永遠に…の傷跡 4
ユキの戦いⅢ
ユキはぐったりしながらも仕事中は気持ちを切り替えて藤堂とともに仕事をこなした。
大統領のところにはユキが爆弾の装置を解除したことがすでに伝えられていてお供に付いて行っただけだが大歓迎を受けた。
それがユキを日本でねたまれる対象になるとは大統領は思ってもいないことでユキは出来るだけ公の場に出ることを拒んだ。
二日間の日程を終えてトーキョーに戻ってきたときのユキは何一つ食べられない状態になっていて吐血も頻繁に起こるようになっていた。腕には注薬も底をつきはじめていた。
「長官、戻り早々申し訳ございませんがヤマトが…」
伊藤が裏玄関で待っていた。ユキが視界に入ると自然と会釈が出た。
「ヤマトが?」
「悪いことではありません。残存艦隊がないことを確認したので予定より早く今日、
後2時間ほどで帰還すると連絡がありました。もしお急ぎの仕事がなければ
このまま森秘書とドッグに向かわれてはいかがでしょうか。」
伊藤通信士は敬礼したまま興奮を抑えきれず報告した
「ユキ、今日の予定はどうなっている?」
藤堂は慌てる様子もなく…しかし嬉しそうにユキを優しそうに見て予定を確認した
「はい、今日の午後は地上の地球防衛軍の復興工事の様子を見に行くように
なっておりますが。」
「よし、わかった。それは別の人間に行かせよう。伊藤くん、大至急エアカーを
呼び戻してくれ。ユキはこのまま一緒にドッグへ向かう。」
伊藤はうれしそうに
「了解しました。ではこのままこちらでお待ちください。早急に手配します。」
そう言うと敬礼して通信機を片手に走って行ってしまった。
「よかったな、ユキ。今日でユキのナイト役は古代に引き継がないとな。後で
正式に発表するが2週間の休養を与える。場合によってはそれ以上の休暇も
よい。かなりつらかっただろう。こんなに痩せてしまって…すまなかった、ユキ。
私も1週間休みを取ることにするよ。妻と少し休養がてらどこかへ行こうと思う。
とにかく体を元通りにしてからでないと長官室には入れないと思いなさい。
わかったね。」
間もなくエアカーが来た。
「長官…」
「私に出来るのはこれくらいしかなかろう。有給も随分残っているそうじゃないか。
2週間につけてたっぷり休んでもいい。古代と…相談しなさい。」
10分ほどでヤマトの到着ドッグに到着した。そこにはすでに整備員が配備されていてクレーンがドッグ横につけられていた