yamato… 古代とユキ 1
アイドル
<地球全土の放射能の洗浄がほぼ完成しオゾン層の形成も以前と同じように創られ
地上へ戻る準備が始まっています。地上は建設ラッシュで政府機関、それに準ずる
各省庁、政府付属の病院、地球防衛軍庁などが真っ先に着手されました。
それと市民のたっての希望により宇宙戦艦ヤマトの功績をたたえ艦長をはじめ
残念ながら戦いに散って行った戦士の弔いも兼ねて英雄の丘が同時進行で工事が
進められています。ここは将来市民の憩いの場になることでしょう。>
テレビではニュースキャスターが意気揚々と地下都市に暮らす市民に希望を与えようと
今地上の様子を伝えている。地上にまだ他の生命は無いものの雨が降ったりして以前と
同じように生活できる水準まで戻ってきていた。
<イスカンダルで学んだ科学力を応用し地球市民が地上に戻る頃には少しばかりの
緑も再生してるという事です。>
進は防衛軍の食堂を出た
ヤマトもドッグ入りしてヤマトの乗組員も新しい任務を与えられすでに月基地へ赴任した
者もいる。進は護衛艦の任務に就く予定だったがまだ衛る艦がなく毎日防衛軍の司令
部に出勤し無駄な時間を過ごしているだけだった。
進があてもなく廊下を歩いていると後ろから肩をたたかれた
「島!」
「よぉ、暇そうだな」
島は嬉しそうに軽く進の腹にジャブを入れた
「暇だよ、お前は?」
進がジャブを返しながら島に聞くと
「あぁやっと辞令が出たよ。来週から輸送船団のパイロットだ。そろそろ護衛艦の仕事
もくるんじゃないのか?」(島)
「あぁそうだな、お前に仕事が来たって事はそうなのかもしれないな。」(進)
「ところで…ユキはどうしてる?」(島)
「うん、元気で頑張ってるよ。覚える事がたくさんあって大変らしい。長官の第一秘書
なだけに重要人物と逢う事も多くて…よほどヤマトのオペレーションの方が楽だって
言ってたよ。」
進はそう言って笑おうとしたが
「やっぱりなかなか会えないんだな。」
島の一言に進がハッと顔をあげると
「あれだけ大騒ぎされたらなかなか会えないよな。」
島がしみじみ言った。
作品名:yamato… 古代とユキ 1 作家名:kei