永遠に…の傷跡 1
真田が部屋を出た後島はシャワーを浴びた。
連続ワープが続き思ったより体は疲れを訴えていてベッドに横になったとたんうとうとし始めた
“島さん、ありがとう”
目の前が急に明るくなり青い艦内服を着たサーシァが島の前に現れた
「サーシァ?」
“えぇ、サーシァよ。もう太陽系ね。次郎君にももうすぐ会えるわね。とても島さん
のこと心配してるわ。でも普段は元気いっぱい外で遊んでいるわ。”
「サーシァ…ごめんな、助けに行けなくて…サーシァにはデザリアムがどう見えた?」
“うん、なんかね、こう…銀色に見えたの。目で見ると碧いんだけど心で見ると銀色
だったの。とても冷たくて…”
「そうだったのか…悪かったな。何も気付かず置いて行ってしまって…」
“ううん、そんなことないわ。ヤマトの中は小さなころからかくれんぼに使ってたから
とても居心地よかったし…お義父さまに聞いていた通りみんな仲良くって楽しそう
だったし。でも私ももっと仲間に入りたかった。ユキさんとたくさんお話したかった。”
「ユキは君のこと守さんから取り上げるかの勢いで世話していたからな。」
島は当時の事を思い出して笑ってしまった。
「古代も守さんもすることなくて佐渡先生とユキはいっつもきみをかまっていて…
ユキは君を見て将来の古代と自分の間に生まれてくる子供を考えていたんだ
ろうと思う。本当なら2年前に結婚してたはずだからなぁ。」
“そうよね、真田のお義父様から聞いたわ”
サーシァがさみしそうな顔になった
「でも二人は何も変わらない。今度の事でもきっと大丈夫だ、と俺は信じてる」
“そうね、私も大丈夫だと思うんだけどおじ様大丈夫かなって心配で…ユキさん
任せられるかしら?”
「大丈夫だよ、古代がだめでも古代の後ろから俺たちがバックアップするから。」
“島さんが一番信用できるわ。叔父とやさしい地球の私の母をお願いします”
サーシァは安心した顔で島の前から姿を消した
「夢?」
島は目を覚ました。いやに感触のある夢だった。まるでそこに座って話をしたような、そんな感じの夢だった。
(ちょっとのどが渇いたな)
冷蔵庫の水を取りにベッドから降りると何かが落ちて床に転がった。明かりをつけるとそれは大きなダイヤモンド鉱石だった。島はそれを手に取るとそれをにぎりしめて
「叔父さんはきっと大丈夫だよ。サーシァも心配性だな」
そう言って笑った