二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

さらば… イスカンダル 3

INDEX|7ページ/10ページ|

次のページ前のページ
 

やがて休暇が明けてクルーも新しい任務に当たり始めた頃進とユキは二人で暮らし始めた。進がまだ地上勤務という事もあり二人で買い物をして二人で部屋に戻るという事が続き軍の内部で一緒に暮らしているのではないかという噂が流れ始めた。

  「ユキさん、休憩中ですか?…ご一緒しても?」

相原が食堂でひとりコーヒーを飲むユキに声を掛けた。

  「えぇ、どうぞ。」

ユキが笑顔で相原に応える。相原はその笑顔を見てきれいになったな、と素直に思った。

  「さっきまで古代くんと一緒だったんですよ。あぁ、また“古代さん”って
   言わなきゃいけなくなる…今度、パトロール艇一緒に乗るんです。もちろん
   艇長は古代くんだからね。」

その時ちょうど島が現れた。

  「おぅ、ヤマトではよく見る光景だが…」

と言って二人に近付きていて持っているトレイをユキの隣に置いた。

  「お隣、よろしいでしょうか?」

やたら丁寧な言葉にユキがくすくす笑うと

  「いやぁお綺麗な奥様のそばに座るとなると言葉も上品になるんだよ。」

と、冗談を言った。

  「やぁだ、奥様、なんて。」

ユキがコロコロ笑う。…と島が隣の座った時相原にユキの香りが届いた。

  「…あれ?」

相原が不思議そうな顔をする。

  「どうしたの?相原くん?」

ユキが不思議そうに小首をかしげたが相原はすぐ笑顔になって

  「ユキさん、噂は本当ですね?」

と聞いて来た。ユキは噂自体がわからず“?”という顔をしているが島はピンと来たようでニヤニヤ笑っている。

  「ユキさん、古代くんと一緒に住んでるでしょ?チラホラそんな噂聞いてるん
   ですよ。一緒の家族寮に入って行った、とか一緒に出勤してる、とか…。」

相原の言葉に島も耳を傾けている。

  「今、同じ匂いだ、って思ったんですよ…ユキさんのシャンプーと古代くんの
   シャンプーの匂い!」

相原がしてやったり、と言わんばかりに言うと

  「ほぉ~ユキ、そうなんだ、古代と住んでるんだ。」

島がフムフムと腕を組んで隣のユキを見た。

  「あら?いいじゃない。あのお部屋とても広くて一人じゃもったいないもの…
   ねぇ一度みんなで遊びに来て。4つも部屋があるから寝ちゃっても大丈夫
   よ。お客様用のお布団買わなきゃだわ。」

ユキはにっこり笑ってコーヒーを飲む。まるで二人で住むのが当然のように…

  「噂ねぇ…そうね、別にコソコソしてるわけじゃないから…いつだれに
   見られてるかなんて考えなかったわ。考えたらまだ結婚してないから
   余り堂々としない方が良かったのかしら?」

ユキがそう言いながら赤い舌を出した。

  「まぁ…軍にはユキさんのファンもいるし古代くんのファンもいるから
   それなりにショックを受ける人がいるんだと思いますよ。結婚も延期に
   なったから破局を待ってる人もいたかもしれないし。」

相原が笑いながら言った。

  「ふふふ、そうね古代くんファンは怒るかもしれないわね。だけど私まだ
   自分の部屋そのままよ?ケンカの後、帰る場所、ちゃんと確保しておかな
   いと行くとこなくなっちゃうから。」

ユキが笑いながら言うので

  「なぁんだ、ユキ。俺の所に来てもいいのに。」

島が言うと

  「いいの?島くんファンも多いのよ。男性の独身寮、女性立ち入り禁止よ?
   どうやって入ったらいいの?」(ユキ)
  「そんなの男装すればいいよ。ユキ、背も高いし…なぁ?」

島が相原に相槌を求めると相原はすぐに頷いた。
  
  「だけど本当は広すぎて一人じゃ寂しいから自分の部屋残してあるんだろ?」

島がすぐに突っ込んだ。ユキは驚いた顔で島を見た。

  「ユキはなんだかんだ言って寂しがり屋だからな。あいつがいない時は
   俺でもコイツ(相原)でも誰でもいいから食事に誘えよ。」

ユキは次の言葉が出てこなかった。

  「付き合いが長いといろいろ見えてくるものですよ。」

相原も続く。

  「…ありがとう。」

ユキは素直にお礼を言った。

作品名:さらば… イスカンダル 3 作家名:kei