縋ってきた高尾君の手伝いをしてやると言ったら不倫を頼まれました。
僕の今の状況はこれだ。
確かに手助けするとは言った。が、まさかこんなことになるとは。まぁいいんですけど。緑間君と火神君は仲良いですし。僕も緑間君とは結構話しが合いますし(嫌いではなく苦手同士なので)。

悶々と考えながら淹れたお茶を、携帯とにらめっこする高尾の前に置く。
どうやら緑間へ送るメールを考えているようだ。

「んー…いや、…でも…。」
「高尾君、何にそんな迷っているんですか?」

思わず口を挟んだ。ただ「今日は黒子の家に泊まるね!」とだけ打てばいいのに。やはり最後の良心というか、嘘をついているという行動が後ろめたさに繋がっているようで、高尾は中々緑間へとメールを送らない。誰だ、こいつをコミュ力高尾とか言った奴は。僕だ。

「んん…なんて言えば誤解を最小限に…ぐぐぐ…」
「あの、高尾君?君は今から僕と不倫するんですよね?誤解も何も無くないですか?」
「いや…でも真ちゃんを傷つけたくないっしょ。文面だけでも優しくしてぇし…」

不倫の時点で心臓に優しくねぇよ…とは流石に言えず、僕は適当にへーとかあーとか言ってみる。なんだこいつ、じゃあ普通に本人に「俺のこと好き?」って聞けばいいでしょう。
僕なんて毎日の如く火神君に「愛してます」って送ってますよ。縦読みで。「あの、(改行)いきなりで申(改行)し訳ないのですが、論文の(改行)テーマを何にするか(改行)まよってるんです。アイディアお願いしま(改行)す、火神君♥」みたいな。血の滲む努力してるんですよ僕は。
それに比べてこやつは何だ。コミュ力低尾ですよ。緑間君限定コミュ力低尾ですよ全く。…あぁもう見ててモダモダしますね。メールなんて簡潔なのがいいんですよ!!

我慢ならなくなった黒子は、未だメールを打っては消してを繰り返す高尾から携帯を取り上げる。あっというような顔をする高尾を放置して、「今夜は黒子の家に泊まるね><ごめん真ちゃん!夕飯は大丈夫だょ☆」と打ち込み勝手に送信した。
してやったり顔をして、高尾に携帯を投げ返すと「うわああああ!!?!くろっくろこ!?うおあああ!?」とか変な奇声をあげる。近所迷惑です、口を縫いますよ高尾君。

「君がうだうだしてるのがいけないんです。あとで仲直りしたら僕が打ったと言えばいいでしょう。黙りなさい」
「でもおま、ってか俺こんな文章じゃねぇよ!」
「どうせ『ぉれゎ』とか(b*ゝvƠ)みたいな顔文字使ってるんでしょう?知ってるのでいいですよ嘘は」
「ちっげぇよ!!なんだそのお前の中の俺!」

ぎゃあぎゃあ騒ぐ高尾に素早くイグナイトをかます。高校の時より少し衰えたそれは、しかし高尾を黙らせるのには効果的だったらしく「うぐぅ」みたいなくぐもった声を出してそのままソファに倒れ込む。ざまぁみろです。

はぁ、と一つため息をつき、高尾を一瞥してから窓の外を見る。
当たり前だがもう外は黒を塗りつぶしたような暗さで。星はいつの間にか厚い雲に隠されて見えなくなってた。…こんな夜を、たった一人で過ごす緑間は一体何を考えているのだろうか。彼は、本当に高尾のことが嫌いになってしまったのだろうか。
そっと「こんな高尾君と付き合えるのも君だけなんですよ、緑間君」と小さく呟く。それを聞いているのか聞いていないのか、高尾は腹を抱えたままソファから動かない。












「おれはなぁ!いつもあいつのことを考えてやっているのだよぉ!それを…まさかおれの友人と、こんなときに内緒であうなんておかしなはなしだとおもわないか火神ぃ!!」

やってられないのだよ、と呂律が危うくなり始めた緑間は頬を紅潮させながら喚く。
…同時刻の緑間家では火神が頭を抱えている最中であった。

元より酒が言うほど強くない緑間は、どんな時でも己に「酒は2杯まで」と決めている。そうすることで、歩けなくなることを抑えたり変なことを口走らないように律しているらしいのだが…今日ばかりは違った。過去に数度酒を共にしている火神は友人の出来上がりように困惑する。

「緑間…お前、一体何があったんだよ」
「もーしらないのだよ!あんなやつは路上でぜんらになって全力しっそうしてればいいのだよ!」
「カオスだなおい」

はぁ、とため息をつく。話が進められないなどというレベルではない。
先程、数時間前に分かれたときの緑間は足取りが軽く、憑き物がとれたかのような雰囲気だった。そんな背中を見送って「漸くアイツは高尾と仲直り出来そうだ、よかったよかった」なんて思っていたのに。一体何が彼をこうさせたのか。
原因は恐らく一人しかいない。…そう、高尾だ。

「おい火神!おまえだけのまないのなんておかしいのだよ!のめ!そしてあいつのことなんてわすれさせるのだよ!あいつなんかしらん!おまえとなら寝れる気がしてきたのだよ!!」
「…それ、あとで高尾に言うなよ。ぜってぇ殺されるから」