yamato… 古代とユキ 1
ヤマトの乗組員はいつの間にかアイドル的存在となり軍的には伏せていた乗組員の
プライベートを撮影してテレビや雑誌でもてはやされるようになっていた。
特に第一艦橋のメンバーは各部署の責任者と言う事で一度記者会見を行っている。(ユキは欠席だったが)
そのため特に仕事中のワンシーンを撮られたりプライベートを撮られたりで大変な日々を
送っていた。
「遊星爆弾が落ちてくる前のアイドルみたいなもんだからな」
二人の後ろから声がした
「「真田さん」」
二人が振り返ると真田がコーヒー片手に立っていた
「食堂から出てきたらお前たちが見えてな…時間があるなら俺のラボにくるか?」
進と島はうなずくと真田の後ろに付いて行った
「適当に座ってくれ」
真田のラボは案外片付いていた。二人はソファーに腰掛けると
「忙しいヤマは越えたんですか?」
と島が聞いた
「あぁ、もう俺なしでも各部署が動いてくれるようになったからな、一段落、と言ったとこ
ろかな。今は検査の結果や地中のバクテリアの有無の連絡を受けるくらいさ。
でもやっとだな…」
そう言って真田は大きな伸びをした
「真田さん、辞令が出て輸送船団のパイロットになります。」
島がそう言うと
「そうか…最近出来たヤツだろうな。一気に3台造ったやつのひとつだろう。ヤマトより
操縦しやすいと思うぞ。」
そう言って真田はニヤっと笑ったので
「…と言う事は設計に真田さんが絡んでるんですね?」
島がそう聞くと真田は“そうだ”と言って笑った
「古代、昨日ユキに会ったぞ…会ったと言っても長官に呼ばれて行っただけなんだが
な。少し痩せたっぽかったけど充実してる、って顔だったな。…ユキが忙がしすぎて
なかなか会えないだろう?」
真田はそう言うと少し冷めたコーヒーを飲んだ
「それもありますけど…」
進がしどろもどろになってると
「真田さんは余りここから出ないから知らないんですね。防衛軍出ると大変なんですよ
俺とこいつとゆっくり食事もできやしない…」
島が困り果ててそう言うと
「もしこいつとユキが一緒のところ撮られたりしたら1時間後にはすごいニュースになっ
て世界中駆け巡ってコンビニにお菓子も買いに行けない状態になりますよ。」
島の言葉を聞いて真田はびっくりした様子だった
「俺たち一般人なんですけどね…」
進はボソっとつぶやいた
作品名:yamato… 古代とユキ 1 作家名:kei