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さらば… イスカンダル 2

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  「じゃぁ…」

守がヤマトを下りようとした時エレベーターが動き出した。進が後ろを振り返ると下に降りてくるランプを確認したので

  「兄さん、待って。ユキかもしれない。」

進は守を引き留めた。エレベーターは第三艦橋で止まってユキが小走りで下りてきた。

  「遅くなってしまって…サーシァちゃん…」

ユキは守に抱かれているサーシァを奪うように抱くと

  「地球で待ってるわ…古代くんと一緒に。そして…守さん、次に会った時、
   私を義妹だと思って“ユキ”って呼んでください。真田さんも長官もそう
   呼ばれているので。」

そう言って愛おしそうにほほずりして守に返した。

  「どうぞお元気で。」

ユキは笑顔で送り出そうと決心したのだ。何事もなかったかのように…守もユキの気持ちに応えるように笑顔で返した。





守はメインクルーに見送られながらヤマトを下りて行った。



 
 「ヤマト、地球へ向け発進!」

進の命令が第一艦橋に響く。

  「ヤマト、地球へ向け発進します。」

島が復唱する。



進の横に島がいてユキが二人の背中を見つめる。真田、山崎、南部、相原、太田…いつものメンバーが揃っている。




月面基地のドッグを一望できる展望室に守とサーシァと佐渡とアナライザーは移動してきた。少し離れたドッグにヤマトがあった。すでに真空状態になっていたので出航の様子を見つめていた。

垂直に浮かんだと思うとサブノズルから勢いよく火を噴き月基地から出航して行った。

  「守くん、ヤマトの絆を見ただろう?」

佐渡の言葉に一瞬息を止めた。

  「先生?」(守)
  「あの二人は誰にも引き裂くことはでんじゃろう。多分死を以てしても…
    魂と魂で繋がっているんじゃないかと思う程じゃ。ユキは全身全霊
   で古代を想ぉちょる。古代も同じじゃ。ユキがいるから古代は古代で
   いられる。そのうち…わかると思うがな。」

佐渡はカッカッカ、と笑いながらアナライザーに真田の部屋に案内させた。アナライザーは佐渡の言っている意味が解らずいろいろなライトを点滅させて頭をくるくる回しながら先頭を歩いていた。アナライザーの両手にはたくさんの荷物がくくりつけられていた。




ヤマトは数時間後地球の地下ドッグに入港した。

  「お疲れさん。」

第一艦橋のクルーが握手をし合う。そして技術班、生活班、戦闘班、航海班、機関室担当がそれぞれ下りて行き班長が全員下りたか進に報告に来た。そして最後、メインクルーが揃ってタラップを降りる。するとそこに長官が待っていた。

  「ご苦労だった…」
  「長官…スターシアさんをお連れすることができませんでした。すみません。」

藤堂と進ががっちり握手をする

  「スターシアさんは残念だったが忘れ形見を救えてよかった。守には軍に復帰
   してもらおうと思う。ヤマトのクルーには二週間の休暇を与える。それぞれ
   疲れを癒してほしい。」

藤堂が敬礼すると全員が敬礼で返す。

  「では、私は失礼するよ…ユキもゆっくり休むがいい。」(藤堂)

  「ありがとうございます。」

ユキはホッとしたように藤堂にお礼を言った。藤堂がドッグを出て行くとクルーもドッグを後にした。




  「あ、私…さっき帰ってきました。二人とも家にいる?」

二人はクルーと一緒に英雄の丘へ行った後みんなにユキの実家に行く事を告げてヨコハマシティ方面に向かうステーションでリニアを待っていた。

  <ユキ?随分長い航海だったわね。何かあったの?>(ユキの母)
  「えぇ…ちょっといろいろあってね…」(ユキ)
  <二人、一緒なんでしょう?いらっしゃい。おいしい物用意しておくわ>(ユキの母)
  「ありがとう、じゃぁ後で。」

ユキは携帯を切った。ちょうどそこへリニアが入ってきた。

  「手ぶら、って訳に行かないな…何か買って行こう。」(進)
  「え?いいわよ。」(ユキ)
  「そんなわけに行かないよ。ヨコハマでワインを買おうか。」(進)

ユキの両親はワインが好きだった。ユキは黙って頷いた。

作品名:さらば… イスカンダル 2 作家名:kei