yamato… 古代とユキ 3
二人はホテルに着く前にモールによって着替えを購入した。軍に出勤すれば
制服に着替えるから同じものを着ていても全く問題はないがだれがどこでチェック
してるか分からないのでやはり昨日と同じものを着て出勤はできない。
「先、部屋に行ってて。フロント行ってくるから」
進はユキのために用意された部屋がいつもの部屋だと聞いていたので先に
ユキを送り出した。何処でだれと会うかわからないのでホテルにいるところだけは
決して一緒のところを撮られるわけにはいかなかった
「ふぅ」
カードキーで部屋に入ると二人は大きなソファーに身を投げ出すように沈めた
「今まで以上に周りを見なくちゃいけないのはなんでだろう?」
進のつぶやきに思わず笑ってしまったユキはそっと立ち上がると
「ちょっとさっぱりしてくるわ。」
と言って買ったばかりの服を持ってシャワー室に入って行った
「まだ5時半か…出勤まで時間があるな。ユキがあがったら少し寝るか」
進とユキのシフトは12時から。仕事の内容によっては朝9時出勤もある
「真田じゃないのか?」
ニュースを見て大崎はつぶやいた。まだ軍の中で仕事中だったが世界中を
駆け巡ったこのニュースは軍の内部メールでも緊急速報という形で流れた
軍内部の人間が一気にざわめく。拍手するもの残念がるものといろいろだ。
「…ヤツは2週間後にヤマトで出港だ。しばらく帰らないって聞いてるから
女一人くらい…」
自然と握りこぶしに力が入る
「お、いたいた!」
大崎のところにひとりの男が近寄ってきた
「なんだよ、伊藤か。」
「なんだよ、とはなんだ。・・・それよりみたか?メール!お前随分前に森さん
みてけっこう熱上げてたよな?」(伊藤)
「あ?あぁ…森さんがイスカンダルに行く前から目をつけてたよ。中央病院で
一番きれいな看護師だったからな」(大崎)
「でも、勝ち目ないよな。うちにいた相原ってやつがイスカンダル行ったんだけ
どよ、聞くとメシ食えなくなるぐらいの衝撃うけるぜ?そんなやつらと1年も
一緒だったんだ、彼女もフツーの人じゃないだろう。・・・ってかお前みたいな
フツーのヤツじゃ物足りないと思うぜ?悪いことは言わない。さっさと諦めろ
あのクルー達は仲間以上に通じてる部分がある。お前が立候補したところ
でみじめな思いをするのがオチだ。」
伊藤はそう言うと大崎の隣の空いている席に座った
「あの二人の事は相原から少し聞いただけだが…お前の入る余地は全くない
ヘンな気起こすんじゃないぞ。お前は時々見境なくなるときがあるからな」
大崎は少し伊藤をにらんだ
「俺は全然怖くないぜ。それとあのクルーたちも。」(大崎)
「お前が何か起こしたら地球に残ってるヤマトのクルーを敵にまわすことになるぞ。
いいか?忠告したからな!マジでやめておけ。」(伊藤)
二人の間に張りつめた空気が見える
「まだ結婚したわけじゃない。俺にもまだチャンスはあるはずだ。」
大崎はそう言うと端末に送られてきたメールを削除した。伊藤はこれ以上何を
言っても無駄だと思い席を外した
作品名:yamato… 古代とユキ 3 作家名:kei