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さらば… イスカンダル 3

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復帰


  「古代 守、入ります。」

イカロスに2か月滞在していた守が地球へ戻って来て藤堂へ挨拶に来た。

  「守…よく戻って来てくれた…」

藤堂が握手を求めると守もそれに応じた。応接室に通された守は藤堂に促されてソファーに座った。そのとき扉をノックする音がしてユキがコーヒーを運んできた。

  「ありがとう。」

守の優しい眼差しにユキがうなずくと

  「失礼します。」

と言って秘書室へ戻って行った。

  「古代とは?」(藤堂)
  「地球に戻ってきてすぐ…」(守)
  「じゃぁ、ユキとも?」(藤堂)
  「はい。」(守)
  「ユキと守と連携する仕事が多いと思う。よくできる秘書だからなんでも
   聞くといい。」

藤堂が満足そうに言う。

  「はい。」(守)
  「それと…サーシァは?」(藤堂)
  「えぇ、イカロスで元気にしています。元気いっぱいでアナライザーが
   困っていました。成長が止まればすぐに訓練学校に入れたいと真田からも
   言われています。すでに160程になっているのでそろそろ大丈夫だと
   思いますが…。」(守)
  「そうか…辛いだろうが…」(藤堂)
  「いえ…私がいない間のあいつを思えば…進…が少しでも楽になればと
   思ってこの仕事を引き受けました。」(守)
  「そうか…そうだな。古代の背中の荷物はどんどん重たくなる一方だ…
   私も何とかしてやりたいと思っているが…なかなか…。」

藤堂も辛い顔になった。

  「だが古代もユキと暮らすようになって随分明るくなったし…周りは結婚も
   秒読みか、なんて言われてるがな…私的には少しでも結婚を延ばして
   ほしいのだが…」

藤堂が苦笑いしたが守は二人が同棲したいという事は聞いていたがすでに一緒に住んでいるとは知らなかったので驚いた顔を一瞬したが相槌を打って何食わぬ顔をした。

  「ところで地球の状態は?」(藤堂)
  「はい、向こうでしっかり…真田が細かく今の状況を教えてくれました。」

守が以前と同じ顔になった。藤堂は満足そうにうなずくと

  「ではユキについて部署へ向かってくれ。…まぁ…コーヒーでも飲んで…少し
   ゆっくりしてから…イカロスの訓練はどうだった?」

守は自分の実戦とヤマトで行われていた進の訓練を中心にカリキュラムを校長の山南と一緒に作っていた。

  「ヤマトの中で進が訓練していた事を折り込みながらしていました。ヤマトの
   訓練は実戦に近い状態で行われるのでとても有効です。今後訓練学校でも
   取り入れるべきですね。」

守は実戦経験の豊富な進ならではの訓練を推奨した。藤堂と守は久々の再会を喜びしばらく歓談していた。








  「ユキ、いいか?」

長官室からお呼びがかかった。ユキはすぐに長官室の扉をノックすると中に入り

  「お呼びでしょうか?」

と声を掛けた。

  「守を指令室に案内してくれ。私も後で行く。」(藤堂)
  「はい。」(ユキ)

ユキは敬礼すると長官室を辞して守と二人で指令室へ向かった。








  「なんだかその制服着てると別人みたいだな。」(守)
  「そうですか?ヤマトの制服よりこっちの方が好きですけど…だけど
   これ、スカート短いので…誰が選んだのか…。」

ユキが恥ずかしそうに裾を気にして歩くと

  「森さんは大丈夫ですよ。」

と守が言った。

  「守さん、ユキ、で、いいです。みんなそう、呼んでるので。」

と、ユキが念押しした。守は少しテレながら

  「…じゃぁ…ユ…ユキ?」(守)
  「はい?」(ユキ)
  「あいつは俺に一緒に暮らしてる事言わないがなぜだ?」

守が急に話を変えてきた。

  「え?」(ユキ)
  「俺が地球に戻って来た日、進とユキと迎えに来てくれて…ユキは寮に
   帰って行ったよな?」(守)
  「えぇ…」(ユキ)
  「知ってたらどこかホテル予約したのに…俺がユキを追い出したみたいじゃ
   ないか。」(守)
  「あの…いえ、積もる話があるんじゃないかと思って…私遠慮したんです。」

ユキが当たり障りのない返事をした。

  「気を使ってくれるのはありがたいけど…普通にしてくれな?いや、あの後
   ベッドみたらやたら大きいからフライングしてでかいの買ったんだ、って
   思ったんだけど…大丈夫、俺はリビングにあったソファーで寝たからさ。」

ユキは気を使う守を想像してクスクス笑った。

  「進にも言ったんだが俺の事は気にしないでさっさと結婚しろ、って…。
   だけどあいつ言葉を濁して…。」(守)



作品名:さらば… イスカンダル 3 作家名:kei