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永遠に…の傷跡 2

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ユキの戦いⅠ


  <ヤマト太陽系突入確認!地球へ向かって帰還中>


地球防衛軍旧司令室にこだまする通信士の報告。ユキはやつれながらもふと全面
パネルを見た。代11番惑星の軌道上にヤマトと思われる戦艦が姿を現した

  <相原通信士とつながっております>

ユキはすばやく通信室に入るとイヤホンを付け機材のスイッチを入れた

   <<こちら地球防衛軍 森 雪。太陽系御帰還お疲れ様です。ヤマト艦内変わり
    ありませんか?>>
   <こちらヤマト通信士相原義一。代11番惑星軌道上突入しました。敵残存艦隊
    見当たりませんが注意しながら航行しますので地球到達時刻は通常便より
    遅れる見通しとなります。到着予定時刻は改めて航海班の測定後もう一度
    連絡したいと思いますのでよろしくお願いします。>

   <<了解しました。前にも報告しましたが戦闘衛星ならびに監視衛星すべてが
     使用不能となっていて残存艦隊がいる可能性は低いと思われますがゼロ
     でもないと思いますので注意して航行願います。>>

   <了解しました。…ユキさん、今通信室ですか?>

相原の言葉が急にゆるくなった。

   <<えぇ、私以外いないわ。>>

ユキもほっとした顔で相原に向ってほほ笑んだ
すると相原は手書きのボードを見せた。

   <そうですか。それにしても衛星がダメとなるとかなり慎重に進路計算しなくては
    いけないな。>

ボードには

    大丈夫ですか?古代さんは大丈夫です。古代さんにもユキさんにも乗組員が
    付いていますから地球に到着するまでの辛抱です。頑張って下さい。
    真田さんから伝言で 食べて下さい、ちゃんと!ってさ。いつも言われてるから
    ちょっと言いたかったって。

と書いてあった。それをみてメインクルーは例の噂を知っているとユキは知った。

   <<…了解しました。その件は…艦長代理ももちろんご存じで?>>
   <はい、地球に着くまでに知っておいた方がいいと思って…でも我々は…信じて
    います。絶対大丈夫だって。また明日の定時連絡のときには地球帰還の正確な
    日時がわかると思いますので…これにて通信を終わります。>

二人は敬礼して通信を終えた


                 古代君が帰ってくる…
                 古代君も噂を耳にしてしまった…


                 でも相原くんは大丈夫って…
                 本当かなぁ…

                 真田さんにも心配かけちゃってるのね

ユキはそこに自分がいないことがとにかくさみしくて涙が出そうになったがここでくじけては
いけないと思い改めて気合を入れて通信室の席を立って部屋を出て行った

  
作品名:永遠に…の傷跡 2 作家名:kei