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yamato…  古代とユキ 1

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  「これがとうさんとかあさん」

進が寝室になるはずだった部屋のたんすの中から一枚の写真を持ってきてユキに見せた


  「初めまして…」

ユキが写真を前に頭を下げた

  「森雪と申します。古代くんと一緒にヤマトという戦艦に乗って一年間一緒に戦い
   ました。先日古代くんが結婚しようって言ってくれて…どうぞよろしく…おねがい
   いたします。」

ユキの言葉が進の心に入ってくる。

  (そうだ、ユキと一緒にこれから先ずっと生きていくんだ)

ユキは写真を壁に立てかけると両手を合わせた。進も一緒に手を合わせる

  (とうさん、かあさん、兄さんが生きていました。ひょっとしたらもう一生会えないかも
   しれないけど好きな人と一生を共にすると思う。ちょっとさみしいけど…)

二人は簡単に部屋の掃除をして玄関のカギを閉めた。

  「これ…」

進がユキに鍵をひとつ渡した

  「兄さんの荷物の中にあったここの鍵。ユキに持っていてほしいんだ。」

ユキがきょとんとした顔で進を見る

  「多分、俺…近いうち宇宙勤務が始まると思う。もしよければここでゆっくりしても
   いいし。」

進の顔が真っ赤になっている

  「…ありがとう…いいの?ご両親との大切なものがたくさんあるのに…」

ユキはそう言いながらも嬉しそうに鍵を受け取った

  「ユキだから…いいんだ。」

そう言って笑う進は年相応の青年だった

  「もう次の日になっちゃったね。遅くまで連れまわしてごめん。」

そっと廊下から下の様子を何気なく見ると街灯の下にあちこち上をみながらキョロキョロ
するヒトがいた

  「…ちょっとヤバそうなやつがいるみたいだな。一緒に出るとユキに迷惑になるかも
   しれないからリニアステーション直通のエントランスから出た方がいいな。
   ユキ、これ使ってタクシーで帰って。ステーションの反対の出口にタクシーいる
   はずだから」

進はそういうと自分のマネーカードをユキに差し出した

  「古代君、私…一緒に…」

  「ダメだよ、ユキ。ご両親にちゃんと了解もらうまでは絶対にマスコミにばれない
   ようにしたいんだ。マスコミにいろいろ書かれて傷つくのは俺たちだけじゃない
   ユキのご両親も傷つくんだ。だから俺たちがしっかりしないと…。大丈夫、きっ
   とユキのご両親もいつか理解してくれるよ。」

進はユキにマネーカードを握らせて

  「さあ、先に行って…」

そう言ってユキを送り出した。ユキは何度も降り返りながら階段を下りて行った
作品名:yamato…  古代とユキ 1 作家名:kei