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さらば… イスカンダル 3

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  「う…ん…」

進が隣に寝てるユキの素肌に触れるとユキの長いまつげが揺れてうっすら眼が開いた。

  「おはよう。」

進がそっと口付けをする。進の手は滑らかなユキの肌に触れたまま…ユキは“おはよう”の挨拶の返事もできず進のなすがままになってしまう…

  (昨日、眠っているユキを見て…どうしても抱きたくて…)

ヤマトに守とサーシァを乗せた時進は何とも言えない不安に駆られた。ユキは当直のローテーションを離れサーシァの世話をする事となりほとんど第一艦橋に来なくなった。自分との時間より兄と一緒にいる時間が長くなる…心のどこかでユキの気持ちが兄に向かってしまうのではないか、そして兄もユキに惹かれて行くのではないかと…ヤマトは訓練航海の途中なのに兄、守とユキの事が頭を離れなかった。

  (艦長代理の兄と森班長だろ?)

そんな噂も進に聞こえよがしにいう新人のクルーがいたがそれもいつの間にか下火になっていた。(その陰にメインクルーの努力があった事を鈍い進が気付くはずもない)

  (その不安が…昨日の夜ガマンできなかった原因かもしれないな…)

キスの後は本能の赴くがまま…ユキの敏感な部分に触れてユキの全てを包む…ユキは俺の大切な人…誰にも渡さない…誰にも触れさせたくない…たとえそれが誰よりも尊敬する兄であっても…


その気持ちが進を奮い立たせていた。



ユキも進の気持ちをわかっていた。今までずっと同じ艦橋で背中を見つめていたから進の気持ちが痛いほどわかっていた。あこがれの兄、と私と…守の自分への気持ちも気付いているはず…

ユキは時に優しく、時に荒々しく抱かれながら進の正直な気持ちが嬉しかった。






  「ブランチになっちゃたわ。」

昨日、朝食用に買った食材を温めながらユキがつぶやいた。

  「いいじゃないか。ユキもお腹減ったろ?さすがに。」

進がニヤニヤしながら言ったのでユキは真っ赤になりながらも

  「…知らない!…ゆっくり寝かせてくれないならベッド、もう一つ買おう
   かしら…」

ユキが紅茶をいれながら言うと進は真剣な顔で

  「えぇぇぇ~それはダメでしょ!」

と叫んだ。進が真剣な顔してるのでユキは笑ってしまった。

  「ふふふ、そんな不経済な事しないわ…さぁ食事したら出かけましょう?」

ユキが座っていただきます、と言うと進が不思議な顔をした。

  「どこへ?」(進)
  「もう、古代くん?新居の家具、見に行こう、って言ったじゃない。忘れ
   ちゃったの?」

ユキのあきれた顔に進は昨日、家族寮を見に行ったことを思い出した。
 
  「あ、そうだった。急いで食べなきゃ!」

進は嬉しそうに急いで食べ始めた。

作品名:さらば… イスカンダル 3 作家名:kei