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永遠に…の傷跡 2

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ユキは多忙を極めていた。

爆弾はまだ地球に鎮座したままだった。先に市民の安全のために爆弾の解体は復興の目処がたってからにしよういうことになった。

長官の藤堂も忙しくヤマトがデザリアムを撃滅し太陽系に入るまで休みなく働いていた。奇襲攻撃の時地球防衛軍の機能がほとんど壊滅状態にあり復興の指示などをするリーダーが不在となってしまったのだ。
藤堂もユキに休みを勧めたがユキはそれを受け入れなかった。
藤堂はみるみるやせ細るユキを見て痛々しく思っていたが藤堂も噂を耳にしていたので却って自分の傍に置いて一人にならないよう気を使っていた。もちろんユキもそれが分かっていたのでいつも藤堂に付いていた。
ヤマトとの通信の担当させたのも藤堂の計らいだった。でもどうしてもユキが藤堂と一緒に外出となると別の担当が定期連絡に出る。その時の担当がたまたま相原がまだ学生の時指導してくれた担当だったからこっそりユキの情報をながしてくれたのだ。

太陽系内に入ると通信衛星が生き残っているのがあったらしく相原の端末にメールが入った。
相手はユキがいないとき通信を担当してくれた指導員の伊藤だった。

      相原、ずいぶん近くまで帰ってきたな。これがお前に届くか分からんが
      早めに連絡しておいた方がいいかと思ってメールにした。
      例の噂だがどうもゴシップ記事から出ているようだ。決死隊を組んだ人間が
      森さんを売ったとは余り考えたくないが森さんが爆弾内で図面をどこからか
      運んで来たこととかが書かれてるから…仲間の誰かが面白おかしく想像で
      情報を流したとしか思えない。
      ただ決死隊も軍以外から一緒に戦いたいという申し出があり体力に自信の
      あるものは採用していたから確かに全員口が堅いか、と聞かれたときに
      はい、とうなずけるものではない。

      相原、頼りなくて申し訳ないと思う。私たちは無力だ。ヤマトに助けてもらった
      のにそれを仇で返そうとしている。森さんには長官が付いているが四六時中
      一緒というわけにいかないのでどこかでその噂を耳にしたんだろう。毎日
      見ててわかると思うがもともとほっそりした人なのにすっかりやつれてしまった

      森さんの為にも一日も早く地球に戻ってこい。そう艦長代理にも伝えてくれ。

                                      伊藤


作品名:永遠に…の傷跡 2 作家名:kei