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yamato2  それから 1

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地球へ…


  「ヤマト…これより地球へ向かいます…」

力のない進の声が地球防衛軍のモニターから聞こえてきた。

  「古代…生きていてくれたのか…」

藤堂が涙をこらえて話しかけると

  「長官…地球到着時刻…不明…負傷者1名…重体です。ヤマトが到着次第
   中央病院へ搬送して頂きたいのですがお願いできますでしょうか」

進は声だけの通信にしていた。

  「わかった…古代、君も一緒に中央病院へ向かいなさい。ヤマトに残っている
   のはその負傷者と古代だけか?」(藤堂)
  「…いえ、森ユキがいます。」(進)
  「…ユキも一緒か…二人とも中央病院へ向かいなさい。佐渡くんが待っている
   から…自動操縦の機能は生きているか?」(藤堂)
  「…ちょっと無理のようです」

進が先ほどからいろいろ操作しているが反応がない。

  「わかった…こちらから操作しよう。オート機能は生きているか?」
  「はい、それは大丈夫でした。」

進が確認して答えると

  「よし…ではそのままで地球へ戻って来てくれ。待ってるからな」

藤堂がそういうと通信は切れた。



  「ユキ…島の容体はどうだ?」

進は地球からの自動操縦のプログラムを受診したのを確認すると操縦席で眠っている島の様子をユキに聞いた。

  「脈拍、血圧共に普通だわ。いつ目覚めてもおかしくない状態だと思うわ。」

ユキが島の右手首から手を放した。

  「島…テレサの事知ったら…どうなっちまうかな…」

進は島がなぜ自分が助かったのかを知ったら…と思うとこのまま寝かせてやりたいと思ったが

  「きっと島くんは大丈夫よ。テレサさんの想いもちゃんと受け止めて生きて
   くれると思う…」

ユキは“ね、島くん。大丈夫よね?”と声をかけた

  「島くんの体の中にテレサさんが生きてるの。島くんはずっとテレサさんと
   一緒なのよ?とても幸せなことだと思うの…」
  「ユキ…」

ユキはいつも一人で突っ走ってしまう進が心配だった。“私がいる”事もこんなにそばにいるのに気付かない…

  「すまなかった…こんなにそばにいるのに…君の気持ちに甘えてばかりで
   一番大切なものを見失ってしまうところだった…」

進がユキに頭を下げた。

  「…いいのよ。それがコダイススムですもの…。」

ユキが寂しそうな顔をした。

  {ヤマト、ヤマト!こちら相原…こちら相原!聞こえますか?}

突然通信席のスピーカーから相原の声が聞こえてきた。相原は宇宙空間に光る閃光を見た後宇宙空間に浮かぶヤマトのシルエットをモニターで見つけて強制通信を送ってきたのだった。

  {ヤマト…古代、聞こえているんだろう?頼む、返事をしてくれ…ユキさんが
   ユキさんが乗っていないんだ。ヤマトに残っていないか?}

相原の声は涙声だった。

  {ユキさん、聞こえますか?}

悲鳴のような相原の声の後

  {どけ、相原!ユキ、どこじゃ?そこにいるんか?古代と一緒か?
   バカモン!いるなら返事をしろ!}

佐渡の怒鳴り声が聞こえてきた。進とユキは顔を見合わせて進がうなずくと相原の席に着き通信ボタンを押した。

  「…こちらヤマト…古代進…佐渡先生、ご心配おかけしてすみません。
   相原も…悪かった。……ユキはここにいる。」

一瞬“わぁ!”と歓声が聞こえた後

  {古代、ユキは無事か?}

割り込むように真田の声がした。さすがに真田の声を聴いた瞬間ユキの瞳から涙が落ちた

  「はい…無事です…」

進が力なく言うと

  {ユキの事だ、お前に黙って残ったんだろうが…(ため息)仕方ないな…。
   救命艇は間もなく中央病院のエアポートに着く。ヤマトが地球に着い
   たらすぐ中央病院に来い。}

真田が厳しい口調で進に言うと

  {そうじゃ、古代…お前のけがはまだ治っていない。今は興奮状態で痛みを
   感じにくくなってるはずじゃ…ユキに一本痛み止めうってもらいなさい。
   まったく…お前たちは…}

佐渡は安心したのか少し声のトーンが下がった

  「佐渡先生、実は島が戻ってきました。」

進が伝えると

  {なんじゃと?無事か?}

佐渡が驚いた様子で

  {生きとるのか?}

と、聞いてきた。

  「はい、ユキが看ています。中央病院にすぐ運びたいので救急車を1台
   ドッグに付けてもらえるよう要請できますか?」

進がそう伝えると

  {わかった。わしも行く。気を付けて戻ってきなさい。}

佐渡がそう言って通信は切れた。

  「私たち何人から説教されるかしら…真田さん、佐渡先生…相原くんには
   泣かれそうね。」

ユキが進に見えないよう涙を拭きながら島に話しかけた。

作品名:yamato2  それから 1 作家名:kei